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よくない遅刻と、しかたない遅刻?

 日本は遅刻にはうるさい文化&雰囲気があります。集合時間,会議や何かの予定の遅刻にはとても厳しく,そのわりにそれらの延長には緩いという矛盾した実態もあります。そういうことに不満や疑問がある人もいるかもしれません。
 日本が遅刻にうるさい理由は(私個人の認識としては),個々の判断で物事を決めるより,ルールや形式や作法によってシステム化する,管理することを優先しているからだと考えています。その話はまた今度かきます。
  さて,遅刻が悪いことが良いことかという議論があります。一概に私の価値観をおしつける気はないです。文化や,年代,組織により様々なので郷に入っては郷に従うのも良いかと思います。
 私の意見としては,遅刻には大きくわけて2種類あると思います。つまり,よくない遅刻と、しかたない遅刻(つまり許容されるべき遅刻)があると考えています。いい遅刻という言い方は言葉が独り歩きしそうなので、しかたない遅刻としました。


1)遅刻は悪いことなのか?

 遅刻は悪いことなのか? これには様々な意見があると思います。本人としても直したいと思うならば,これは遅刻しないように対策をしたいところです。周囲の評価(会社やパートナーからなど)を気にしないのであれば,直すか直さないか自体はその人個人の問題です。また,時間や計画通りに動くことは,足が速いとか,暗記力が高いような1つの能力という側面もあります。特徴や個性ともいえ,個々人に得意不得意があるのも事実です。自分の力では頑張ってもできないということはあります。100mを9秒台で走れと強要されても多くの人が無理なのと同じことです。本人の努力ではできない範囲は周囲が理解して助けあるべきです。あるいは,様々なツールをつかって,うまく折り合いをつけていくことになります。例えば,自転車を使えば100mを9秒台で走りきることができるようになります。そのため,遅刻する人が悪いとか,遅刻自体が悪いということは一概に決めつけるべきではないと思います。
 一方で,日本社会の中で遅刻が評価に与える影響は少なくないのもまた事実です。

2)よくない遅刻

 よくない遅刻は,未然に防ぐ努力をしていない遅刻だと私は考えています。先にも説明しましたが,時間や計画の管理への考えは人それぞれです。日本の今の社会常識の範囲としてどうかという私個人の意見です。よくない遅刻とは,例えば,予定にも記入していない,目覚ましもかけていない、当日の集合時間も事前に確認していない,そもそも乗る予定の電車が最初から集合時間に間に合わない,などなどです。つまり,やる前から遅刻が確定しているような,遅刻前提の予定です。遅刻を未然に防ぐ努力をしていない遅刻です。予定を立てなかった,あるいは良くない予定をたてて遅刻した場合を、よくない遅刻ととれえています。もちろん予定をたてる段階でのミスでそうなることはありますから,1回や2回で目くじら立てるのは違うとおもいます。しかし,毎回そういう遅刻の仕方をすると,周囲の評価は下がるだろうと考えています。
 
 例えば,足を怪我していて乗り換えに時間がかかり遅れるかもしれないとか,貧血になりやすくと満員電車で途中下車しないとつらいことがあるなど,様々な事情があると思います。それらは周囲が理解して配慮することが望ましいです。しかし何も言わずに,上記のよくない予定で遅刻する場合,これは よくない遅刻だと評価される場合が多いでしょう。
 例えば,朝9時の集合場所が駅から5分程度の場所であったとします。Aさんは物理的にその駅を降りたことがないです。その場合、駅に8時55分に着く電車に乗ろうと考えて、寝る前に目覚ましをかけたらどうでしょうか。遅刻する確率はかなり高いです。これは、よくくない遅刻だと分類しています。
 
 もちろんギリギリに移動しなければならない理由があるかもしれませんが、それならば待つ側に事前に伝えておくべきです。あるいは集合時間を少し遅くできないか相談するべきです。そういう相談や連帯なしに、8時55分着の電車に乗ろうとすること自体が、よくない遅刻を生むのではないでしょうか。

3)しかたない遅刻

 先の例で説明すれば,8時40分ごろに駅につく電車に乗ったが,途中でおなかが痛くなり電車を降りたとか,人身事故で迂回することになり遅刻するなどは,これはしかたないです。20分以上余裕をもっていたわけで,これらのハプニングを責めるべきではないです。しかたない遅刻です。
 また,超多忙なスケジュールの中を合間をぬって予定を立てて参加した人がいたとします。前の予定が本人の責任によらず前後することはありえます。それにより玉突きてきに遅刻することを責めてもしかたないです。活動的な人ほど、時間をつくってくれるものです。つまり遅刻する頻度も高くなるのは必然といえます。 そういう人の遅刻をとやかく指摘してもしかたないです。むしろそういう遅刻を強く非難したら,単純に相手にされなくなるだけです。
 いやいや,人によって遅刻OKとNGがあるのか,という疑問というか反論意見もありますが,それは人というよりは状況によりあると思います。教える側、教わる側、何かをあげる側、もらう側、お願いされる側、お願いする側などなど,相互の関係性で決まるものです。何かを享受される側が,頻繁に遅刻することは,良い印象は与えないでしょう。少なくとも、日本では遅刻ということがネガティブな印象をもつ人が多いことは周知の事実なわけです。
 自分が遅刻したときにどういうイメージをもたらすか、何がおこるかという想像して行動するほうが良いのではないでしょうか。
 

 4)さいごに

 大学では(少なくとも私は)遅刻や出席に厳しい場合が多いと思います。何故なら日本で生きていく場合、毎回会社に決まった時間にいくというスキルがとても重要な評価基準であるからです。微分積分もできるようになっておくべきですが,まずは遅刻しない毎回出席するために,個々人がどう工夫するか考えるためにも,大学では厳しめの対応をとっています。
 個人,組織,会社や大学で考えかたも全然違いますが,時間管理も1つのスキルです。身につけておいてもよいのではないでしょうか。

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