自己分析/自己PRはキャラ設定
就活がはじまると様々な就活セミナーで詳細は異なれど「自己分析を行いましょう,自己PRシートを作りましょう」などと案内をうける.学生は素直なので,ほうほうこれが就活の基本なのかと考えて,そこから手をつけはじめる.言い方を変えれば,“就活=自分について語らなければならない”,あるいは,“就活=自分のことを理解していないと受からない” という固定概念とともに就活をスタートする.
そのため,この自己分析や自己PRに躓くと,就活そのものに躓いたかのように悩む学生が生まれることになり,冒頭のように「面接でうまく自分のことが話せません.」という相談へとつながる.
ここで,冷静に考えてほしい.
就活の目的は内定で,自己分析でも自己PRでもない
自己分析や,自己PRは就活の1つの手段にすぎず,苦手なら,それ以外の手段で内定をとればいい. これらの用語は,就活ビジネスの中で生まれた,ある種の新しい用語である.自己分析とか自己PRなんて言葉が存在しない時代から,就活はあるし,そんな概念を知らない先輩も内定を取っている.
この視点は,実は私が学部で就活をはじめる前に,同研究室の先輩から頂いたアドバイスである.
先輩曰く,
「自己分析とか自己PRが苦手なら必須じゃない」
「エントリーシートや面接で齟齬がでないように,自分というキャラ設定とそのキャラクタの説明ができていればいいだけ.」
就活初めに,自己分析や,自己PRの練習をする機会が多い.様々な人材採用や職業紹介のサービス企業の企画や,大学でもそういうセミナーがあるかもしれない.断っておくが,無駄とは言わない.本当に自分は何を求めているのか,自分は客観的にどういう人間なのか,それが理解できたうえで,企業選びやPRの方法が決められれば,理想的であるかもしれない.しかし,就活という限られた期間に,ストレス下で行うのは難しいのも事実である. 自己分析ができないと内定がでないわけでもなく,次のステップであるエントリーシート応募をしてはいけないわけではない. そこで,自己分析しないで,エントリーシート,ないし面接に挑む具体的方法を説明する.
自己分析と自己PRせずとも内定が取れれば別に問題ない
Step1
行きたい会社を探す.理由はなんでもいいですが,できれば末尾にある2つの会社選びの基準も見てほしい.
Step 2
選んだ会社の求める人材像(社長や人事,先輩のページを読み)について理解する.
Step3
その中から,なんとなく自分は当てはまるなという感覚がする企業をいくつかピックアップする.逆に,なんとなく,ここは違うなという会社は一旦保留する.
Step4
当てはまると思った数社の求める人材像の和集合をつくる.そこから,自分はさすがにそうじゃないなと思う要素を削る.
Step 5
就活で説明する“自分というキャラ設定”の完成.
このように,機械的に自分のキャラ設定を決めてしまえば,さっさと就活はスタートできる.悩む要素もない.さらに,この先輩のすごいところは,自分のキャラ設定ではディテールまで想像できないという人にまで,追加のアドバイスがありました.
「もう,そういう自分のキャラ設定も面倒なんなら,一番手っ取り早いのは,内定とった誰か先輩を想像すること.その先輩ならどんな風に答えるだろうってね.」
「身近な先輩や知り合いで,その会社や業界に内定出た人いるでしょ.その人ならどう答えるか,これを想像して面接に挑めばいい.面接の受け答えも,心理テストも,あの人ならどう答えるかを想像しつづけないといけないけど,自分ならどうだろうと考えるより,まさに他人事なので案外そのほうが簡単だよ.」
ということでした.ちなみに私は,1つ目のアドバイスを使い自分が合致するなと思う会社を受けました.そして2つ目のアドバイスを使い,自分が合わないなと思う企業を受けました.どちらも内定は出ました.
先に進むために一旦,自己分析やめてみませんか?
視点を変えて,とりあえず自己分析は必須ではないと考えて,就活を進めてみてはどうでしょうか?
実際,自己分析は悪いことではないです.実践的に,選考が進む中で,ああこの企業良いなと思えたら,それでいいし,ああこれ嫌だなと思えば,そこは切ればいい.そういう選択の中で,自分はこうなんだと気付けるので,自然と自己分析していくことになります.
就活は面倒でストレスもかかると思いますが,いろいろな視点をもち,少しでも気を楽にして挑めたらと思います.少しでも参考になれば幸いです!!