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八ヶ岳に行きたい都民の憂鬱その2

 7月12日(今日は日曜日なので少し数字が低くなるかもしれない)東京都の感染発覚者の数字が伸びている。青色のホストクラブなどの濃厚接触者を集中的に検査した結果、無症状の感染者が見つかり、二次感染を抑えこむための積極的なアクションが功を奏しているのはいいのだが、赤色の調査中=把握されていない新たな感染経路由来と思われる患者数も伸びており、こちらはホテル隔離ではなく入院が必要なケースも多く、東京都の医師会でも緊張が高まっているようだ。

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東京都の報道発表データをグラフ化

 小池都知事は、この状況を踏まえ7月6日に他県への移動自粛を呼び掛けたが、西村経済再生相はその発言に対して「国の方針としては県をまたぐ移動は自由にしている」と反発。小池さんと西村大臣との会談が行われ、小池さんの表現が「体調が悪い方は‥」という言い方に変わった。

 調査中・経路不明の感染者が1日100人を超え、神奈川や埼玉や千葉にその余波が広まる中、赤羽国土交通相は、7月10日に「Go Toキャンペーン観光分野」の7月22日開始を発表。その記者会見では「旅行業界などから夏休みが始まるまでにキャンペーンを始めてほしいという強い要望が寄せられ、時期を大幅に前倒しすることにした」と述べている。(参照→こちら

 「感染拡大を防止する」ことと「経済を窒息させない」ことのバランスが問われている。もっと「現状認識」と「対策」と「その進捗」の議論をわかりやく説明してくれないと、都民としては安心して八ヶ岳に行くことができない。

 グラフをみる限り、5月25日に全国的な緊急事態措置が解除され、6月19日には県境を跨ぐ移動が解禁。その2週間後、都内での調査中・経路不明の感染者が増え始め、様子見を過ぎた頃の2週間後あたりから1日100名の大台に乗っている。都外に出たから感染したとは思えないが、移動自粛の解禁がコロナへの緊張感を緩和し過ぎた可能性はいがめない。実際、私が住んでる周りの一般飲食店も次々と営業を再開しているが、作り込まれた固定席を改造してまで「密」を改善しようとするお店は少ないし、職場の飲み会と思われる団体の往来も復活している。

 1日100人の経路不明者の影響をどう考えるかは難しい。感染源となる100人の存在が示唆されるが、調査中とされている経路不明者のその後の調査で感染源がどこまで確認できたかのデータは見つけられなかった。仮にその感染源が先に発症していれば、以前の4日間の発症者と結び付けられる事になり囲い込みが進むのだが、市中感染の拡大を声高に言わないのは、なんらかの見込みがあるのだろうか。

 発症前4日から感染の可能性があると報告されているので、経路不明者は4日間、感染源として市中にいたことになる。ただし、感染しても80%は他者にうつさないとも言われているので、危険なのは20人の4日間、その内の1日を切るとると、その後も継続して1日100人の経路不明者が確認されると仮定した場合、明日から4日後に発症する未確認感染者20人X4 日分が共に潜在している。結果、20人+20人X4日分=100人が感染源として市中に存在する事になる。100人の感染源から100人の発症者。一見安定してそうだけど、30% 〜50% は無症状の可能性があるので、100人の感染源は、1日あたり140人〜200人に感染させ、100人が発症し、残りは無症状のまま検査が届かない限り隔離されない。無症状でも感染させる可能性が指摘されている。
 この状況は「市中感染が広がっている」状況なのではないか。

 7月6日に開催された「新型コロナウイルス感染症対策分科会」で指摘された「感染の可能性のある医療関係者などへの徹底した検査」はどこまで具体化したのだろう。「症状がなく感染している可能性の低い人への検査」にについての議論はどこまで進んだのだろうか。
 「日本の対策の方が成功した」との思い込みからか、最近アメリカに関する報道はトランプがらみのみで、新型コロナウイルスとの攻防に関する現場の報道が減っている気がする。ニューヨーク州では、希望者は何回でも無料で、その日に抗体検査とPCR検査を受けられる体勢ができていると言う。日本がアメリカに学ぶべきことは多い。

 いつになったら、自由に八ヶ岳を訪れることができるのだろうか。

2020年7月12日16:00

おまけ
1月以降の経路不明者のグラフを見つけました。

 星野さんの活路が、以前の「海外に行けなくなった日本人の需要も期待できる」「第1波と第2波の谷間需要をいかに喚起するかだ」から、「県内のマイクロツーリズムの開発」にシフトしているように思える。



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