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【産業進化論の動作原理】カリフォルニアは何故燃えているのか?
「小さい政府」を求めるのは保守派と思いきや…
『カリフォルニアはなぜ燃えているのか』(2020年公開)を訳してみた。カリフォルニアの電力会社は山火事を恐れて電力供給を定期的に停止するようになった。この州では昔から山火事は起きていたのに今になってなぜ? 人気ラジオ・パーソナリティのジョン・コビルトが解説します。 https://t.co/KndvSwIaur pic.twitter.com/1Xpbs3fZ0a
— tarafuku10 (@tarafuku10) January 11, 2025
ゴールデンステートの別名を持つカリフォルニア。ハリウッド、シリコンバレー、ナパバレー。派手で豪華。それが今は停電に苦しむ。2019年、カリフォルニアは市民への電力の提供を意図的に拒否した最初の州となった。家にも、テスラにも、携帯電話にも、そして病人向けの酸素タンクにも電力は届かない。 pic.twitter.com/AMoSo4ALfW
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私が話しているのはカリフォルニアである。どこかの困窮した第3世界の国ではない。この州が主権国家なら、英仏を上回る世界第5位の経済大国だ。だが、晩夏から初秋にかけての暑く乾いた季節には、市民に電力すら提供できない。老朽化した送電網の稼働を止めるか、破滅的な火災のリスクを冒すしかない。 pic.twitter.com/RB562UH7pM
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2018年、パラダイスの街が焼き尽くされた。1万世帯以上が焼け出され、85人が死亡した。2017年にはレッドウッドで起きた火災で9人が亡くなっている。
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カリフォルニアには山火事はつきものだった。しかし、今になって火災の脅威がこれまで以上に高まっているのはなぜなのか? pic.twitter.com/70mdljD0eU
その答えを、カリフォルニアに住む著名人の1人、レオナルド・デカプリオに聞いてみよう。彼は言う。「山火事が増えている理由は気候変動である」。一件落着か? いや、そうではない。しかし、デカプリオは間違っていない。気候変動は問題を悪化させた。ただし、それは彼が考える方向にではなかったが。 pic.twitter.com/5l7rDvHMTU
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詳しく説明しよう。「世界温暖化」が「気候変動」と名前を変えるずっと前から、カリフォルニア住民は火事に対処してこなければならなかった。カラカラに乾いた暑い夏と滑降風、深い森、州の広範囲に生い茂る低木により、山火事の発生は不可避だった。 pic.twitter.com/fUXKeK9Eve
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人口が増加するにつれ、火災のリスクを常に意識していた市民は、それを緩和する手段を講じた。意図的なものもそうでないものもあった。最初は大規模な樹木の伐採。これにより森の密度を減らすことができた。次に野焼きである。特定の区域の茂みに火をつけて焼き払った後、すぐに火を消すのである。 pic.twitter.com/VH7wrQ0iqJ
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20世紀の終わりから今世紀にかけて環境運動の影響が大きくなるにつれ、州の政策が変化した。まず、新しい規制により樹木の伐採が大幅に削減された。木を切って木材にすることがまるで残虐行為であるかのように語られた。死んだ木を切ることさえひんしゅくを買った。 pic.twitter.com/oiSfbVeK3N
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野焼きも同じように見られた。環境運動家の主張によれば、自然にまかせるほうがずっといいというのだ。また、大都市では不動産の価格はますます上昇し、開発業者は建物の密集した地域を離れ、荒野に近いところに家を建て始めた。 pic.twitter.com/wHsQfxSvnl
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これと同時に進行したのが、州のグリーン・エネルギー推進政策だ。州知事のジェリー・ブラウンは、2045年までにカリフォルニアの電力を再生可能エネルギーだけで賄うと宣言した。そのほとんどは風力発電と太陽光発電だ。 pic.twitter.com/tAUkRNuM4v
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このプロジェクトを始めるために、州最大のエネルギー供給会社であるパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)社には途方もないプレッシャーがかかった。意図していなかったかもしれないが、この点ではデカプリオは正しい。 pic.twitter.com/IaHVgrLKei
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グリーン・エネルギー推進の方針により、電力会社の関心とリソースは送電網から風力および太陽光へと移った。これがどうして、より危険な新しい火災につながるのか? 説明していこう。 pic.twitter.com/Ehk55Y0lMz
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その理由を見つけるのは難しくない。カリフォルニアの送電網は老朽化している。送電塔のほとんどは1950年より前に立てられたものだ。その一部はとても古いので、国家歴史登録財に登録される資格があるほどだ。誤作動して火災を引き起こしている送電線は、もちろん古い送電線である。 pic.twitter.com/QUnaus1DK0
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カリフォルニアの歴史で最多の死者を出したのは、「キャンプ・ファイア」という通称で知られる2018年の山火事だ。パラダイスの街を焼け野原にしたこの火事は、1921年に設置された機器が原因だった。100年前の機器である。電力会社が問題の存在に気づいていなかったわけではない。彼らは知っていた。 pic.twitter.com/W8qZV53D4J
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しかし、政治的な優先度の高いより差し迫った問題に力を注いでいたのだ。たとえばグリーン・エネルギーのような。 PG&E はそこに金とリソースをつぎ込んだ。PG&Eは公益企業であり、これはとりもなおさず政治家が決定権を持つことを意味する。 pic.twitter.com/DjnQwmaEfe
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2018年にPG&Eは再生可能エネルギーに24億ドルをつぎ込んだ。しかし、2017年に同社が既存のインフラストラクチャに費やしたのは14億ドルに過ぎなかった。 pic.twitter.com/FQeSjZIG1L
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まとめよう。森は深くなり、野焼きが許されないため低木は生い茂り、開発業者は原野に家を建てていき、主要な電力会社は従来の送電網の保守を犠牲にして再生可能エネルギーの推進に奔走する。これらが制御不能の火災が発生する原因である。 pic.twitter.com/oUqTy9aBuX
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現状はどうなっているのか? PG&Eは破産した。訴訟されて忘却のふちに沈んだ。送電施設を修復するための有効な計画はない。21世紀に備えて重要なインフラをアップグレードする代わりに、カリフォルニアは自発的に第三世界の国に自らを変えた。進歩主義者や環境活動家にまかせるとこうなるという見本だ。 pic.twitter.com/2LajjUVfhT
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ゴールデン・ステートは緑にはならない。破産し、暗闇に包まれるだろう。そうなったときに初めて、カリフォルニアの有権者の頭の中に、電球が灯るかのように何かがひらめくのかもしれない。ジョン・コビルトでした。(了)
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そんな感じで以下続報…