11月2日(土)能楽なぜなに講座
11月2日(土)能楽なぜなに講座へ参加してきました。
若手能楽師のお二人、能楽大鼓方石井流 河村裕一郎(かわむら ゆういちろう)さん、能楽狂言方 井上蒼大(いのうえ そうだい)さんから、わかりやすい能楽の楽しみ方を学び、能楽を観るのが楽しみになりました。
名古屋能楽堂の会議室、大きな会場で開催されました。同日開催されていた新作能「草薙真剣」終了後、にぎわう玄関近くにあります。
今回の企画をされたディレクターの近藤マリコさんからのご紹介からスタート!
名古屋の能楽の若手3人、河村さん、井上さんと、能楽狂言方野村 信朗(のむら のぶろう)さんが注目されていること、近藤さん自身も推しであるとご紹介されました。
能楽師が舞台ではあまり笑う姿をみることができないということで、講義の前に撮影タイムをとっていただきました。貴重な機会に、皆さんも大喜びでした。
お二人の自己紹介では、共通点も紹介されました。
河村さんは工学部卒、井上さんは工学部在学中、お二人とも理系男子でした。パワーポイントのスライド資料が分かりやすく、つくられているのもわかりました。
【能楽って何?】
室町時代からつづく、能楽と狂言の違いをご紹介いただきました。
狂言方の井上さんの演技、泣く、笑い、怒り、会場からは、「かわいい!」の声もあがりました。大笑いの「ワ―、ハ、ハ、ハ、…ハ、ハ、ハ」では、「ハ」の数は、決まりなく息の続く限りとのことでした。
【能を構成する 歌(謡い)、ダンス(舞)、囃子】
の解説では、楽器の紹介が特に気になりました。囃子では、1つの旋律楽器と3つの打楽器の4つでフルオーケストラと表現されました。笛、小鼓、大鼓、太鼓の並び順は、ひなまつりの5人囃子でも同じで、スーパーなどで展示されているひな人形の並び順が間違っていると並び替えたくなるそうです。
また、乾燥が必要な楽器は、舞台の前2時間ぐらい乾燥する必要があるため、楽屋の横に乾燥するための部屋があることに驚きました。掛け声の役割は、指揮者がいないから、それぞれ主張し合いながらあわせるそうです。
【シテ・ワキつて何?】 【能舞台とは?】
写真を交えて、わかりやすくご紹介いただきました。
座学の途中、移動して普段入れない地下稽古室を見学しました。階段を降りると、鏡板のある能舞台がありました。こちらでも、撮影タイムをとっていただきました。先ほどの会議室とは違って、舞台での紋付袴姿のお二人も素敵でした!
最後は、会議室に戻って、質問タイム
【公演の情報って?】
Xや、インスタグラム、ホームページで紹介されているとのことでした。
会場に張られていたQRコードから、井上さんが所属する【狂言共同社】HPの確認もしました。
能楽囃子方ユニット【ナニワノヲト】、若手能楽師3名の【ゆとりのかい】、など、他のエリアで活動されるサイトもご紹介いただきました。
よくある質問では、
【能を観ていると寝てしまう】
【能の見方がわからない】
などを解説していただきました。
なぜ眠くなるのか?寝るのは悪いことではない、舞台から見ていて太鼓の音でたたき起こされる人もいる。楽しくご回答いただきました。
参加者からの質問では、
「やっとかめ文化祭の辻狂言など、小さな舞台で演じるときはどうされるのですか?」
「小鼓の方が、舌をなめるしぐさは?」
などと観慣れた方のご質問や、
「初心者は、どのような演目を選んだらいいのか?」
「客席は、どこの場所を選んだらよいのか?」
など、幅広い質問があり盛り上がりました。
「大鼓は、おおつづみです。よく間違えられますが、おおづつみだと宅急便が来てしまいます。大鼓は手が痛くて、プロテクトをしていますが真っ赤になり指先から出血することもあり、がまんして演奏しています。」
とユーモアを交えて、誠実に回答いただきました。
あっという間の2時間でした。
舞台ではない場所で、若手能楽師のお二人のわかりやすいお話を伺い、
「河村さんの大鼓、掛け声、聴きたい!」
「井上さんのワ―、ハ、ハ、ハ、…ハ、ハ、ハと大笑いしている姿を観たい!」能楽を身近に感じて、お二人の舞台を選んで観に行きたくなりました。
また、今後、名古屋若手能楽師3人ユニットの結成、ご活躍が楽しみです!
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レポート:waka 写真:さな
■レポートしたプログラム
■旅するなごや学
■やっとかめ文化祭
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