【影響工作の脅威1パス目】「自分だけは騙されないと信じてる人間に限ってコロッと騙される」摂理について。
「自分だけは騙されないと信じてる人間に限って、その為に固めたロジックの裏を突かれてコロっと騙される」。よくある話ですが、完全に備える事は出来ません。まさか自分まで引っ掛かっていたとは…
「影響工作」概念との邂逅
今回の投稿の出発点は以下の投稿。
前回投稿に引き続いてtumbr全盛期(2010年代前半)の思い出から綴り始めたのですが…調べるうちに出てきた「ロシアの影響工作(Influence Operation)」の話に思い当たる節が…
ロシアの影響工作(Influence Operation)
特に気になったのがこの箇所。
そうまさしく、この投稿で紹介した「2016年度米国大統領選をめぐるインターネット上での騒動」とドンピシャで関わってくる内容なんですね。
「北朝鮮ネット工作追跡」の思い出
実は最初に意識した瞬間に思い出したのはこちらの話。
まぁ「情報工作」と聞いてもこっちしか浮かばなかったんですね。この段階での当事者意識ゼロ。
この「書き込み一斉削除」があったのが2014年の話。この年には朝日新聞が吉田証言を誤報と認める展開もあり、当時はそちらと関連付けて語られたのでかろうじて時期を特定出来た次第。
そして、この記述…
この時は思い出した順番で書いたので時系列を無視してますが「KKK関係者がネットで声明を出した」のは2014年以前。それ以前の「日本人は人喰い人種みたいな伝統的主題に執着してほぼ不発に終わった」時代の工作疑惑に分類されます。そういえば2014年から2015年にかけては米国戦争映画「アンブロークン(2014年)」の日本公開断念に至る騒動も。
このあたりにはまだ「世界中に日本人を人喰い人種として喧伝しようとする」北朝鮮系プロパガンダの伝統が感じられなくもないですが、一方それが本当に情報工作だったとしたら「セオウル号沈没事件(2014年)への追悼投稿に噛み付いて回って韓国人への国際感情を悪化させる」「(朝鮮半島事情に疎い若いアメリカ人向けに)韓国と北朝鮮が昔から裏では繋がってた事を印象付けて韓国を孤立させる」辺りは動員出来た人数が比べ物にならないくらい大きくなり、しかも「(猫またぎされる原因となる)北朝鮮らしさ」が慎重に消され「影響工作」としての洗練があった事になります。
そもそも「反日」さえ絡まなければ北朝鮮の情報工作はそもそももっと巧妙だったという証言も。例えばこれもやはり韓国系アカウントの又聞きですが、トゥールーズ連続殺人事件(2012年)に際してDaumの従北左派カフェに犯人側に同情し「ナチス時代は(一方的被害者だった)ユダヤ人に同情するのが人道主義だったが、今はユダヤ人の絶滅を願うのが人道主義」「ユダヤ人は日本人同様、先天的ナチス」などと過激な書き込みを繰り返すアカウントが次々と現れたそうです。この件を北朝鮮系ネット工作員と結びつける証拠は特にないのですが、北朝鮮がイラン革命防衛隊と親しい関係にあり、脅威を感じた相手へは容赦なく先制攻撃を仕掛けるイスラエルの苛烈さへの恐怖を共有している事からそういう振る舞いに出たという話も。なお彼ら自身がネット工作員なのではなくヒューミント工作で洗脳された若者達が投入された可能性も指摘されてました。追加情報はもらえず、その後どうなったかは不明。
本当に工作があったかどうかはともかく「(一時期その総本山だったロシアも含め)共産圏のプロパガンダは平気で「味方を称する人々」をも捨て駒に使うと信じられている」コンセンサスが再確認された事件となりました。そう、むしろ重要なのはあちら側の人々に「敵の敵は味方」と感じる感覚は存在しないのだという重苦しい現実認識…
日本でもベストセラーとなった中国SF劉慈欣「三体(2006年発表、2008年刊行)」を読んでも、この感覚の片鱗くらいは掴めます。例えば反体制で反権力な自由主義圏のリベラル派の皆さん。彼らはそれぞれマルクス主義なり共産主義への憧憬を抱えてたりもする訳ですが、そういう部分への共感はないに等しく、むしろ一般人ほど強く「反体制派」や「反権力派」に対する脊髄反射的拒絶感を示すもの。実際、その感情を反映して次々とそれまで内在させてきた人倫的欠陥を露にして地球滅亡を狙うエイリアンの手先に転落していくのです。
ましてや無政府主義者に至っては、自由主義圏以上に毛嫌いされてきた伝統を誇ります。むしろそれに引っ掛かる様な人間を侮蔑し、容赦なく破滅させて切り捨てていく影響工作が採用される背景には、さらにそんな人間を人間と思わない恐るべき心の暗闇が広がっているという話…
アナキズムFAQ
日本共産党FAQ「中核・革マルは共産党の分派なの?」
まぁこういう話は疑えばキリが無く、しかも追えば追うほど思考様式も歪んでいくので怖くなって途中ですっぱり足を洗いました。もしあの時そうしてなかったら、一端の陰謀論者に仕上がっていた可能性も…
そうした経験もあって「ネガティブな欲求を束ねても、ネガティブな結果しか生まれない。ポジティブな欲求を束ねて、ポジティブな結果を生みだそう!!」なる持論に辿り着いた訳ですが…まぁこの手の社会の動きに巻き込まれない為の最低限の防御くらいは必要となってくるという話…
見逃されていた「最初の兆候」
この手の話で一番頭が痛いのが、ほぼ2010年代の間じゅう、私も町山智浩のこの辺りの発言が原因で「ウクライナ(特にドンバス周辺)はネオナチの本拠地」と信じていた事。
町山智浩「ウクライナはナチなんです」「侵略じゃないですよ」「プーチンは見た目が怖いから(誤解される)」2014年TBSラジオにて
そうこの近辺はナチスドイツでもとりわけ残虐行為で名高いカミンスキー旅団が徴募された場所でもあったのです。当時のネットではその辺りを上手く使った実に巧みなグレープロパガンダが流布しており、それを疑う理由も別段存在してなかったのです。
現在では「当時ロシアがこの手の話をプロパガンダとして広めていた事」がコンセンサスとなりつつあるので、あえてカミングアウト。「韓国は北朝鮮とずっと一心同体」なるプロパガンダに引っ掛かったアメリカの若者を笑えない、笑えない…
そんな感じで以下続報。