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思いを伝える手段それぞれベイビーズ編

息子にアップデートがあった。

私が彼から離れると大きなアラームがなるようになったのだ。

しかも面倒なことになぜかこのアラーム、娘のテンションを上げるのだ。

保育園から帰ってリビングに連れて行き、さあごはんの準備をと思うと鳴り始める。

母の前からは足にすがりつく息子。
母の後ろからは号泣の弟にいないいないばあを仕掛けたい娘。

私の股の下が大騒ぎ。
やめてくれ。うごけない。

困る。非常に困るんだが、娘にはなかった現象なので新鮮。

こうなってくるとどうしても息子に構う時間が増える。

母である私の原体験として、親たちが病弱だった弟に構う必要があったためとても寂しい幼児期を過ごしたというものがある。
親は親なりに遊びに連れていってくれていたし、本当に毎日寂しかったのかはわからないが、そういう気持ちが残っている。

年齢的に正確な理解は曖昧でも、感情は残る。

娘にはどうしてもそんな思いをさせたくない。
しかし私も手が二つしかないし、体力に限界がある。

そこで考えた。

「コシタよ。さみしいな、だっこしてほしいなと思ったら「ニコッ!」ってニコニコポーズをしておくれ。ママはぶっ飛んできてギュッギュするよ」

娘にガソリンの供給を任せることにしたのだ。

娘はまだ発語が少ないが、パパ、ママをはじめとした2つ3つの音なら数個出せるようになっているのだ。

これが大当たり。

息子号泣対応後、各々の準備でヘロヘロなまま家の中をウロウロする時、娘や息子を危険がないかの管理的目線でしか見ていない時。疲れていたりして子供たちの感情の機微にまで注意を払えていない時。

「ニコッ!」

自分からさみしさを申告してくれるようになった。

約束したからには何をやっていてもぶっ飛んでいくようになった。
娘も本当に嬉しそうにしてくれる。私もそんな娘を見れて嬉しい。ちょっと回復する。

伝える、伝えられるって本当に尊いことなんだなぁと実感した。

これは娘に障害がなかったら、当たり前のこととして通り過ぎてしまったんだろうな。

アラームで不安を伝えてくる息子、抱きしめられたいことを笑顔で伝えてくる娘。

これからも色々なことを教えてほしい。
母はとても嬉しいよ。

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