抱っこで寝かせた子どもをお布団に寝かせるタイミング〜脳波専門技術師の視点から〜
抱っこで寝た子供を布団に置くタイミング
子どもを育てたり、子守りをしたことがある人なら誰しも経験する現象の1つに
「抱っこで寝かしつけた子どもを布団に寝かせると目覚める現象」がある。
特に子育て中の母は慢性的に寝不足、かつ他にやりたい事が山積みなので、この現象に出くわすとどこかやるせない気持ちになるのだ。(全員ではないと思うが)
ここで脳波専門技術師の私が、「睡眠脳波」の観点からこの現象の対策を考えてみようと思う。
睡眠には段階がある
睡眠が進行すると、脳波も変化する。
それには5段階ある。
ステージ1:寝始めのウトウト。
ステージ2:睡眠が深くなり、よく、身体がビクッとなる。
ステージ3と4:多少のことでは起きない。
ステージREM(レム睡眠):脳波は覚醒に近い状態。少しの刺激で起きる。
そしてこの睡眠ステージは一連の睡眠の中で繰り返されるのだ。
この睡眠サイクルは大人なら90〜120分、子どもなら40〜60分で1セットである(ざっくり)。
ノンレム睡眠、レム睡眠という単語を聞いたことがある人はいると思うが、レム睡眠以外の睡眠ステージ1〜4がノンレム睡眠にあたる。
脳波はこの睡眠ステージが一目でわかる。なんて便利な検査。
そして、てんかんの診断には脳波がほぼ必須なのだ。
特に睡眠ステージ1と2でてんかんに特徴的な波形が出現するため、てんかんを疑われたお子さんは、脳波室で脳波検査中に寝てもらうことが必要になってくる。
この脳波検査はほぼ100%臨床検査技師が担当している。
寝付くとは
「子供が寝付く」とは、恐らく睡眠ステージ3に突入した段階を指す気がする。
※数千人の子どもを検査のために寝かしつけて来た私の独断と偏見
ステージ2だと、まだ目覚める可能性が高い。
睡眠が浅いのだ。
ステージ3、4だと、何をしても起きない子もいるくらい深く眠っている。
このステージ3に突入した頃にお布団に寝かせられれば、子どもが目覚める事なく睡眠を続行してくれる気がする。
ステージ3の目安
脳波を記録していれば、いまどこの睡眠ステージなのかは一目瞭然なのだが、脳波を記録していない時は何を目安にするのか。
それは…眠る時にビクッとするやつ。
(正式名称忘れました…)
子どもの寝入り端に良く見られる現象なのだが、これは大体ステージ1、2で出現する。
このビクッとした動きが少なくなり、動かなくなってしばらく経ち、呼吸も深くなった頃がステージ3だ。
子ども自身やその時の子どもの体調によっても変化するので一概には言えないが、ここまで深く眠るのに大体10分~15分程度と思われる。
※私統計からの仮説
なので、抱っこをしたまま寝ついた子供を最低でも頑張って10分前後引き続き抱っこして、ステージ3になったなと思った頃にお布団に寝かせるのだ。
そうすればきっと起きない!
実践してみた結果
息子が小さかった頃、夜の睡眠でも昼寝でも、きっとこれはステージ3!となってからお布団に寝かせていた。
結果はどうだったかと言うと…多分、他のお母さんよりは布団に置いてから泣かれる率は低かったはず。
だけど毎回上手く寝かせられたかと言うと、残念ながらそうではなかった(笑)
だって子育て、というか人間を育てるのって、難しいんだもの!!!!
十人十色だし!!!
誰かが言ってる子育て法とか、うちの息子には合わないし!
哺乳瓶のミルク拒否するし!!離乳食食べないし!!!
なんだよぉーーー!!!!
と思うこと、多々あったな…。
結局はこの子の親はわたしだから、Google先生に聞くよりも、直接この子の個性を見つけるのが親の仕事だな。
と思った次第。
なので、この記事の寝かしつけ方法も、1つの方法と思って軽い気持ちで受け止めて欲しい(笑)
子どもはレム睡眠が多い
睡眠ステージの話はちょっと記憶の片隅に入れておいたら楽しいかもしれない。
おっ。いまビクっとしてるからステージ2だな、と思うと、我が子の寝姿もまた変わった視点で見られて、ちょっとした息抜きになる気がするのだが、どうだろうか。
ちなみにレム睡眠の時は目覚めやすくなる。
※朝方、スキっと起きられるのは、このレム睡眠の時に目覚める割合が多いから
かつ、睡眠サイクルが増える度にノンレム睡眠の睡眠も浅くなっていく。
子どもの睡眠サイクルは大体40〜60分程度なので、1時間しか寝ない!!とか、3時間に1回は起きるんだよーー!!
という場合も、睡眠サイクルのせいだから仕方ないのだ。
しかも子どもはレム睡眠の割合が多い。
あきらめた方がよさそうだ(笑)
というか、子育てしてる母親はなんなら子どもと一緒に30分でも寝た方が良い。これは間違いない。
子育て真っ最中のお母さん、子どもが寝てる間に何かしようと頑張らなくて大丈夫。
家事は放置してても死なないし!
休める時に休みましょう。
世のお父さん方よろしくお願いいたします!!!!!
※この記事の「子ども」とは乳児~幼児をイメージしています。
↑ 厚労省の健康関連のページ。とってもわかり易いので、睡眠に興味がある方は一読の価値ありです!