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【影響工作の脅威5パス目】いわゆる「白人中心主義」には「グラデーション感覚」が欠落している?

今回は以下の投稿の続き。

上掲の投稿でやり取りした方からこうした反応を頂きました。

実際にはメキシコと国境を接するカリフォルニア州といえば報道でも麻薬組織と戦争状態にある様な伝えられ方をしてますね。

ましてや「コスタリカの麻薬組織」なんて年中日常茶飯事の様にお互い殺し合ってるので有名。この程度の事件、現地の感覚では「隣の家が飼ってる犬が夜吠えてうるさい」レベルの日常的風景に過ぎないという事?

それはそれとして、こちら側にも落ち度はありました。各情報の「サイズ感」が曖昧で、まさにそこを曖昧にしたまま議論を進めるのが陰謀論者やロシアのグレイ・プロパガンダの手口な訳で、私もそうした一味の一人と疑われた可能性があります。なので今回はその部分をはっきりさせる所から始めたいと思います。


消失帯(Vanishing Zone)上の泡沫事象(Fleeting Event)

以下の展開で私のXアカウントは2023年9月27日に凍結され、2024年10月頭に復活しましたが、もちろんその程度の事でX全体に何らかの影響が及ぶ事など全くなかったのです。

要するに全体にとって「あってもなくても同じ」「居ても居なくても同じ」「観測されてもされなくても無視可能」レベルのサイズ差。とりあえずこの様な存在を「泡沫事象(Fleeting Event)」と呼ぶ事にしましょう。

60進法に換算すると1時間(60分)に対する1分未満、1分(60秒)に対する1秒未満。空間距離でいうと地球全体に対して「丸いと感じられなくなる」境界線が大体「人間が1日以内に往復可能で、かつ訪問先で有意味な時間が過ごせる範囲(サラリーマンでいうと通勤可能圏)」という感じ。

下記投稿における「スズメバチの数え方」では十分長い観測期間(例えば1週間)における観測数が平均2匹未満。透視図法における消失点(Vanishing Point)あるいは消失線(Vanishing Line)なる表現に準えて「消失帯(Vanishing Zone)」と呼ぶ事にしましょう。

  • ちなみに冒頭で触れた方、日本語で米国インディアン関係情報を発信してる数少ない一人なのでこんな「泡沫事象の範疇を超える」体験もしてらっしゃる模様。

さて、私の前回の投稿の内容でこの範疇に入るのは…

  • 「アメリカでネイティブと言えるのはインディアンと黒人だけだ。他の連中は全員侵略者に過ぎない。一刻も早くこの国を出ていかないなら、何をされたって自己責任だ!!」と主張する黒人過激派集団の登場。

  • 同じく「アメリカでネイティブと言えるのはインディアンと黒人だけだ!!」文脈に従ってのリベラル勢のアラスカ・エスキモーへの迫害を主張する黒人過激派集団の登場。

Tumbrでは2010年代通して数件観察されたのみ。明らかに思いつきで結成された数人規模の小集団でネット上に存続した期間もごく僅か。というか現れた途端に物凄い数がぶら下がって焼いてしまった訳ですが、こうした迎撃イベントが私が知ってるだけで毎年三桁レベルで発生していたので、正直今回の件がなければ思い出さなかったくらいでした。むしろそのあまりの少なさから「実際にそう主張する集団が厳存するとは到底思えない」と確信するに至ったくらい。

  • 怪情報「どうしてイランばかりが制裁対象になるの? 本当にビン・ラディンみたいなテロリストを排出してるのはサウジアラビアだろ?サウジアラビアを制裁しろよ!!」

  • 怪情報「サンダース候補が大統領選を降りた事に憤慨した急進左派が極右と手を結ぼうとしている」

どちらも2016年度米国大統領選の時期だけ複数回回覧されてきました。おそらく誰かがプロパガンダ目的で流したのでしょうが、リブログ数はそれなりに伸びたものの、ほとんどコメントがつかず(北朝鮮系プロパガンダだとサクラっぽうのが沢山ぶら下がる)華麗にスルーされた感じ。「もしロシア工作だったとしたら杜撰にも程がある」レベルの話ですね。

  • 怪ニュース「サンダース候補が大統領選を降りた事に憤慨した急進左派がネオナチ勢力と極左がユダヤ人富裕層排斥で一致。恐ろしくなったユダヤ人富裕層はトランプ候補に泣きついた」

こちらは幾つかのネットニュースで流れた点で遥かに確度が高い情報となりますが(実際、ユダヤ富豪側が杞憂から保険を掛け、その動きを一部記者が捉えた可能性までは捨て切れない)、当時のトランプ候補がまだまだ「無名のルーキー」だった事もあり、そもそもtumbr上ではほとんど反応が見られませんでした。やはり「もしロシア工作だったとしたら杜撰にも程がある」レベルの話…

  • Twitter(現X)ではハロウィンでインディアン・コスプレをしてしまった少女がネットリンチにかけられた。

  • Twitter(現X)ではクリスマスに「メリー・クリスマス」と呼び掛けた少女がネットリンチにかけられた。

  • 実行犯のうち、少なくとも一人が「我々は子供達に酷い目に遭わされた。だから子供達に何をしたっていいんだ(We were treated badly by CHILDREN. So it doesn't matter what we do to CHILDREN..)」なるコメントを残した。

ネット上の少女達を数年間抗争状態に追いやったジャスティン・ビーバーの「I hate Anime」投稿も捏造だった様に…

Tumbrで回覧されたこれらの投稿も捏造だったのかもしれませんし、回覧された数件が実際起こった全てだったのかもしれません。とはいえ(おそらく「選挙に勝った」共和党支持者中心に)「Evil is gone!!」と投稿するのが流行し、その年のクリスマスのネットで「メリー・クリスマス」カードの交換が例年より盛んに行われた事、そうした情報の頒布に現在はいわゆる「親露派アカウント」と成り果てているアカウントが関与していた事は事実。ロシア工作の関与はあったとしてもおそらく最初からではなく、いずれにせよこうした展開全体のサイズが瑣末事象の範疇だったと結論づけられそうです。

「泡沫事象」としてのオルタナ左翼(Alt-Left)

上掲の様に「米国では(欧州の様な)極右と極左の連携はない」と信じれれていたのは米国において極左として認識されている無政府主義者集団(ANACHIST)が、あまりに不気味で用心深い正体不明の集団だったせいでもありました。「オルタナ右翼(Alt-Right)」と対で「オルタナ左翼(Alt-Right)」と呼ばれていた時期も。

  • 姿を表す時は常に全身黒尽くめで黒覆面姿。

  • Tumbr上でギリシャ暴動の場面などを頒布していたが、暴動を煽るばかりでプロパガンダの文言などは一切なし。

  • 「元しばき隊」C.R.A.C.もTumbr上にサイトを構えているが、日本語配信のみに留め彼らとの接触は一切なかった。

同時に迂闊に接近するとオルグられて以下の様な活動に巻き込まれていた可能性が高いと目されてました。とはいえもちろんネット上に犯行示唆や犯行声明を残す様な迂闊な連中ではないので真相は闇の中…

  • プルドーベイ油田パイプラインへのテロ行為…そもそもテロがあったかどうかが不明。テロがあったとしても都心部中心に活動する彼ららしくない振る舞いで、関与を信じる理由が見つからない。

  • 「BLM(Black Lives Matter)運動を乗っ取り、暴動や略奪に過激化させる活動」…ただしこの件にはストリート・ギャングを吸収してガラが悪くなった黒人公民権運動残党も関与している。

  • 「2016年度米国大統領選挙におけるトランプ候補の選挙事務所襲撃」…あえて火器は使わず消化器の中身をぶちまけて逃げ散る作戦。幾度となく繰り返されたが、逮捕者は出ておらず報道も一切されなかった。

  • 「反トランプ陣営デモの暴動化扇動」…これも幾度となく繰り返されたが、逮捕者は出ておらず彼らの暗躍についての報道もほとんどなかった。

  • 「シカゴFacebook拷問Live事件(2017年1月4日)」…犯人像を特定出来る様な報道は一切なかったが、その手口のストリート・ギャングっぽさからおそらく黒人公民権運動残党系の末端の勝手な暴走で、無政府主義者は関与してない。なおその後Tumbrに大量に出回った「犯行擁護投稿」について私はロシア工作の関与を疑っている。やはりほとんど報道されなかった。

  • 「シアトル解放区」事件、あるいは「キャピトルヒル自治区(CHAZ)」事件(2020年6月8日-7月1日)…どうやら密接に関与した様だがTumbr大粛清(2019年)以降の出来事なので当時の一般レベルの反応は未確認。「解放区成立」のニュースは日本でも流れたが、それがどれほど悲惨な形で崩壊したかについてはほとんど報道されなかった。

概ねこれらの出来事はマスコミによる国際的報道統制もあって表面上「瑣末事象」として処理されてきましたが、まさにそういう報道姿勢こそが共和党支持者のマスコミ不信感を取り返しのつかないところまで悪化させたとも見て取れそうです。そしてまさにそういう緊張感の高まりこそを「米国政府打倒」を密かに誓う米国無政府主義者は狙っていたとも。なお日本でも…

マスコミもグルでまともに報道されない感じも同じですね。原風景としてはワイマール体制下のドイツでNSDAPやSAと共産党員が報復合戦を繰り広げてました。そもそも思想の左右と無関係に「報復合戦が激化したら民主主義は終わる」という内容の行動なんですね。

「泡沫事象」から「統計学的事象」に広がったオルタナ右翼(Alt-Right)

実は以下の投稿で展開した「ウィルスと宿主」モデルは、まさにこの集団の観察結果から生まれたといっても過言ではありません。「泡沫事象」がウィルスのサイズ、「統計学的事象」が宿主のサイズ。「泡沫事象」そのものが社会全体に影響を与える事はありませんが、それによって遺伝子改造された「統計学的事象」は良い意味でも悪い意味でも色々とやらかすという感じですね。

  • そもそも最初から実存したのは4chanやRedditで鬱憤を貯めていたゲッベルス・タイプ(町山智浩命名)、すなわち「絶え間なくJokeを連発し続ける事で自分を常にHighな状態に保ち続けようと努力し続けているが、その正体は自らは何も信じてないニヒリスト」達だけであった。ある意味「行き過ぎた相対主義」は、この段階でもう存在していたともいえる。

  • 彼らのうちtumbrに進出したグループは概ね撃退されるか「程度が目に余ると容赦無く焼かれるJokeアカウント」として吸収されたが(Tumbr-4chan戦争)、Facebookに進出したグループはデジタルスキルが低くてその場に止まっていた高齢者を中心とする保守派を扇動して広告収入を稼ぐ事に成功。なお最初からこの層を狙ったのではなく「リベラル層が彼らの扇動に見向きもしないので」そうせざるを得なかったとの事。

「歴史は常に生存者の側が書く」大粛清(2019年)によってtumbrが廃墟と化したので4chan勢やReddit勢が「我々の側の圧勝だった」と捏造された歴史をネットに頒布。
  • やがてゲーマーゲート集団嫌がらせ事件(Gamergate harassment campaign、2014年~2015年)が勃発し4chanやReddit本家でも反ポリコレ機運が高まり、2016年度米国大統領選の時期にはピザゲート事件(Pizzagate)も発生し発砲事件にまで至ってしまう。この流れには途中からトランプ候補を勝たせたいロシア工作も乗ってきた模様。

  • こうした過程を経ていわゆる「オルタナ右翼(Alt-Right)」の存在が可視化されてきた訳だが、実は最初期Facebookでの扇動活動で広告費を稼いでいた連中は既に残っておらず(「稼げる」Youtubeと「若者向けの」Instagram台頭に押されTumbrの衰退が歯にまった時期と重なる)実際に露出したのは「扇動によって覚醒した」Facebook保守派と、手柄を横取りして主導権を握った「目立ちたがり屋」ばかり。そして前者が暴走の末「アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件(2021年)」へと辿り着いてしまったという流れなのですね。

日本でも連動した事件が起こってますから他人事ではありません。

結局、最終的に「泡沫事象」の壁を突き破ったのはどちらも「扇動によって覚醒したデジタルデバイド置き去り組」だった訳ですが、その背景にはこれだけ複雑な「消失帯」内における事象の積み重ねがあったという話…

「統計学的事象」としての非白人層

ここから先はいよいよ頻度主義経済学が扱える規模に到達した「統計学的事象」となります。例えば「黒人」の場合…

  • アメリカ人全体に黒人が占める割合は$${\frac{1}{10}}$$前後。

  • 移民の急増によって解放奴隷出身者が大半を占め白人との混血率が高いオリジナルのアフリカ系アメリカ人の比率は年々下がり続けている(黒人公民権運動残党がストリート・ギャングをリクルートするしかなくなるほどの人材不足に陥ったのもそのせい)。

  • 貧困層(Poor Black)に対する中産階層以上(Black Establishment)の比率は今や3対1程度、一時期「アメリカに移民してくるのは極貧状態のアフリカ系ムスリム中心」と目されていたが、最近はアフリカや中東から中産階層以上のムスリムの比率が馬鹿にならないと判明(さらにはフロリダ州へフランス系白人と入れ替わりに移民してくるハイチ系黒人の系譜もあって大坂なおみなどはその末裔=いわゆる「アメリカ黒人」ではない)。

アジア系についてこの様な詳細は不明ですがコロナ禍中に(以前は差別される側だった黒人層も加担する形での)迫害がありました。

2021年初頭、アジア系アメリカ人―時として「モデル・マイノリティー」とあしらわれてきた人々―は反アジア感情の新たな波にさらされた。コロナ禍が人々の日常生活を脅かす中、ヘイト・スピーチや暴力の矛先がアジア系アメリカ人に向けられたのである。新型コロナウイルス感染症を「中国風邪」(China flu)と呼ぶなどの人種差別発言がなされ、2021年3月にはアトランタで銃乱射事件が発生するといった事態にまで発展している。

上掲「職場におけるアジア系アメリカ人のインクルージョン」

どうしてアジア系が迫害されたかというと優秀な人材が多く「自分達より良い職に就いている」という僻みからで、これはオルタナ右翼の偏狭な「白人中心世界観」と密接に関わってきますが、実は「本当にオルタナ右翼だけ?」という話も…

4月の人種別失業率は、白人3.1%(前月:3.2%)、アジア系2.8%(前月:2.8%)、ヒスパニック・ラテン系4.4%(前月:4.6%)、黒人4.7%(前月:5.0%)とほぼ全てで改善した。特に、白人と黒人の失業率の差は過去最小の水準まで縮まっている。

上掲「米4月雇用者数25.3万人増、失業率3.4%に低下、時給の伸びは上昇」
  • なおスタインベック(John Ernst Steinbeck, 1902年~1968年)によれば「かつて迫害されたマイノリティが、新参マイノリティ迫害に加担する過程で古参の仲間入りを果たすのがアメリカの伝統」との事。

とりあえずここでは「泡沫事象」と「統計学的事象」の間に横たわる「超えられない壁」について、それとなくイメージ出来れば十分かと思います。

全ての元凶は白人それぞれの「自分の視界内の世界」しか認めない頑なさ?

以下は英国在住日本人のセクシャライズ認識に関する議論なのですが、そこに見受けられる頑固として「自分の視界内の世界」しか認めない頑なさ、実はオルタナ右翼の偏狭な「白人中心世界観」とリベラル系白人の「(黒人やインディアンなどが名誉白人扱いされてるだけの)白人中心世界観」双方に認められる特徴だったりするのですね。まさにだから価値観の擦り合わせどころではなく今の様な混乱が起こっているという次第で、なお現地で長く暮らしている日本人はどうやらこれにすっかり感染してしまうケースが多い模様…しかも同時に居場所を見つけたホヤみたいに思考能力を放棄して状況への柔軟な対応力を失ってしまう?

  • 何故かドラッグには寛容で、それを自慢してマウントしてくる点も共通してる。本当に何故?

2010年代前半の全盛期tumbrで「黒人」「アジア人」「インド人」「ユダヤ人」を巡って同様の不毛なやり取りに繰り返し遭遇してきた経験から辿り着いた結論は「この人達(白人だけでなく、彼らに「内輪」と認められた非白人も含む)は、日頃の視界外の世界についての認識が本当に雑」というものでした。

  • (真の平等達成の為に一切のAffirmative Action返上まで視野に置いてる)リベラル系黒人団体やBlack Establishmentと(欲の皮が突っ張って既得特権をさらに暴れて増やす事しか考えてない)自称「反体制派」Poor Blackは犬猿の仲なのだが、普段黒人と接する機会のない似非リベラル白人はうっすら(真の平等を求めてくる)リベラル系黒人団体やBlack Establishmentが嫌いで、向こうから擦り寄ってくる自称「反体制派」Poor Blackを面倒臭いので大して吟味する事なく「黒人の代表」と認め非白人対応を全権委任してしまう(コロナ禍の最中にアジア人迫害が起こった主要因の一つ)。

  • LGBTQA当事者集団が追放した「ミサンドリー(misandry=男性嫌悪)やミソジニー(Misogyny=女性嫌悪)に憑かれた「自称」同性愛者」や「あらゆる性表現を憎悪して地上から駆逐しようとする「自称」無性愛者(Asexial)」を、面倒臭いので大して吟味する事なく「LGBTQA当事者の代表」と認めLGBTQA当事者対応を全権委任してしまう(トランスジェンダー問題の暴走が起こった主要因の一つ)。

要するに「この人達」が本当に習得しないといけないのは「目が視える状態は概ね単一評価軸に収束するが、目が視えない状態は無数の評価次元に分散する」すなわち「統計学的事象が成立するにはそれなりに分布の中央近くにある必要があり、それより離れる都度、その特徴が泡沫事象に近づいていく」現実をしっかり認識してグラデーション感覚を養う事なのではないでしょうか?

考えがそこまで至った時点で以下続報…

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