雑記 146 鯉のぼり

画像1 京都東山高校の脇で、久しぶりに間近に布製の鯉のぼりを見た。男の子の健やかな成長を願って飾る日本の風習だが、本格的な鯉のぼりは、私の東京の家の近辺ではなかなか見ることができなくなっていたので、とても懐かしい感じがした。昨日3日、埼玉の児玉郡に墓参りに行った。車の窓から見える田園風景は長閑なものであった。ひとつ、家々の庭に鯉のぼりの姿が皆無で、不思議な感覚にとらわれた。鯉のぼりをたてるポールも、その先端についてカラカラと音を立てて回る金色の矢車も、ひとつもなかったのだ。
画像2 この歳になるまで長く知らなかったが、埼玉県児玉郡神川町の矢納地区では、平安時代中期に平将門がこの地に逃れて城峯山に籠った際、民家に揚げられていた鯉のぼりのせいで所在が敵に知られてしまい、敵方は鯉のぼりを目標にしたことから結果として将門は戦いに敗れてしまったため「鯉のぼりを揚げるとその家が不幸になる」として、現在でも鯉のぼりを揚げる風習がないそうである。一般には、鯉のぼりは、江戸の武家から始まった習慣と言われているが、この言い伝えが正しければ、そもそもの始まりは平安時代まで遡れるのかも知れない。
画像3 我が家の鯉のぼり。1990年ころ。この頃は、近くの電気屋さんのビルの屋上にも、鯉のぼりが泳いでいた。電気屋さんには男のお子さんが何人かいて、鯉のぼりも豪勢だった。

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