ガクチカは「勉強/研究」です。
就活の時期になると,自分には人に言えるようなガクチカが無いという悩みをかかえる学生がいます.私は大学生のガクチカは勉強/研究のみで何ら問題ないと考えています.なぜなら大学は,勉強や研究をする高等教育機関だからです.その成果を堂々と自負できる状態が健全だと考えています.
昨日今日で考えた(やった)謎のガクチカを書いて,それのみを評価する企業があるとすれば,果たしてその企業が長期的に発展するのか私は疑問です.きっちりと自分の興味のある分野の大学での授業を学び,単位をとり,研究を行っているということを評価しない(できない)企業を相手にして意味があるのでしょうか.学部,修士,博士での自分の就活の経験や,研究室の学生の就活を指導してきた経験から,勉強や研究を頑張っている学生が就活で不運な状況となったことを見たことがないです.仮に自身での就活で何かしらの理由で困難な状況になっても,指導教員が学科の教員はその学生が真面目に勉学(研究)に取り組んでいることは把握しているので,本人にあいそうな学校推薦企業を紹介するはずです(しています).
どんどん科学技術が発展している今,殆どの分野で学ぶべき事が複雑多様化しています.つまり勉強する内容が単純に増えていくのが自然です.しかし4年間という大学の期間は変わらず,なおかつ就活も早期&長期化して拘束時間ものびています.あげく,経済的にも不安定でバイトを沢山しなければならない学生も増えています.その中で,単位をとってきっちり進級して研究もしているだけで,まず十分以上に優秀といえます.
その勉強や研究を評価せず,ガクチカ(何かしら別の経験)という謎なスペックがないと落としてくる会社に入りたいかどうか考えて欲しいです.
私は勉強と研究を真摯に取り組んだ学生を落とす(評価しない会社)は遅かれ早かれ,衰退するだろうと考えています.ガクチカを聞かれて勉強(研究)と答えて,変な対応をする企業は,こちらから願い下げというくらいの態度で面接に挑んでよいと思います.
もちろん多用な人材が活躍する場は必要です.そのことを否定するつもりはないです.様々な経験を評価されて採用されてもよいと思いますが,ガクチカ必須のような雰囲気や採用基準にまともに対応するのは長期的に学生自身のためにならないと考えています.
ガクチカにぼんやりとした不安を抱えている学生がいたら,まずは目の前の勉強/研究を着実に取り組んではどうでしょうか?等回りなようで近道だと思います.そして,その経験,勉強と研究に真面目に取り組んだ経験は,他の学生が謎のガクチカを得るために切り捨てたかもしれない,貴重な本当のガクチカかもしれません。