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「田舎でのんびり起業」個人事業主で開業?それとも法人設立する?

僕は今八ヶ岳南麓(山梨県北杜市)で暮らしています。「新しい働き方。暮らし方」でハッピーになろう!という企業パーパスのひとり法人を立ち上げてコンサルティングや地方関係人口創出に関することが仕事です。(ヘッダー画像はnoteギャラリーから挿入しました。nancieさんありがとうございます!)

今回は「田舎でのんびり起業」個人事業主で開業?それとも法人設立する?というタイトルでスモールビジネス起業について書いてみます。


田舎でのんびり起業とは?

僕がおすすめしている「田舎でのんびり起業」はお金よりも人生を大切にするライフスタイルです。もちろん生きていくにはお金は大事。だけどお金だけを目的にしたギラギラ起業とはちょっと違う。人生を楽しむための起業です。詳しくはこちらの記事も参照ください。

個人事業主で開業する人が多いと思うけど

皆さんはスモールビジネス起業するときは個人事業主で開業しますか?それとも法人を設立する?多くの人は個人事業主を選ぶと思います。

そこで今回は個人事業主と法人どちらがいいの?というお話です。

個人事業主の開業手続きはとっても簡単!

開業時点では個人事業主が便利だと思います(僕も個人事業主から始めました)。なんといっても手続きが簡単!住民票のある地域を管轄する税務署に2つの書類を提出するだけです。

  • 開業届

  • 青色申告承認申請書

これだけであなたも起業できます。書類もfreeeやマネーフォワードなどの会計ソフトの開業サービスを使えば無料で簡単に作れます。

法人のように定款も不要なのでビジネスの内容に制限もありません。ピボットが多い起業初期はまず個人事業主から始めるのがおすすめです。

個人事業主のメリットと注意点

個人事業主のメリットは開業が簡単なだけではありません。ここで個人事業主のメリットと注意点について紹介しますね。

個人事業主のメリット

  • 開業手続きが簡単

  • 屋号も設定することができる

  • 事業経費を費用に算入できる

  • 事業内容に制限がない(ただし許認可が必要な事業はもちろん許認可取得が必要です)

  • 会社員でも副業で開業できる

開業手続きが簡単、というのは既に説明しました。残りも簡単に紹介していきましょう。

実は個人事業主でも屋号をつけることができます。これは芸名やペンネームのようなものだと考えてください。もちろん「〇〇屋」とか「Bar 〇〇」といった屋号も可能です(〇〇会社とか〇〇銀行といった屋号は付けられません)。フリーランスでも屋号で事業内容を紹介できるのはいいですね。

個人事業主ならば自宅をオフィスにすれば家賃や光熱費の一部を費用に算入することで節税することができます。プライベートで使う比率と按分して、例えば50%を事業費用とみなす、といった感じです。

個人事業主は比較的簡単に事業内容の変更も可能です。法人の場合、主な事業はあらかじめ定款で定める必要がありますが個人事業主にはその縛りはありません。

会社員が副業として開業することもできます。安定した給与があるうちに起業すれば起業初期の売上低迷期でも生活に困ることはありません。

個人事業主の注意点

一方で個人事業主には注意点もあります。

  • (法人と比べて)信用が低い・費用に算入できる範囲が狭い

  • (副業の場合)給与+副業売上が収入になるので税金が高くなることも

  • (専業の場合)年金・健保が国民年金・健保になる

B2B事業の場合、法人でないと取引ができないケースもあり、法人と比べると信用が低いと感じることもあるでしょう。また法人の方が費用算入の自由度が高いので節税しやすくなります。

個人事業主は個人の全収入合計で課税されます。副業の場合は給与に加えて個人事業主売上が収入として追加されます。所得税は一定の収入になると段階的に税率が上がりますので税金が高くなってしまうこともあります。

会社員を辞めて専業になる場合は年金・健保が変わるので注意が必要です。会社員の年金は国民年金に加えて厚生年金や確定拠出金年金があります。個人事業主は国民年金だけになるのでiDECOなどを活用して自衛する必要があります。

家族がいる方は健保の変更にも注意しましょう。会社員は加入する厚生年金基金の健保と違い、国民健保には扶養制度がありません。家族それぞれが健保に加入するため保険料支払いが高額になるケースもあります。

法人のメリット・注意点

法人設立のメリット・注意点も記しておきましょう。

法人設立のメリット

  • 個人事業主より節税オプションが多い

  • 厚生年金・健保に参加できる

個人事業主でもある程度の経費は費用算入できますが法人の方が範囲が広いので節税しやすくなります。

特に起業初期は赤字になりやすいものですが法人では10年赤字の繰越ができますから事業が大きくなってもしばらくは繰越欠損を利用して税金を抑えることもできます(他にも諸々ありますがここでは節税の詳細は割愛します)。

税率も大事なポイントです。個人の所得税は5%〜45%ですから一定以上の売上があると税率がどんどん高くなります。一方で(中小企業優遇を前提に)法人の所得税は15%〜23.2%です。

つまり個人の所得税が15%(または23.2%)を超えるなら法人設立した方が利益を残すことができます。後述しますがひとり法人代表となって法人と個人事業主を組み合わせることで残るキャッシュを最大化するのがポイントです。

ひとり法人であっても厚生年金・健保に参加できるのも大きなメリットです。ひとり法人は協会けんぽに参加するのですが扶養制度も利用できるので家族がいる人にはメリットが大きいでしょう。

法人設立の注意点

いいことづくめに見える法人設立ですが注意点もあります。

  • 設立手続きや決算が煩雑

  • 法人代表は失業保険がもらえない

  • 法人住所は公開される

最近はfreee、マネーフォワードなどの会計ソフトのサービスを利用することで比較的簡単に法人設立できるようになりましたが、それでも煩雑です。

個人事業主は税務署に書類を提出するだけですが法人の場合、税務署に加え、法務局、自治体(都道府県+市町村)、年金事務所などにさまざまな書類を提出する必要があります。まあ一度きりのことですから大変ですけど頑張りましょう。

会社員を辞めていきなり法人を立ち上げる場合、失業保険がもらえない点も注意しましょう。個人事業主は一定以下の収入であれば失業保険ももらえますが法人代表はたとえ収入がゼロでも失業保険はもらえません。

起業初期は売上が低迷するもの。失業保険があるだけでも安心できます。この点でもまずは個人事業主から始めて安定してからの法人設立をおすすめします。

もう一つ注意すべきは法人住所は誰でも参照できることです。自宅で開業しようと思っている人は自宅住所が公開されることに抵抗がある人もいるでしょう。その場合は登記可能なコワーキングスペースやレンタルオフィスを利用すると便利です。

ではいつ法人を設立すべきか?

最初は個人事業主から始めて、事業が安定してから法人設立するのがおすすめ、と説明しました。ではそのタイミングはいつなのでしょう?

事業収益が700万円を超えたら法人設立を考えよう

それは法人の所得税の方が個人の所得税より低くなるタイミングです。ざっくり言うと事業所得が700万円を超える頃でしょう(給与など事業以外の収入有無や社会保険料の金額など条件によって異なるので細かくは税理士に相談してくださいね)。

簡単な仕組みだけ紹介しますね(個別に条件は変わるので)。

個人所得税は課税所得695万円以上で23%になります。一方で法人所得税は原則23.2%です。つまり個人の課税所得が695万円を超えると法人の税率に並ぶんです。

逆にいうと課税所得330万円未満ならば個人所得税率は10%(または5%)なので法人にすると税率が高くなってしまいます。

事業の費用は法人で最大限負担して、自分の役員報酬は純粋な生活費分(695万円未満とか330万円未満)に抑えることで所得税や社会保険料を低く抑えたり。その逆で法人の利益を出さないように役員報酬を増やして個人の収入へ振り分けたり。法人と個人事業主の両方を使い分けることができるのが法人設立の最大のメリットです。

参考情報:田舎でのんびり起業を考えているなら

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田舎、といってもあなたが気に入ったところが一番なので八ヶ岳にこだわる必要はありません。でももし八ヶ岳南麓に興味があるなら八ヶ岳で移住・起業を考えている人向けの交流・体験プログラム「ヤツクル」を運営しています。よかったらこちらのメルマガにも登録してみてください

あと、こちらは僕の会社(ひとり法人ですけど)のホームページです。よかったらこちらも見てみてください。

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