【インターネットと政治】トランプ大統領の登場②テッド・クルーズだけは許せない?
以下の様にまとめてみたのは初めてですが…
米国における2016年大統領選挙の扇動合戦が行き着いた果てが「アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件(2021年)」だった。
日本におけるコロナ自粛の行き着いた果てが「神真都Qのクリニック襲撃事件(2022年)だった。
なかなか壮絶なものがありますが、実はこれと似た構造を漢詩「正気歌」の投稿でも扱っています。
モンゴル軍に南宋(1127年~1279年)を滅ぼされた遺臣たる文天祥が「正気歌」に込めた精神は、確かに最終的に明朝(1368年~1644年)がモンゴル軍を中国から追い出す上で時空を超えて重要な支柱をもたらした。
一方、将軍継嗣争いで大老井伊直弼に敗れ永蟄居となった水戸藩主徳川斉昭公の腹心藤田東湖が主君の不遇を嘆いた「和文天祥正氣歌」に込めた尊皇攘夷精神は「欧米列強に学びながら追いつく」路線への変更により継承から外れ、水戸藩は幕末の壮絶な内ゲバによって活力を失い、尊皇攘夷志士の精神も無謀な大阪事件(1885年)によって潰える展開を迎える。
迎える結末は様々という事ですね。「恋は人を詩人にする」とも「恋は人を盲目にする」ともいうアレ。
ところで同様の構造は2016年大統領選挙にも見出せるのでしょうか?
「人の形をした悪魔」テッド・クルーズ(Ted Cruz)
2016年大統領選挙後、日本国内では「どうしてアメリカはトランプなんて大統領にしたんだ?」なんて意見が飛び交った訳ですがTumbrに常駐していた私の気持ちはまた別でした。「アメリカ人の良心は、とにかく"人の形をした悪魔"テッド・クルーズ(Ted Cruz)だけは共和党代表候補にしない方向に発揮された」なる感情で一杯だったのです。
① まずフロリダにその多くが在住し、ベネズエラ系と並んで民主党が対岸の母国への接近を図るのを警戒するキューバ系移民出身というオリジンからして微妙。米国人はどうしても同じくフロリダに多く住むハイチ系やプエルトリコ系に彼らの様な強固な反共勢力との対抗を期待する向きがあり、日本のテニス選手である大坂なおみがBLM運動に参画した背景にも「(自らの先祖筋に当たる)ハイチ系米国人も米国黒人だよ」とアピールする意図があったものと推察される。
②宗教右派や「黄金の米国1950年代」を称揚するペイリオコン(paleoconservative=原保守主義者) 寄りの立場なのも、中道左派ばかりか(中道左派と銃規制問題を除いてほとんど意見の差がない)中道右派から拒絶される理由になっている。ましてや彼らの目に「金持ちの老害の寄せ集め」としか映ってないティーパーティー運動が支持団体とあっては、もうその時点で話にならない。どれくらいこの層が米国の若者に嫌われているかというと「黄金の米国1950年代」を徹底して茶化したコンピューターGAME「Fall out(1997年~)」が大ヒットしている。ギレルモ・デル・トロ監督映画「シェイプ・オブ・ウォーター(The Shape of Water,2017年)」もこの時代を扱った作品で、やはり同様にこの時代の世相を批判的に描写している。
中道右派がらみでは「リベラルな福音派(Liberal Evangelical)」なる独特の表現があった。これは福音派である事をカミングアウトしながら、その信条を人に押し付ける事なく普通に接する事が出来る人達の総称で、さらには中道右派ばかりか中道左派にも、カミングアウトせず同等に振る舞っている「隠れ福音派」が多数存在すると目されていた。
③そして2013年10月における米国政府閉鎖(government shutdown)に際して「政府閉鎖実現の為に2013年9月24日午後、21時間以上にわたる演説(フィリバスター、1900年以降では最長の演説の一つ)をやってのけた」テッド・クルーズ(Rafael Edward "Ted" Cruz)上院議員への怨念が刻み込まれる展開を迎える。
政府閉鎖(government shutdown)とは、米国では特に議会で予算案(あるいは暫定予算)の成立が難航することで期限切れとなり、政府庁舎が閉鎖されることを指す。
2013年3月、暫定予算の期限(3月27日)が迫る中で歳出削減を巡って、共和党と民主党が対立。政府閉鎖のおそれを生じたが、強制削減後の水準に連邦政府支出を抑制しつつ、各省庁一律カットとはせず、国防関連費・農業・司法などについては、柔軟な支出を可能にする内容で折り合って暫定予算の延長が成立し政府閉鎖を回避。
2013年9月、医療保険改革法(いわゆるオバマケア)を巡って、下院で多数を占める共和党は支出増大を招くとして反対しているのに対し、上院で多数の民主党は内政の最重要課題であり変更には応じられないとして対立して予算が成立しなかったため、10月1日から一部政府機関の閉鎖となる事態が発生。2013年10月16日に上下両院で政府機関の再開を可能にする来年1月15日までの暫定予算が可決され10月17日より一部で閉鎖されていた政府機関が再開された。スタンダード&プアーズによれば、この政府機関一部閉鎖によって生じた経済的損失は240億ドル(約2兆3千億円)とされる。
こうして2016年大統領選においてテッド・クルーズが共和党候補に選ばれかけるとTumbrは連日ブーイング投稿の嵐に。そして歴史のこの時点においてトランク候補は中道左派、中道右派問わずトランプ候補については「テッド_クルーズでないなら誰でもいい」レベルの認識しかなかったのでした。
ところが…
帰ってきたテッド・クルーズ
気づいたらテッド・クルーズ、トランプ陣営の一員に…
さらには、なんだか一体化?
まさか先にTumbrの方が滅んでしまうとは…そんな感じで以下続報。