2019 J1第28節 浦和レッズvs清水エスパルス レビュー
目次
1.はじめに
2.スタメン
3.前半
4.後半
5.感想
1.はじめに
いつも読んでいただいてる方ありがとうございます。初めての方、読んでみて面白いと感じたらSNSなどで周りに拡散してもらえると嬉しいです。
前節、残留を争う湘南に0-6と大量得点、クリーンシートで勝利し、公式戦3連勝と勢いに乗るエスパルス。
今節の相手は同じく残留を争う浦和レッズだ。レッズはリーグ戦は調子が上がらないが、ACLでは準決勝1st legを勝利した勢いをリーグ戦にも繋げたいと考えるはずだ。
前日に17位の松本山雅、18位サガン鳥栖が共に勝利し、残留ラインが上がった為、両チーム勝ち点3がどうしても欲しいこの1戦を振り返っていく。
2.スタメン
▪レッズ
ファブリシオ→興梠の変更のみ。
▪エスパルス
エスパルスは前節負傷交代したヘナトが今節も出場出来ず、六平に変更のみ。
**3.前半 **
キックオフ直後からエスパルスはロングボールを蹴るがセカンドボールを拾えない。
1’00レッズ自陣ゾーン2右ハーフスペース岩波→下りてきた興梠がエスパルス陣内センターサークル脇でセンターサークル内フリーの青木へフリック。青木は武藤とのワンツーから左外槙野へ。槙野はエスパルス右チャンネル(CB,SB間)へ走った興梠へ出すが、絞ったエウシーニョがカット。
エスパルスは1st ラインが相手の最終ラインにプレスに出ずにCHを消す様にした。これが効果的に働いた。それにより、レッズは中央へのパスを入れられず、外回りになり、守備の基準点がハッキリしたエスパルスに捕まえられボールを奪われたり、パスミスから攻め込まれる様になっていった。
19’ レッズ陣内ゾーン3左サイドから二見のロングスロー。ニアで興梠がヘディングしたボールがファーに流れ、河井がヘディングでドウグラスに丁寧に落とす。ドウグラスは自らシュートするスペースを作り、ワンタッチでシュート。アウトにかかったボールがゴールに吸い込まれる。
エスパルス先制
エスパルスに先制を許し、中央を使えないレッズではあったが、25’過ぎ頃からシャドーの選手や興梠が下りて来て縦パスが入るシーンが見られるようになり、CHの間や周りを使えるようになる。
26’05 竹内が自陣ゾーン2右ハーフスペースから縦パス。ハーフライン付近でライン間をとった河井が受ける。受けた河井に対し、槙野が出てくるが河井は上手くかわしドリブルでペナルティーアークまで運びシュートするがゴール左に外れる。
32’15 エリア手前で興梠からボールを奪いカウンター。ハーフライン手前で河井はドウグラスに出すが意思が合わない。
32’33 六平が自陣ゾーン2でエヴェルトンへのパスをインターセプトしてカウンター。センターサークル内からドウグラスの裏抜けを狙ってパスを出すが、これもドウグラスと意思が合わない。
この様にエスパルスが上手く攻撃出来ず、追加点を奪えないでいると、レッズに流れが傾く。
33’15 センターサークル内鈴木→CH手前まで下りた興梠へ縦パス。受けた興梠はエヴェルトンとのワンツーから右外の橋岡へ。橋岡はサイドに流れた長澤に出すが、二見が対応した為、クロスは上げられず下げる。
34’23 鈴木がハーフライン手前で受け、西澤が橋岡、竹内が岩波を意識した為、間を縦パスを通され長澤が受ける。六平が左に寄っていた為、フリーの武藤が長澤から受けエリア内左ハーフスペース関根に出すが、エウシーニョがカット。
40’06 竹内が自陣センターサークル内から体勢を崩しながらドウグラスへ左足でのパスが岩波に当たってしまう。拾った橋岡がギャップが出来たエスパルス左チャンネル(CB,SB間)へ縦パス。武藤が二見の背後から抜け出しシュートするが出て来たGK大久保に当たりCK。
45+2’ エスパルス左サイドゾーン3深い位置でドウグラスがヒールパス。これが金子と合わずにロスト。そこから左右に振られ、レッズゾーン3右外の橋岡からクロス。興梠がソッコの背後から前に走り込み頭で合わせてゴール。
レッズ同点に追いつく
エスパルスは残り10分辺りから一方的に攻められ、前半終了間際に不用意なパスでロストし、嫌な形で同点にされハーフタイムを迎える事となった。
4.後半
46’~55’ 『相手バックラインへタイミングを見てプレスをかけること』というハーフタイムの指示があった為か、エスパルスは後半スタートから前線は前からプレスに行くが、後ろはラインが上がらない為に間延びし、スペースが出来るようになる。
55’~62’ スペースが出来てセカンドボールを拾えずレッズに攻め込まれる為、前半の様にゾーン2にセットした守備に変更した様に見えたが、DFラインではね返したり、レッズが最終ラインにボールを下げてもエスパルスDFラインをあまり上げられない。
62’ドウグラスを下げドゥトラを投入。システムを4-1-4-1に変更。2列目は右から河井,金子,六平,西澤となる。
このシステム変更に疑問を感じたが、それは感想で詳しく話そうと思う。
65’48 レッズ自陣ゾーン2左ハーフスペースから槙野がアンカー竹内の脇にポジションを取った興梠へ縦パス。しかし、これは河井がカット。
65’58 青木がハーフライン付近から河井,六平の間を通して竹内の脇の興梠へ。
67’17 興梠がゾーン3左ハーフスペースでエスパルス2列目の手前からクロス。エリア手前で杉本が二見を背負いながら受ける。近寄ってきた長澤にヒールパスを出し、受けた長澤がエリア内でシュートするが、体勢を崩し外す。
杉本が入った事でポジションを下げた興梠にアンカー脇を使われるなどし、捕まえられない。
71’54 ドゥトラの深い位置からのクロスをはね返され、レッズのカウンター。ゾーン1で受けた興梠が自陣ゾーン2センターサークル手前まで運び、杉本へロングボール。ゾーン3左外で受けた杉本は長澤へ下げる。クロスを警戒し、エスパルスがゴール前のスペースを埋めた為に空いた中央のスペースに青木が走り込み長澤から受ける。ここに六平が戻って来たのを確認し、ボールと六平の間に上手く体を入れ六平のファールとなりFKを得る。
75’ このFKの流れでレッズ右から入れたクロスをエウシーニョがクリアーするが、エスパルスはボールウォッチャーとなり寄せが遅れる。素早く反応した橋岡がコントロールからボレー。
レッズ追加点
78’ エスパルス選手交代により、1トップにテセが入り、2列目は右から西澤,川本,六平,ドゥトラとなる。
79’~ レッズは追加点を奪った事により前からのプレスをあまりかけずに、ブロックを作っての守備に変更。エスパルスはボール保持の時間が増えたが、効果的なパス回しや崩しが出来ない。
このまま試合終了。
5.感想
二見のロングスローから先制点を奪い、前半は比較的良い形で守備が出来ていただけに、勿体ない悔しい敗戦となってしまった。
試合を冷静に振り返るといくつかの疑問点が浮かんできた。
1つめは同点ゴールを許した場面だ。
ドウグラスの軽率なヒールパスがキッカケにはなったのだが、ドウグラスだけの責任なのだろうか?
前節(湘南戦)を思い出してほしい。アディショナルタイム前に追加点を奪っていた、しっかりボールを保持しての攻撃だったという違いはあるが、あの試合でもアディショナルタイムに得点を奪いに行っている。今回ドウグラスは同じく得点を取りに行くものだと思っていたのではないだろうか?
そう考えると単純にドウグラスだけの責任とは考えられなくなる。
そこで浮かんできたのが、「あの場面でベンチから残り時間を知らせていたのか?」という事と、「チームとして状況に応じた前半の終わらせ方に約束事や共通理解があったのか?」という疑問点が浮かんできた。
2つめはドウグラスを下げ、ドゥトラを入れシステム変更した場面だ。
前半ドウグラスがやっていた相手のCHを消しながらの守備というタスクをそのままドゥトラが引き継げるかという問題も考え、前半の様に中央を使わせない為にシステム変更したのではないかと思うのだが、「前半の様な守備を」というメッセージを持たせた変更なのか?あるいは、「前からプレスに行き、攻撃のスイッチを入れる」というメッセージを持たせての変更だったのか?をベンチからピッチ内の選手達に伝えていたのか?という疑問点が浮かんできた。
3つめはシステム変更と交代カードの切り方だ。
ドウグラスがこの試合の前に木曜日の練習を体調不良により途中で切り上げている。本人の状態を確認してこの試合で使ったのだとは思うのだが、90分出来ない事を想定して、しっかりとした準備があってのシステム変更や交代カードの切り方だったのだろうか?という疑問点が浮かんできた。
また、この試合ではそれまでの2試合で見られていた様なボール保持の局面で、相手のプレスを利用したパス回し、レッズ両WB橋岡,関根にサイド攻撃を封じられてしまうなど良い形のエスパルスがなかなか見られなかった。
このように良い形が出せなかったり、いちレビュアーの疑問点かもしれないが、これだけの疑問点が浮かんでくる試合ではこの結果は妥当だったのかもしれない。
しかし、今節の敗戦で残留争いから1歩抜け出す事が出来なかった。残り6試合。下を見ると、プレーオフ圏16位の鳥栖とは勝ち点差4と縮まってしまった。
代表ウィークやルヴァン杯でリーグ戦は飛び飛びになるが、それをプラスに捉えしっかりと修正する部分は修正して次節ホーム広島戦を迎えてもらいたい。
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