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(私見)大企業タレントvs スタートアップタレント

 
自分は大企業で10年以上勤務してから独立しましたが、そういう立場で見ていると仕事へのスタンスに結構違いがあるなと思います。それは個々人の違いとも言えるのですが、全体的な傾向としての違いもあると思っていて、本日はその点について私見を述べたいと思います。
 
1.     100→120なのか、0→1→100なのか
今振り返ると、会社員というのはいわゆる上司や上層部が求める“100”に対していかに110や120を叩き出すか、という仕事だったと感じる。すでに決められた枠組みの中でいかに上が求める成果を超えるか、そしてその過程で生み出される行動特性(コンピテンシー)が重要になる。
一方で独立すると上司や上層部自体が存在しないので、顧客に対して価値ある“1”をいかに生み出し、それを規模拡大して100に近づけていけるかが重要になるなと思う。
この2種類の仕事は実際体験すると本当に違って、自分が得意としてきたのは本当に会社員の仕事で、独立して価値を生み出すことに関しては全然だなあ・・・と自己嫌悪に陥ることも多い。とはいえ自分で選んだ道だし、これから更に努力して伸ばすことはできると思うので、両方の道で働けるタレントを目指したい。
 
2.     社会的意義と収益性の優先順位
2点目は仕事において、“社会的意義”と“収益性”を両立させるときに、どちらに重きを置くかということ。当初独立するときのイメージは、「会社は綺麗事を言うが、結局重要なのは売上のターゲット。逆に独立して起業する人たちは社会を変えたいという熱い意志があり社会的意義を大事にしている」というものだった。ただ、実際独立するとこれは逆なのではないかと思っている。
と言うのも、会社員はなんだかんだ言っても会社に守ってもらっていて、立場が安定していて、毎月安定した固定給がもらえる。だからこそ、自分の職務と関係なく社会的意義を追求した行動もしやすい。(自分と関係ない職務もサポートする、会社のCSR活動に参加するなどなど)。一方で独立すると、仮に社会的大義を背負っていても、資金が尽きれば全てが終わる。また、資金調達を行ってスケールアップしたいのであれば、投資家やVCを納得させるに十分な収益性を示す必要がある。そうなると重要なのは社会的意義よりも“いかに儲かるか”だ。(もちろんその結果として達成できる社会的意義は重要)。
 
 
3.     有言実行と不実行
最後は、独立して思うのは平気で約束を反故にしたり、連絡が途絶えたり、やると言ってやらなかったりする人たちがいること。もちろん会社員のときにもそういう人はいたけれど、最初に述べたように会社員は100→120のビジネスなので、100が減るような信頼を損なう真似はしないのが一般的ではないかと思っている。一方で独立すると周りのさまざまな方々と出会うが、連絡しますと言って来なかったり、とりあえず見積出しますと言ってその後音沙汰がなかったりといった経験は普通にしてきた。これは0→1→100なので、自身のビジネスが伸びる部分にだけ集中して、僕のような独立したての弱小の相手は忘却の彼方になるのかなと思っている。
 
以上が自分が感じてきた私見であり、もちろん異論もあるとは思うが、ある程度の傾向としてはあるのではないかと思っている。

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