コシタ、喋れることを思い出す
お会いしたことがある方は知ってると思いますが、ハハシタはよくしゃべる。
なんせ会話をすることが仕事だ。
生まれ育った関西弁をベースに、変に習得した広島弁を標準語のイントネーションにのせて話す。
そんな親だから、コシタにもめちゃくちゃ話しかける。
彼女がなにをしても賞賛の嵐だ。
それだけ声をかけられていたせいか、コシタはお話好きだった。
正確にはまだ言葉は出ないのでクーイング。
ミルク飲む。
おなかいっぱい。
ため息をつく。
ウフウフ笑う。
そのままアーアーフーフーしゃべり続ける。
これが手術前のコシタ。
それが3週間も喉に管を入れられていたせいか、笑わなくなった上に話さなくなっていた。
そして一生懸命話しか続けて、やっと笑うようになったのが先週。
家でずーっと一人でやっていたクーイングのひとりごとはまだ取り戻せず。
今日の面会時、病室廊下を歩いていると響き渡る泣き声。
コシタだ。
ウンギャー!
ミルクだ!ミルクのお時間だ!
競歩で近づく母。
あわわわ。
ん?
ミルクもだが、これは……oh…ウンチョスだ。
泣き叫ぶコシタをなだめながら、ウンチョス撤去作業。
新しいオムツを敷いて、さぁ、テープを閉じ……あ、コシタさん、暴れないでください!あっ!おしっこされましたね!あっ!あなた、オムツから移動されてますね!あっ!看護師さーん!シーツ!コシタがシーツにやりましたー!やりましたー!!
アワアワする大人たち。
右往左往する大人に空腹をちょっと忘れるコシタ。
なんとか新しいオムツを装着し、念願のミルクにありつくコシタ。
5ml増えて、35ml。
うーん、まだ少ない。
ん?しかし、改めてよく見てみると、点滴が1つだけに減ってる。
鼻から薬を入れるチューブも外してある。
あら、コシタさんえらく自由になられて!
そんな観察をしていたらあっという間にミルク終了。
フゥー……アー!アー!
おや、ミルク後はご機嫌。
イェー!イェー!
あら、今日はよく話す。
そして手が包帯でぐるぐる巻きであるがゆえにできなかったハンドリガード(手を見たり、手を吸ったりすること)も思い出したみたい。
手をチュッチュして、アーアー話して楽しそう。
そうそう、いつも楽しそうにしてるとこはあなたのステキなところの1つよね。
笑って話して、泣いてミルク飲んで。
だいぶ術前の感じに戻ってきた。
改めて脳には何も影響がなかった様子で安心。
ただ内臓たちはまだまだ気になるところがあるので、油断せず養生。
あと気になるのは目かな。
見えてはいるみたいだけど眼球がよく揺れるのが何由来か。
早めに眼科行かないとね。
一つ一つだ。
イェー!イェー!