自分で立つロボット? ~子どもたちのロボット競技会 その2~
文章チェック
ロボット競技会を開催するうえで、広告媒体の作成も重要なお仕事です。また、人材育成をミッションとするNPOとしてどんな事業を展開しているかといった活動紹介資料等も各種作成します。
このお仕事に関わって間もないころ、広告資料の文章チェックをすることになりました。
「WRO ®とは World Robot Olympiad™の略で、世界の子どもたちが参加する自立型ロボットの競技会です。」
ロボットというとカシャッカシャッと歩くスターウォーズのC-3POがすぐ浮かんだ当時の私は、「うんうん、二本足で歩くってバランスとるのも難しいしすごい技術だよねー」と思いながらその文章をスルー。
他の修正箇所にチェックを入れて提出したら、同僚から「ここもよ」と原稿を見せられました。ダブルチェックしてくれた!当然ですね、入社したての、今までロボットやイベントに無縁(ついでに言うと、エクセルはほぼ使ったことなく、パワポってなに?状態。ワードのベタ打ちはできたもののネイルが好きで爪を伸ばしていたこともあり打つスピードは遅い(あ、これは今も))のパートのおばさん(私)に最終判断はさせない。
「自立型、ではなくて自律型なのよ」
自律型?自分を律する?
C-3POがやたらと反省しつつ自分を鼓舞する姿が目に浮かびました。
自律型ロボット…外部から操縦をすることなくロボットが自分で判断して 動く。リモコンとかラジコン操縦のロボットなどと違う点です。
そこで、今ちまたでもよく聞く「プログラミング」です。
上の画像は、2019年にデンマークで開催された小学生部門の競技を撮ったものです。町のような絵とその上に置いてあるブロック、そしてロボット。ロボットは、決められた線(黒線)の上を動き、与えられたミッションをこなしてゴールに戻ります。ミッションの達成度とタイムを競う競技です。ミッションは、例えば赤いブロックを、緑のブロックのある場所に持っていき、緑のブロックをどかして赤いブロックを置く、緑のブロックはゴールまで運ぶ、など(実際はもっと複雑です)。
まず黒線だけ移動させるには、「黒の線の上だけを歩く」という指令、様々な色があるブロックの中で「緑のブロックだけをつかんで持ち上げる」という指令、「ブロックをつかんだらバックする」という指令も必要でしょう。その他いろんな状況を想定してプログラミングし、ロボットにその情報を転送する。競技の時はロボットのスイッチを押して、自分が考えた通りに動くように、と(祈りながら)見守る。
ロボットも本体もミッションを確実におこない、かつ早く動けるようなデザインにしなくてはいけません。ついこの間生まれた(私の感覚で)小学生たちがこんなロボットを作ってプログラミングをする…そして日本の小学生チームは、ほぼ毎年国際大会で8位以内に入賞しています。もう尊敬しかありません。
なぜ「自律」のことを書こうとおもったかというと、先日の母のひとことがきっかけでした。次男が一人暮らしを始めたことを母に話したところ、母が「やっとじりつしたのね」と言ったのです。その時、二つの単語「自立」と「自律」が頭に浮かび、ほぼ同時に昔の同僚の顔が浮かんだのでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?