大企業にいたからこそ今起業して活きていること・苦しいこと

政府がスタートアップのための5カ年計画を策定したように、今はスタートアップがイノベーションを起こせるようにありとあらゆるサポートが充実している時期なのだろうと思う。スタートアップ起業というのは、アイディアがあればもはや誰でも会社を登記するだけでできるけれども、それでも、若者の方が新たなスタートアップを創出する期待を受けているように思う。
自分のようにサラリーマンとして10年以上勤務してから30代後半で起業するケースは若者が起業する場合と比較してどうなのだろうと考えることがよくある。その観点で、大企業でサラリーマンしてから起業したからこそ良い点と、若くして起業するケースに対して苦しい点について述べてみたいと思う。
 
[良い点]
·      業界での深い知識と経験
通常、従業員を経験してから起業する場合、同じ領域か関連する領域で起業することが大半だと思う。そうなると、それまで培ってきたその領域での専門性・知識・人脈などを活かすことができる。加えて自分の場合は海外部門ともやり取りをすることが多かったので、そういった経験も大きく今の事業に活きている。s
 
·      多様な人たちと調整をしてきた力
まだ起業家としての歴は浅いけれど、これは実感する。企業にいた時に色々な人がいたし、それぞれの建前と本音があったし、それらを察して調整して前に進める経験ができていたので、それは自らビジネスをやる際にも活かすことができる。
 
·      ビジネスマンとしての一般常識と教養
これは学生とか新卒で起業した人と比べてだけれども、社会人歴が長い分そこでのお作法や常識などを知っておくことができる。
 
 
[苦しい点]
·      失う物・守らなきゃいけないものがある
若いうちに起業すると、独身だったり、一人暮らしだったりして、必要な生活コストが低い上に、自分が失敗したところで困るのも自分だけというシチュエーションになる。ある程度ビジネスマンを経験して家庭を持っているとそうはいかない。自分の仕事が直接的に家族の生活に影響を与えるし、そこで失敗すると家族の状況によっては家族が路頭に迷う可能性もある。そういう意味でのプレッシャーは大きい。
 
·      時間をフルコミットできない
起業したら基本的に自分のリソースのほぼ全てを新規事業に充てることが理想だと思う。実際サイバーエージェントの藤田社長が起業した時はそうしていた。しかしながら、家族、特に子供がいるとそうはいかない。パートナーに全てを押し付けるわけにはいかない人が多いだろうし、子供たちを成長だって見ていたい。そうなると、家族との時間と折り合いをつけながらなるべく多くのリソースを割いていく必要がある。
 
·      体力・健康的な差が大きい
20代のうちは比較的誰もがたくさん働くことができる。ただ、30代後半になってくると生活習慣によりどれくらいがっつり働けるかの差が大きくなってくる。しっかり寝なければ効率が落ちる度合いも高まっていくように思う。なので、前項で述べたようにリソースを全て割けない上に、健康的な部分にも配慮しなければならない。
 
·      “無知”が許されない
良い点で書いたことの逆だが、社会人を経験している分、ある程度成功や失敗が想像できてしまう。逆に若い時に無知のままチャレンジすると、失敗を気にせず突き進める可能性が高いように思う。イノベーションを生み出せるのは、無知のままチャレンジできることが必要ではないかと考えることも多く、この点も違いを感じる。
 
 
以上は自分の私見だが、年齢や過去のキャリアは変えれるものではないので、良い点を活かしながら全力を賭して進んでいくしかないのだけれど。

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