【二次創作】ジャンル/カップリングの衰退を考察【副業で同人活動】
「流行りジャンルの移り変わりが昔よりも早くなった」
長く同人活動をしている皆さまならば、ここ数年この空気を感じ続けているのではないでしょうか。
昔は大きなジャンルなら数年間は旬を保っていたと記憶しています。
このnoteは副業として同人活動をしようという趣旨ですので、旬ジャンルが変化するたびにそこに次々と移動し175行為をしようということは本来の目的とは異なります。
(むしろそれをすると悪評がつくので長期的に見て利益が減り悪手だと断言できます。)
けれども、瞬間的に大きな数字を得られるのは旬ジャンルであるということもまた事実。
そしてある程度の大きなジャンルで活動をしていると必ずついてまわる悩みが「ジャンル衰退」です。
今回はこの「ジャンル衰退になった際の行動指針」を記事にしていきます。
=====
①ジャンルの消費が以前に比べて早くなった事とその対策
たくさんのアニメをさまざまなメディア/Webサイトで放映し始めたことが大きく作用していると感じます。
またVtuberやソシャゲなど、漫画/アニメの選択だけには留まらず昔には存在しなかった分野も台頭してきました。
海外産のアニメやゲーム作品も人気になってきています。
市場を俯瞰して見るに、視聴者/読者が楽しめる作品の数が大きく増え、人気の分散も昔よりおきているのです。
とにかく作品数が多く、読む側の興味が移りやすいのは無理もありません。
この流れ、正直なところ
「時代の流れなのでしょうがない」
と私YAYAは感じています。
ハマった作品が旬になればラッキー、その作品の人気が長く続けばラッキー。これはもう運です。
ジャンルの衰退を防ぐ対策は、同人サークル側にはありません。
ですが「そっか…」と肩を落とすのは待ってください。
ひとつ言えるとすれば、「人気が長く続き、衰退しにくい作品」は「クオリティが高い」または「そもそもの企画が良い」コンテンツ/作品であることは間違いありません。
これだけは断言できます。
ハマった後にジャンル衰退を防ぐ方法はありませんが、そもそもハマる前に「長続きしそうなジャンルを選んでそこにハマるように自分をコントロールする」ことはできます。
もちろん、そのクオリティが高い/企画が良い作品にハマれるかハマれないかは人それぞれです。タイミングもあります。
けれども全く知らないものには人間ハマりようがありません。
どうせハマるなら息の長い作品に、と思うのは同人活動をしている人ならば自然な考えでしょう。
新しく始まるアニメやゲームをひと通りチェックし、そしてそれを楽しみ、日々アンテナを張っておくことは重要と考えます。
②ジャンル/カップリング衰退のサインを見抜く
「本が売れる最高期」から比較して部数が下がるタイミングがあります。
これが、巷で言われる「ジャンル衰退」。みなさまも感じたことがことがあると思われます。
この部数が下がるタイミングはおおまかに2段階あります。
1.爆発的な人気が収まる時期
2.明らかに旬ジャンルではなくなる時期
順番に考察していきます。
1の時期はわりと早くに訪れます。半年~1年あれば良い方ではないでしょうか。
この1までの時期、とにかく部数がたくさん出ている時期はどんな現象が起きているのでしょう。
萌えている買い手の人たちは最初どのサークルの本が自分の好みに合うかわからないため、無作為にたくさんのサークルの本を手に入れていきます。
それ以外にも「最近流行ってるみたいだからあのジャンルの本も買ってみようかな」という人や「このジャンルで本を出してみたいけどみんなどんな感じで話を作ってるのかな?」といった市場調査的な意味で買う人も少なくありません。
これが旬ジャンル始まりたての人気大爆発の状態です。
そして、半年~1年たつと部数がいっきに減ります。
買い手側が
「自分の好みのサークルを見つけ、それ以外のサークルを切ったタイミング」
「ジャンル外から本を買うの人の興味が薄れた時」
「市場調査で本を入手していた人がひと通りそれをやりきった時」
これらが揃うと1である衰退第一段階目が起こります。
大多数のサークルが「あれ?部数減ったな」と思う時です。
しょうがない現象であると言えます。
2の時期は訪れるタイミングがジャンルによりかなり差があります。
公式で何か問題発生してしまうと途端に2になったりしまが、大概の場合2の衰退が訪れるまでには数年かかります。
わかりやすく言えばイベント会社側がオンリーを開いてくれなくなるほど衰退した段階です。
1から2までの期間は、売れる数にも個人差が出てくる時期であり、とても重要な数年間だと考えています。
「萌える心は少し落ち着いてきたけどまだこのジャンル大好き、特定のサークルさんの本は面白いし買い続けよう」多くの買い手はこの心境になっているのではないでしょうか。
1から2までの間の数年前は、固定ファンがいるかどうかで部数が大きく変わる時期でもあり本当の意味での実力が出る時期です。
もちろん公式側にパワーがあればこの1から2の間の期間はかなり長く続きますし、仮に公式側が停滞したとしてもサークル側に魅力があると買い手は離れません。
爆発的な旬は過ぎたけど、まだまだこのジャンル人気だよね?とそんな空気がある時期です。
「本が売れる最高期」に売れる総部数がわかりやすく1000部だった場合で考えてみましょう。
(数の部分は普段の自分の部数にあてはめ、比率を考えてみてください。)
1が訪れるまでの最盛期…1000部
1の衰退を迎える…400~600部
2の衰退を迎える…100部以下
大きなジャンルでの衰退数字は、こんな感じの減り方に誰もがなるのではないでしょうか。
上の例ですと、400~600部の時期をとにかく長く保つことに留意すべきと考えます。
そして、この400~600部の時期こそが本来の自分自身の実力部数であると考察しています。
もし、ジャンル撤退を考えるとするならば1~2の時期を経てから訪れる2番目衰退100以下になった時期ではないでしょうか。
③二年以上同じジャンルやカップリングで景気のいい数字を出し続けることは難しいのか?
結論、最盛期の数字を保つのは難しいです。
爆発的に数字が出てそこから1の衰退までの期間を延ばすことは個人の努力ではどうにもできません。
大手サークルであっても部数はある程度落ちます。
最盛期を経験し、その後突然部数がガクッと減れば誰もが落ち込みます。
最大総部数が自分の実力と多くの人は思ってしまいます。
私YAYAも初めて旬ジャンルにハマった時、部数激減初体験にはかなり精神をやられました。「なんで?どうして?自分の本ってそんなに魅力なかったの?みんな私の創作にはもう興味ないの?」と自信喪失状態にもなったことがあります。わかります。
けれど、冷静になって分析すれば最盛期は誰でも売れて当たり前、一度ジャンルが落ち着いた1~2までの数年間こそが自分の実力相応の数字だと悟りました。
とにかくたくさん売れて気持ち良いという経験をしてしまった人の中には、その快感が忘れられず新興ジャンルの最盛期ばかりを狙い移動してしまいます。これが巷でも悪評がつく175行為です。
頻繁なジャンル移動しても2回目移動あたりまでは好調に行くかもしれません。預金/貯金も驚く程増えるでしょう。
けれど、同人活動を5年以上継続しようと考えているならば悪手です。
絵柄バレが関係ない小説サークルであってもこの175行為はなぜか不思議とバレるものなのです。「あのサークルさんまた旬ジャンルにいる…」と噂になります。女性間の情報共有とは恐ろしいものです。
これは書く/描く本はジャンルは固定でも、買うジャンルはいろんなジャンルの本を買う人が多いことにも起因しますし、単純に知り合いつてでジャンル移動がバレることが多いのかなと感じています。
長い目で見れば2年以上はひとつのジャンルに留まり創作を続けた方が利益があると考えます。
そして逆に考えれば、頻繁にジャンル移動をしない腰を据えたサークルは好印象を持たれるということです。
あの人お金儲けじゃなく同人活動してるんだな、あの人はミーハーじゃない本当にこのジャンルが好きなんだな、と思われるように自己プロデュースをしましょう。
これは二次で創作する上では最も重要です。
あくまでもファン活動、あくまでも利益は二の次です、という行動を嘘でもいいので演じなくてはいけません。
それは公式側への礼儀でもあるのです。
④もう限界…数字が減ってしまった場合は
「今まさに1から2までの期間なんだろうけど、あまりにも売上げが減ってこれじゃ副業とすら言えない…微々たる黒字じゃ本出す意味なくないか?」
このような悩みも人知れず抱えてしまう方もいるでしょう。
まずは副業する上で「3ヶ月間でいくら貯蓄したいのか」のラインを自分で決めておいてください。
1ヶ月、と言わなかったのは本を毎月出すことはなかなか難しい上、売上も毎月一定額とはないからです。3~4ヶ月でいくら貯めるのが目標かを決めてください。
理想の数字ではなく、実現可能な数字を持つことが絶対です。
その目標ラインを本の売上げが下回ってしまった場合、決断が必要になります。以下、3つ考えるべきことを挙げさせてください。
1.現ジャンルで本を出し続けるかオンラインのみの更新にするか
2.オリジナル性のあるものに手を出すかどうか
3.①でも上げた新しいコンテンツを楽しむ期間にして充電期間とするか
イベント参加することや本として形のある媒体に自分の作ったものを残しておきたい、という考えがある人は本を出し続けても良いと考えます。
ただし、もう黒字を目指すのではなくあくまでも自分のためだけ、副業ではなく息抜きの趣味、と腹をくくるべきです。
また、ジャンル愛はまだあるけど印刷代払うのが嫌だ、もしくはリアルイベントには興味が薄い/居住地が遠方で遠征費用がかかる場合はオンライン更新だけでも良いと感じます。
無償で見ることができるオンライン更新はばかにできません。
そこから新しくあたなの作品に興味を持つ人が増える窓口になるからです。
2.を提案したのは、昨今オリジナル創作が女性向けでもやや盛り上がり始めたことが理由です。
ここ数年、オリジナル創作やオリジナルコンテンツがとくに若いオタク層に人気になってる気配をみなさまも感じているのではないでしょうか。
オリジナル小説/漫画もちろんVtuberも言ってしまえばオリジナルコンテンツです。(Vtuberは本当に数字がすごいですね。同人誌業界をすでに越えているのではとすら感じます。)
オリジナル活動を大々的にお勧めします!…とまでは言えませんが、今後大きな流れがくるのではないかと私YAYAは感じています。
もちろん、オリジナルを書いた/描いた時の数字は、二次創作で得られる爆発的な旬の数字とは比べ物にならない程に低いと思います。
最初はいいねが1桁つくかつかないか、なんて話はよく聞きます。
けれども、自分の執筆できるものの枠を広げることができる上、下手に旬にばかり移動し悪評が付くことも防げます。
原作のパワーなしで自分自身だけのファンを掴むことができた時の喜びは、二次創作で数字が取れた時の喜びともまた違う独特なものです。
「オリジナル漫画とか本当に興味ないし無理~」という人でも、今まさに目にして下さっている、YAYAnoteのような同人考察のような文章、二次創作そのものではないコンテンツは書けるのではないでしょうか。
紙がとにかく好きという人なら印刷所比較の記事を出してもいいですし、遠征時にイベント会場近くのホテルを頻繁に利用する人であればそのホテルの詳細記事を写真つきで紹介するのも素敵だと思います。
話が逸れましたが、「二次創作だけじゃねぇぞ」という物をひとつ用意しておくと、二次創作活動で数字が停滞した際に思わぬ道ができます。
そしてその行動は無駄にはなりません。
また新しいジャンルにハマった時に必ず糧になります。
私YAYA個人のことになりますが、自分も二次創作小説以外の文章が書けるなんて数年前には思ってもいませんでした。
けれど、今このnoteをなんだかんだ更新できています。有料記事であっても、たかだか200円なのでそりゃ二次創作活動で得られる金額とは比較にはなりません。
それでも「自分、萌え以外も書けるじゃん…」と驚きましたし、このnoteを始めた後に出した同人誌も「俯瞰した表現を増やせるようになったかも?」と過去の自分との違いが見えました。
そんな新しい自分の表現力を、ジャンルが衰退した時にこそ育成しておいて損はないはずです。
巷では、noteだけではなく二次創作の悩み等を題材にしたYouTubeチャンネルを開設された方、イラストレーターの人でpixivやツイッターだけでなくインスタ更新を頻繁にしてる方もいらっしゃいます。中には(男性向け特化でしたが)自分たちでSNSを作りそこに人を呼び込む活動をしてる方も見かけました。固定観念にとらわれない行動力、とても尊敬しています。
数字が停滞した時にこそ、さまざまな分野での視野を広げてみることは創作者としての生き残りという意味でも大事だと痛感しています。
=====
いかがだったでしょうか。
今回は現実的でシビアな考察も多かったので「よし!次の本やるかー!」というテンションにはならなかったかもしれません。
けれど、数年後を見越した長期的目標は二次創作や貯蓄だけではなく人生においても重要です。
目先の利益だけではなく、5年後どうなっていたいのかに注視して副業での同人活動を続けていきましょう。