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IT営業で1000万を稼ぐにはIT知識がないとダメなのか?

営業職、それも特にIT業界でとなると、高い報酬を目指される方も多いように思います。

私自身はもともと営業職を目指していませんでした。

というより、毛嫌いしていました。

IT業界に身を置いたのも転職によるものですし、もともとはエンジニアからのキャリアスタートです。

同じようなキャリアの方は感じたこともあると思いますが、エンジニアから営業は確実に嫌われています笑

てきとうなこと言いやがってー



私も多分に漏れず、営業という人たちをあまり好きではありませんでした。

営業から事業部長だった当時の上司とは、当時後輩のPM職にあったメンバーのプロジェクトアサイン方針について、

泣いて抗議をしたことすらあるくらいです。

そんな営業経験ゼロ、知識ゼロ、そもそもなりたくもなかった私が、

全社トップセールスになることができました。

おめでとさんー



エンジニアと営業職の方々との衝突は、相互の前提知識等の差異によるものだと思っています。

特に営業職の方々は、エンジニアの方に比べて、いわゆるIT知識が薄いケースもあると思います。

この知識等の差異が、衝突の大きな要因になっているように感じます。


では、営業職で高い成果を生み出すためには、IT知識は必要なのでしょうか。

私自身の経験、多くの部下を見てきたところからの考えをお話しできたらと思います。


営業職にIT知識は必要か

結露からいくと、私は、必須ではないと考えます。

ただ、自身が知らないことを知っている人を味方につけるか、顧客への提案スキルが非常に高くないと、知らないことは不利になることもありえます。

具体的なシーンを次から見ていきましょう。

IT知識がないと不利になるシーン

顧客担当者がIT知識に自分より詳しい


これは経験が浅いとありがちですが、自分よりもお客様の担当者の方の方が、詳しいというケースです。

これは営業としては、なかなか難しいケースです。

車を買歌時を思い浮かべてください。

事前に自分でも、メーカーや車種、オプションなど細かに検討すると思います。

でも実際試乗や購入のために店舗を訪問した際に相談をした営業の方が、事前にいろいろ調べてきた情報を、自分よりも把握していなかったりしたら、どうでしょう。

その車買いたいと思いますか?

おそらく、その顧客から信頼を得るのはなかなか難しいと思います。

この人から買って大丈夫か。。


ですから、知識の多少はさておいても、その方とコミュニケーションが取れるレベルには、IT知識は押さえておいた方が良いです。

プロジェクトメンバーが話す技術論を適切な温度感で認識できない


IT業界におけるプロジェクトでは、多種多様な技術論が、さまざまな箇所で巻き起こります。

提案段階においても同様で、特にソリューション営業など、無形商材をさらに個別顧客に提案していくこととなると、技術面での検討が欠かせません。

その際、エンジニア等からよく出てくる「技術的にはできる」みたいなコメント等の取り扱いで、大きな差が出たりします。

必殺、技術的にはできる!

この「技術的にはできる」というコメントの裏の意味は、「コストやスケジュールが無制限に投下できるなら」というような意味合いが付いています。

ですから、ポジティブに真に受けるわけにはいきません。

このあたりのトレードオフの関係も、後述する要件定義に関する理解などがあれば、しっかり押さえておくことができる点です。

技術的見地も含めた提案が難しくなる


IT知識を身につけておけると、通常困難な提案内容においても、技術的背景により解決する、という提案手段を持つことができます。

例えば、10万人が使うシステムを作りたい、というときに、自社の実績ベースでは5万人までしか、使えるシステムが作れない、とします。

このようなケースで、IT知識がない場合、「あの人ができないと言っているからできない」というように、思考停止してしまう場合があります。

意味わからんて


こう言ったシーンで、IT知識があれば、例えばインフラ面でスケールアウト(負荷分散)できる手段はないのか、またはスケールアップ(性能向上)できる手段は効果的でないか、もしくはシャーディングなどの技術で、アプリケーション面で負荷性能を向上させることができないか、など、さまざまな提案が検討できるようになります。

実績がない、できると言ってくれる人がいない。。そこで止まってしまうと、成果は生み出せません。

自分で課題を切り開いて提案を生み出す、ということを考えてみても良いかと思います。

IT知識がないことが有利に働くケース

一方、IT知識がないことで、有利に働くケースもあります。

以下で列挙してみます。

  • 技術論に縛られない独創的な提案を生み出す

    背景となる知識があると、自ずと「これは難しい」、「これは実現するのが大変」と、提案範囲に制約を設けてしまったりします。

    他方、知識がないと、そういった制約を考えず、顧客等のニーズを踏まえた率直な斬新な提案を生み出せる可能性があります

  • エンジニア等技術職と良い関係性を築ける可能性がある
    エンジニアの方等と技術論をベースに議論をすると、時として、前向きな検討とならないこともあります。
    背景知識を持たないことで、衝突するような要素を減らすことができ、良い関係性を築くことができる可能性があります

  • 広範なサポートを受け取ることができる可能性がある
    知識が少ないという弱点ともいえる点を、周囲が補おうとしてもらえる可能性があります

ファイトー、いっぱーっつ


とはいえ、有利に働くケースは、IT知識があっても実現可能なこともあるので、私個人は、IT知識は身につけて置いた方がよい、と考えています。

最後に、IT業界の営業職にある方が、成果を出していくために最低限押さえておいた方が良い知識も、ご紹介しておきます。

IT営業が最低限押さえておいた方が良い技術的知識

システム開発プロセス


システム開発がどのようなプロセスで構成されているか、についての知識です。

プロジェクトの進行モデルであるウォーターフォールやアジャイルに関する一般的な理解もあると良いでしょう。

ウォーターフォール

コンピュータシステム


情報システムの構成を理解するための知識です。

クライアントやサーバに関する理解、OS、ミドルウェア、仮想化であったり、各種ソフトウェアやOSI参照モデルに関する理解があると、今後生じるさまざまな議論が何に関するものなのかが、理解しやすくなります。

虹色のネットワーク


要件定義、設計技術


要求を把握し、何を実現するかを決め、具体化するための技術です。

要求をどう分析するか、要件定義の具体的手法、要件に基づく設計技術、などを押さえておくと、自分が決めることが、他のメンバーにとってどう活きてくるのかが、理解できるようになります。

これがかの有名な設計書。。


ここで挙げたものは、いずれもIPAで実施されている基本情報技術者試験程度の知識レベルです。

押さえて理解しておいて、損はしないと思います。

まとめ

営業は営業に徹するというスタンスもあるとは思います。

ただ、IT業界だと多くの人が介在して1つのプロジェクトが構成されて、仕事が進んでいくような構造があります。

この構造の中で成果を出すには、多くの人と良いコミュニケーションを取ることが必要になります。

何層構造。ミルフィーユだったらおいしい?


そのためには、さまざまな人とコミュニケーションを取るための基本的な知識は理解しておいた方が、より成果を生み出しやすくなります。

今後、それぞれの知識をさらに掘り下げて、習得の方法などをお伝えしていこうと思います。

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