医者からも普通だと言われるムスメの遍歴①
発達グレーの支援がないのは子に限らず
グレーゾーンとは言え、診断が下りているムスメやその親に対して普通、普通と言ってくる医者は本当にどうかしていると思います。
見た目は普通でも問題を抱えて来院している訳ですから、医者なら医者らしく言葉を選んで欲しいと思いますが、医者からしてこんなもんですから、誰に話しても話が通じないというのが、日本の発達グレーの普通なのかもしれません。
という訳で、日本の社会にはいまだに発達グレーの支援が無く、そんな中手探りで支援するしかない親は、いつまでも子離れしない過保護な親と世間からレッテルを貼られてしまうのです。実際、手を貸し過ぎている親御さんがいるのも確かなので、なんとかならないかと思いますが、日本の教育にかける予算は先進国でも最低ですからね。そう簡単に変わらないでしょうから、当事者、関係者が発信していくしかないと思っています。
普通の人というのは、自分で自分のことを問題なく出来る人、生活できる人のことですから、私がいないとすぐに生活が破綻してしまうムスメは、全く普通とは言えないのです。
ムスメが不登校気味になった中学から高校まで、私が学校の先生やカウンセラーと
密にやり取りをし、本人が言えないことを代弁。なんとかその場その場、乗り超えてきましたが、大学からは自分で動く必要があると思っていました。
大学に入ったら
それまで私が通訳のような橋渡し役や尻叩き役をやってきたわけですが、大学からはムスメが自分でやらなければいけない為、自分の特性やその為の工夫、対処法などいろいろ話し合ってきました。
特性と言えども、どこまで手を貸し、どこから本人に努力して頑張らせるのか見極めるのは、いつも悩むところだったので、主体性を問われる大学は一人で歩み出すいい機会でした。
大学に発達障害であることを伝えると、大学側からカウンセラーやスクールアシストを必要に応じて使って欲しいという案内も貰え、私は喜んでムスメに大学の支援を頼るよう話していました。
そして、当然使うものだと思っていたのですが、なんとムスメはカウンセリングもスクールアシストも使わなくて大丈夫と宣言。挨拶に顔を出すことも拒否したのでした。
けれど、ムスメは発達障害があると難しいと噂されていた履修登録も難なく済ませ、バイトも始めたのでした。それまでとは打って変わった、自信に満ちたムスメの姿は、微笑ましいものでした。モトオと同じで、外ではやっていけるタイプなのかと、不可解ながらもムスメを信じて任せることにしたのでした。
普通でいることへの執着
ムスメは「人と違うこと」をとても嫌い、
人目につくようなことは絶対にしないと決めています。
「目立ったらおしまい!」だそうで、
「出来るだけ存在を消すことに、日々努力している」と言っています。
つまり、必死で普通を装っているのですから、普通に見えないわけがない。
ただこうなると過剰適応が心配になるという訳です。
「疲れてしまわないよう、周りに頼ったり、人に相談すること」をアドバイスしましたが、これが本人のこだわりなので難しいのです。
バイト先のムスメ
大学1年の夏休みから始めると言っていたバイトでしたが、彼女が重い腰を上げたのは、夏も終わり頃でした。
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