地下を飛ぶ翼
私は夢を見ていた。
長いこと覚えていないことでだけど忘れてはいけないとても大事な夢だった。
もしもあの夢で起きたことが本当なのだとしたら、この列車に乗っていることも何か関係があるのだろうか。
起き上がり着替えを済ませ、木造の乗客車両に行くと丁度列車は止まっていた。
窓の向こうには橋がかかっていて、橋の真ん中でキツネのイズナが大きな袋を開いている。イズナが何かお菓子のようなものを手に掲げると、突然大量の鳥がそこに目掛けて飛んできた。
イズナは鳥達がお菓子を持っていくよりも速く、鳥達の首を掴むと見事に全て袋の中に入れてしまった。
「雁だよ。」
声がしたので振り返って見ると、ミラーボール団長が隣に座っていた。
「次に行く場所へのお土産さ。」
団長が言ったのと同時にさっきまであんなに遠くにいたイズナが一瞬で列車の中に戻ってきていた。
「次はどこへ行くんですか?」
私の問いに団長は机に肘を付いたまま、答えた。
「水星にでも旅に出ようか。」
「そいつはいい。実際この列車はどこまでも続きますぜ。」
イズナが言った。
誰もいなくなった古びた廃墟の割れた鏡から列車は出てきた。周囲を破壊しないように徐々に大きくなって、一本の道にはまるように停車した。
列車から降りてみると、そけは閉鎖的な小さなトタン屋根の建物が密集した街だった。中には店のような家もあり、謎の肉料理(ケバブと表記されている。)や、傘が売られていた。
そして上を見上げると、空は見えずただ真っ白な天井がどこまでも広がっているだけだった。
「ここは地下のスラム街だよ。」団長が言う。
「スラム?ここが?」
しかしそこはスラムと呼ぶには綺麗にされていて、街の臭いも貧困な感じではなかった。
「この街のトップが極度の潔癖症でね。清潔に掃除してあることが義務なんだ。」
なんだか詳しいようだ。ミラーボール団長は慣れたように、傘を売っている店に入って行った。
「やあ、売れているかい?」
なんと傘を売っていたのは小学校に上がる前ぐらいの子供達だった。布や古くなったビニールを再利用して傘にしているのだ。「ていうか、ここって地下の街なのになぜ傘が必要なんですか?」
「上から来た人達にはこれがよく売れるってカシラが教えてくれたんだ。」傘を売っていた子供の一人が行った。
「上から来たって、よく色々な人がここには来るということ?」
「うん、まあ。僕らはあんまり好きじゃないけど…。」
光の当たらない貧民街に用があるなんてどんな人種だろう。そしてこの街の住民がカシラと呼ぶ程のトップとはどんな人物なんだろう。
すると、どこからかサイレンのような音が聞こえ、子供達が「カシラだ!」と言いながら一斉に表に出た。
地下街の密集したトタン屋根の群れから一段と高くなった塔みたいなものがある。色々な木や壊れた部品などを集めて梯子にしたみたいな屋根を建物と建物の間を鳥のようにジャンプしてその人物は塔の上に飛び乗った。
あまりの速さにまるでどこまでも飛んでいける鳥のように見えた。その人物は圧倒的なオーラを纏っていた。
カラスのような黒いモッズコートに灰色の髪と瞳。しかし年齢は非常に若い。背はあまり高くないが、彼が塔の中央に立っただけで住民が一斉にそちらに視線をやるのがわかった。
「…掃除はもう終わっているんだな?」
「もちろん!チリ一つ落ちてませんよ!」
「そうか。よくやった。」カシラと呼ばれる人物はふっと微笑むと列車が止まっている方に目をやった。
「珍しいものがあると思ったら…。」そう呟いて、彼はミラーボール団長に視線を向けた。
「久しぶりだね、アベル。」ミラーボール団長は口角を上げ、楽しそうに話しかけた。
アベルと呼ばれた街のトップは団長とは顔見知りだったらしい。団長曰く、前にもこの街にサーカスでやって来たことがあるそうだ。
「あの時はサーカスをやって、街のみんなを喜ばせたお礼にボクはアベルから羊をもらったんだよね。」
確か前に羊は友達から貰ったなどと話していたな。あの時は変な独り言だと思っていたが、本当だったのか。
「まさかお前がもう一度この街に来るとはな。」アベルは嬉しくも不満でもないような素っ気ない感じで話した。「一体何が目的だ?」
そう言ってじろりとミラーボール団長の瞳を覗き込む。ミラーボール団長はそれには答えず逆に笑って質問した。
「キミの具合はどうなった?」
団長が答えたのと同時だった。話をしていた小屋の外で爆発音が響いた。アベルは音と同時に小屋から出ると、音のした方へ走って行った。見ると、スラム街の小屋の幾つかが爆破され、中から怪我をした住民が数人出てきた。
「何が起きたんです?」
私が聞くと、爆破された小屋から声がした。
「ここから立ち退くべきか、死ぬべきか、それが問題だ。」
中から出てきたのは、子供だった。いや、子供に見えるが所作や話し方は老人みたいだ。
右目の下にモノクルをつけ、ゴシック調でスチームパンク風な服を着ている。左手には大きな黒い鳥籠、右手には拳銃が握られていた。
「てめえがやったのか…。」アベルは怒りに満ちた目で少年を見た。
「爆破したのは私ではない。果実の同盟だ。だが私はこの街の人間の命を奪いに来た。」
そう言うと少年は銃をアベルに向けた。が、アベルがそれを蹴り落とすのが早かった。アベルは少年を十字固めにすると、震える声で行った。
「ここに住む奴らは血は繋がっていなくとも家族だ。家族に何かするなら容赦はしない。」
少年はにやっと笑ったまま言った。「ああ、その気持ちはとてもよくわかるよ。私も私の家族は全員救いたい。でも君にはもう手遅れなんじゃないかな?」
少年が言ったのと同時にアベルは来るしそうに咳き込み始めた。少年はその隙にアベルの腕をすり抜ける。
抑えていた手を口から離したアベルの手には鮮やかな血があった。もしかして、病気なのか?
「時を駆ける殺し屋、タイムワープだね。」
ミラーボール団長が少年に向かって言うと、少年は恨めしそうな顔をした。
「黙れ、ミラーボール。お前は私が殺す。」
「ボクは誰にも殺せないよ。いつかキミにもその理由がわかる。」団長は笑顔を崩さない。少年は舌打ちすると、どこからか黒い傘を取り出して開いた。傘と一緒に宙に浮かぶと同時に少年は消えた。
「ミラーボール、なんでここへ来た。」アベルが口元の血を拭きながら団長を見上げた。
「このセカイはもうすぐ無くなる。その前に束の間の幸せを見せてあげようと思って。」
アベルは初めて来た私にこの街の事情を説明した。この地下スラムは名前はないが世界から透明にされた人間達の約束の地だとされている。
地上には私が暮らしていたような一般的な世界が存在しているが、この世界では地下にも同じように暮らしている人達がいるらしい。地上の人間はそんなこと知らないし、知っていたとしても偉い人達だけだ。
なぜなら地下には世界を裏で操っている果実の同盟の残党が暮らしているからだ。しかしその中にも貧富の差があり、スラム街にいる者達はそういった同盟の仲間にもなれず地上の人間に知られることもないまさに透明になった存在なのだ。
しかしこのスラム街にも偉い人達にとって都合の悪いことがあった。スラム街は丁度発電所の隣にあった。実はこの発電所が地上の電気も支えているのだが、知られることはない。それでも発電所から漏れている成分はスラム街の住民達を蝕んでいた。ある時街に伝染病が流行した。果実の同盟に属する者達はそれを知り、感染を抑えるからとある薬を差し出した。それからというもの、住民の具合は良くなっているようだ。
「本当かな?その話。」
急にミラーボール団長が割って入ってきた。
「ちょっとそれどういうこと…。」
「何でもないよ。ほら、街の子供達にお土産だ。」
ミラーボール団長はそう言うと、イズナが持っていたあの袋を出した。子供達が興味深々という風に集まってくる。ミラーボール団長は子供が苦手なので一瞬引き攣った笑顔になる。
袋の中にはぺしゃんこになった雁のサブレみたいなお菓子が入っていた。「うわー美味しそう!」「これって鳥?」
口々に感想を漏らしながら、お菓子を分けている。私も一口食べてみたがホワイトチョコレートみたいな味がした。
ぽくぽくとそれを食べながら、子供の一人が言った。
「ねえ、鳥って空を飛ぶんでしょ?誰よりも高く、どこまでも速く。アベルが教えてくれたんだ。」
「うーん、飛ばない鳥もいるけどね。それでもみんな物凄く自由な感じで飛んだり泳いだりするんだ。」団長が答える。
「いいなぁ。僕もいつか鳥や空を見てみたいなぁ。」
羨ましそうにその子は手に持っていた鳥の図鑑の写真を見ていた。アベルはどこか悲しそうな目で彼を見ていた。
次の日から、地下街のスラムでサーカスの公演が始まった。みんな物珍しそうに集まって、満足したように帰っていく。まさかここが無くなってしまうなんて想像もつかない。どのようにして無くなるのか、ミラーボール団長も教えてくれなかったが、団長はアベルと約束をした。
「キミの家族はボクがもっと住みやすい世界に連れて行くよ。そこでいつまでも幸せに病気になることもなく暮らすんだ。」
その日のサーカスが終わり、テントを片付けようとしていると、また街全体にサイレンが鳴り響いた。
若い住民の一人が走って来て叫んだ。
「みんな大変だ!カシラが!アベルが!!」
人だかりができているところに行ってみると、アベルが足から血を流して倒れていた。また病気の発作が出たのか、吐血もしている。ミラーボール団長は悲しそうに呟いた。
「どこまでも飛べる鳥を撃ち落としてでも隠したいことがあるのか。全く、キミ達のやることは変わらないね。」
「誰がやったんですか?まさかあのタイムワープとかいう人…。」
「私ではないよ、お嬢さん。」
タイムワープがまた黒い傘に鳥籠を持って現れた。そのまま何もない地下街の道の向こうを睨んでいる。
段々と道の向こうから巨大な戦車が進んで来るのが見えた。
「アレは…。」「果実の同盟…。」タイムワープが言った。
戦車に乗っていたのは、普通の人間と同じ見た目の者もいたが大半は頭と目が異様に大きく髪の毛が生えていない宇宙人みたいな者もいた。
「ずっと地下に住んで光を浴びないとああなるのさ。特にR遺伝子を持つ者は。」
タイムワープは説明する。よくわからないけど、スラム街の人達はそのR遺伝子というものは持っていないのか。
戦車からメガホンで声が聞こえた。
「この街の住民が大人しく我々の元に来るのなら手荒な真似はしない。どうする?」
「そんなの言うこと聞くわけないだろ!」スラム街の人々が抵抗し、向かっていくと戦車から銃が大量に放たれた。ミラーボール団長はまたガラスのバリアのようなもので、それらを跳ね返す。小屋が撃たれて多少崩落したが住民も団員もほぼ避難できた。
「一体何があったんです?」
街の闇医者がアベルを手当てしている隣で私は聞いた。しかしアベルは痛いのか何も答えない。タイムワープはまたどこかに姿を消してしまった。ミラーボール団長がアベルに目線を合わせ、しゃがんだ。
「さっきキミは果実の同盟がくれた薬のおかげで伝染病は静まったと言ったね。だけどそれは違う。その薬は、被爆の作用を更に強めて摂取した者の免疫を破壊する薬だ。キミの髪と瞳に現れた症状がそう。
まあ、薬の副反応には色々あるけど早くに老化して髪が白くなり眼球が白濁する。吐血したりもね。前にあった時はもっとマシだったのに。」
アベルは気づかれたくなかったようにミラーボール団長を睨んだ。「たぶん果実の同盟は地上にもあの薬を売るつもりだった。そうすればたくさんの魂を「爬虫類」に捧げることができると思ったんだろうね。だから先にこの街で実験をした。効果はすぐに現れるはずだった。キミさえいなければね。」
どういうことだ?
「キミは街のみんなの病気も薬の副作用も全部キミ一人で背負ったんだろう?」
ミラーボール団長が興味深そうにアベルの顔を覗く。
「そんな、どうやって?」私の問いには答えず、ミラーボール団長は次の言葉を発した。
「アベル、キミは、能力者だね?」
アベルは黙って顔を背ける。「もっと昔、人間は高度なエネルギーが使え、魔法が使えたっていうのは今まで行った世界でわかっているね?ヨリ。時代と共に人間の能力は消えていったように見えるけど中には能力を持った人間もまだいるんだ。超能力なんて言われてね。」
つまりアベルは他の人の痛みや病気を自分に映せる超能力があるというのか。しかしそうだとして、なぜ果実の同盟はこの街の住民、更にはアベルを消そうとしているのだろう。考え込んでいくと私の中ではっと思い浮かぶことがあった。
「アベル、あなたは本当は地上の人間ですね?地上では傘が必要とか空に鳥が飛んでるとか知っているのは地上の人間だけです。子供達はあなたから教えてもらったと言ってました。」
アベルははーっと深くため息を吐くと、頷いた。
「そうだ。俺は5歳ぐらいまで地上で暮らしていた。望んで生まれた子供ではなかったからある日突然母親は帰って来なくなった。透明になった俺はブロイラーに連れて行かれた。」
「ブロイラー?」
「愛されなくなった子供達が行くところさ。」ミラーボール団長が説明する。
「だが俺はブロイラーで完全な鏡にされる前に地下のルートを辿りこの街まで逃げた。何者でもなかった俺はここに来て初めてアベルになれた。」
アベルは愛しいものを懐かしむように、微笑みながら話した。
「それでキミはキミの能力をこの街の人達のために使っていたんだね。だけどもうキミの翼は折れかかってる。それから、キミの父親はきっと偉い人だね?自分の妻以外の人に手を出して生まれたのがキミ。だから能力者でもあり権力もあり果実の同盟とも繋がってるから、キミの存在をなんとしてでも消したいんだね。」
「ああ、だけど俺はそれでも構わない。この街の家族がみんな救われるなら。」
アベルの言葉を聞いてミラーボール団長が珍しく眉間に皺を寄せたのが一瞬だけど私にはわかった。
夜が明けて(地下なので時間の感覚はわからないがたぶん1日経って)街の外れにテントを立てサーカスを行った。
スラムの子供達が楽しそうに手を叩いて笑ったり、おもちゃで遊んだりしている。するとまた戦車がやって来る音が聞こえた。
「大丈夫。構わず続けて。」ミラーボール団長は戦車が来たことなんて何でもないというように団員達に言った。
人形師のグーが作った操り人形が踊り、めくるめく円状のステージが廻りだすと観客席の盛り上がりが最高潮に達した。天井のミラーボールがきらきらと星のように光り客席全体を包む。
「もっと輝くところに連れて行ってあげるよ。」団長がそう囁くとスラム街の住民たは光に包まれたまま、天井のミラーボールの中に吸い込まれていった。
客席にも街にも人がいなくなり、テントの外に出てみるとアベルが果実の同盟の人達と戦っていた。だけど大勢と一人では、しかも傷病者では力が全く違う。
「お前が俺に殺されるとは皮肉だなあ。」同盟の側の一人が言った。
「それでも構わない、ケイン。」よくわからないが、そのケインという人も元はこの街の人だったのかも、と想像した。ケインが刀を抜きアベルにとどめを刺そうとすると、ぱん。
辺り一体に発砲音が聞こえた。
「心臓を貫通してるぞ…。」「誰だ!?」
アベルも何が何だかわからないという顔で口から血を流したまま見上げる。
見ると塔の上にピストルと傘を持って立つ少年の姿が見えた。「時を駆ける殺し屋、タイムワープだ。」
少年はそう言うと塔から舞い降りるようにジャンプして残りの同盟の者達も撃って行った。ちゃんと相手が苦しむ前に心臓や脳を射抜く。
同盟の者が誰も息をしなくなったのがわかると、タイムワープは持っていた鳥籠を開けた。倒れていた遺体が小さな光となって籠の中に入っていく。
全部入ったことを確認するとタイムワープは傘を広げてその場を立ち去ろうとした。
「……どうして?」私は思わず聞いた。
「私は時を駆ける殺し屋だ。こいつらが生きて計画を実行したら世界が終わってしまう。」彼は私に向かってそう説明した。思ったよりも穏やかな口調だった。
しかしまた燃え上がるような瞳になると視線を団長に映して言った。「ミラーボール。いつかお前のことも必ずな。」
ミラーボール団長はいつもと変わらない笑顔で笑っていた。タイムワープは団長を睨んだまま、ぱっとどこかに消えてしまった。
倒れているアベルを抱き抱えミラーボール団長は言った。
「この薬をお飲み。これを飲めばキミの中に溜まったものを解毒して今よりは健康になれる。健康になったキミをボクが別の世界に移行する。」
アベルはぜえはあと途切れそうな息をしながら聞いた。
「…なぜ……そんなことが……必要なんだ?」
「キミが家族に幸せでいて欲しいならキミが望む世界はキミ自身が維持しなけりゃダメだ。キミがちゃんと生きてキミとして生きない限り、世界は存続できない。自己犠牲なんて世界の路線を産み続ける呪いみたいなものだよ。そんなものは逃避と罪悪だ。」
アベルはミラーボール団長の目を見ると、団長の手のひらにあったカプセル状の薬を震える手で取った。もう力が僅かしかないのか腕は震え、薬が地面に落ちる。
「しょうがないな。こればかりは変な気分だが、まあいいか。」団長はそう言うとポケットからまた薬を取り出し、自身の口に含んだ。そしてそのままアベルの口元にそれを移した。
あまりに一瞬の出来事で私にも何がなんだかわからなかったが、薬を飲み込んだ瞬間、アベルは光の粒となってミラーボール団長のステッキの中に吸い込まれていった。
全てが終わり、列車の中。
今回の世界は今まで以上にイレギュラーなことが多すぎた。地下にも同じように暮らしている人達がいる。能力を持った人間、時を駆ける殺し屋「タイムワープ」。彼はミラーボール団長を消そうとしている。
ただでさえわからないことだらけのまま列車に乗っているのにまだ増えるのか。
ふと私はあの夢の中の世界を思い出した。一瞬の夢のようなものなのに何故か懐かしく部分部分を鮮明に思い出せるあの夢は、実は本当にあったことなのだろうか。
団員達が地下街でもらったケバブを美味しそうに頬張っている。私は思わずミラーボール団長に聞いていた。
「ねえ、ミラーボール団長。もしかしてあなたは私の夢のことも知ってる?」
団長は肯定とも否定とも言えない笑顔を向けた。「いつか見たその先にこの列車があるのかもね。なんにせよ、この列車は行けるところまで参りますよ。」
またはぐらかそうとする。私は少々むっとしていた。
「なんですかそれ!次はどこに行くつもりなんですか?」
「うーん、水星にでも旅に出ようか。」
窓の外にはあまねく一面の銀河が広がっていた。