英語あれこれ②~ただ聞いてくれる~
その日の報告
英語も授業の内容もさっぱりわからないオーストラリアでの高校生活。
家に帰ると、ホストファミリーのお母さんが、必ず「今日は何をやったの?」と聞いてきました。
ホストのお母さんは優しくて大好きだったし、毎日サンドイッチのお弁当も作ってくれたし、英語ができない私が学校でうまくやっていけているのか心配しているのもわかっていたので「別に( nothing special )」というわけにもいかず、何かしらがんばって話すようにしていました。
ただ聞いてくれる人の存在
とはいえ、毎日目新しいことがあるわけでもなく、友達と話しがはずんだこともなく、授業中はぼーっとしていた私にとって、話すネタを探すのは大変で、帰宅するスクールバスの中では、毎日「今日は何を話せばいいだろう」と考えるのに必死でした。友達からもらった生のカリフラワーを食べたけど、美味しかった、日本では生で食べたことはなかったとか、歴史は産業革命の頃をやっているとか、体育はバレーボールを選んだけど、みな制服のままやるので驚いたとか、懸命に話題を絞り出していました。
ホストのお母さんは、夕食の支度をしながらいつも優しくうなづいて聞いてくれ、私もお母さんを手伝いながら、お父さんが仕事から帰ってくるまでの時間を過ごしました。
私の英語はつたなかったはずですが、ホストのお母さんは文章を修正することは一切しませんでした。私が単語がわからず詰まったときは何が言いたいのか考えてくれ、私の話す内容がよくわからない時はさらに聞いてきたりしましたが、私の間違いを指摘することもありませんでした。
「私の英語がおかしくてもお母さんはわかってくれる、私が話すのを聞いて楽しんでくれている」と思えた私は、安心して話せるようになり、それをきっかけに他の人とも話すのが楽になっていった気がします。
間違いは指摘せず、ただおしゃべりする英会話レッスンがあったら
「英語が苦手だなーと思っている方、15分だけ私と話してみませんか?」
と言われたら、手を挙げる人はいらっしゃいますか? テーマはあなたが決めてかまいません。思いつかなかったら私が質問することから始めてもかまいませんが、その場合はお互いの自己紹介からですね。15分間は英語だけです。文法や発音についての修正や間違いの指摘は一切しません。会話が続かず苦しくなったので5分しかたっていないけど終了したい!と思ったらそれでもかまいません。
これでは正しい英語が話せるようにならないと思われるかもしれません。でも、最初から正しく話せる人はいなくて、受け止めてくれる人がいる安心感の中で自由に言葉を発していくうちに、人は自分自身でことばを修正してくのではないかと思っています。赤ちゃんが電車を見て「でんちゃー」と言った時、お母さんは決して「でんちゃ、じゃなくてでんしゃ!」なんて言わず、「ほんとだ、電車が来たね~」と笑顔でこたえるのではないでしょうか。その繰り返しの中で、自然にその子は「でんしゃ」と言えるようになる、そんなイメージです。
そんな変わった「英会話レッスン」やってみようかな。参加希望者がいらしたらお知らせください!
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