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本の棚 #114 『スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営』
『スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営』
山井太
先日の「屋久島の旅」のなかで
ふと芽生えた感覚がある。
「子どもたちにも体験させたい」
ぼく自身はかなりの田舎出身だから
海にいったり、川で遊んだり
山にきのこやいちごを採りに行くのは
ある意味「日常」であった。
でも今住んでいる横浜では
そこまで自然と関わることが少ない。
自分が楽しいと思えることだから
子どもたちにも経験させてあげたいという
完全なる押しつけ感…
それでも、そこにはタブレットやスマホにはない
スリルがあり、驚きがあり、感動がある。
それくらいに自然の世界には魅力がある。
現代が失いつつある「人間性」がそこにある。
スノーピークという会社を知ったのは
実は社会人になってからだ。
すでに著者の娘さんが社長を受け継いでおり
NewsPicksの動画をみたことがきっかけで
この本を手にとった。
「人間性の回復」というキーワードは
どういうことだろう、その興味が
今日もぼくを読書に駆り立てる。
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AKB48は「会いに行けるアイドル」がコンセプトだと聞く。その意味ではスノーピークは「会いに行ける会社」であるといえるだろう。
顧客と社員が一緒にキャンプを楽しむ、
そんなイベントが「スノーピークウェイ」だ。
キャンプの焚火を囲んで直接語り合う場。
そこにはメーカーとユーザーのあいだの
壁のようなものは存在しない。
これがファンづくりにつながるし
ユーザーの生の声を聞くことで
常に発見、学びがあるのだろう。
どの社員が働いても営業利益をきちんと上げられる店舗にしていくには、やはり工夫を積み上げ、仕組みにまで仕上げていかなければならない。
ブランドにぶらさがるのではなく
自分たちがブランドをつくっていく、
そんな精神のもと、販売に関しても
受け身ではなく常に行動的である。
現状維持は後退、というように
ロジカルに営業ノウハウを積み重ねて
スピード感をもって横展開させている。
「自然、アウトドア=感性、感覚的」
という勝手な認識は
この会社に対しては誤っている。
感性は鋭く、そして論理的に行動している。
「アクシデントがあって一晩を空港のベンチですごさなければならなくなったとき、この人と一緒にいられるかどうか」
グーグルの採用基準、らしい。
スノーピークでも取り入れているそうで
感覚的であるように見えて、深い。
一緒に働く、ということは
そんな状況に近いのかもしれない。
上の質問に「No」の場合は
いくら優れた能力があっても
どこかでうまくいかないときがやってくる。
しかもそれはチームが苦しいときかもしれない。
自分たちが日常送っている生活パターンが、必ずしも自然のリズムと合っていないことが分かってくる。アウトドアというのは、そういう遊びだと思う。
太陽の動きに合わせて生活をする。
明るくなれば動き出し、
暗くなれば静かに寝床につく。
自分の生活リズムはどうだろうか?
電気の発明により
外は真っ暗でも部屋の中は
白い不自然な明かりに満ちている。
アウトドアという遊びは
「それはちょっと変やで、気をつけや」
と教えてくれる。
私の仕事は簡単に言うと、自然と人をつなぎ、人と人をつなぐことだ。
「人間性の回復」
そこに新しいビジネスのてがかりがある。
インターネットを介して
どこでもつながることができるようになり
世の中の価値観は、変化し続けている。
ビジネスをすすめるうえで
効率を突き詰めていった先に見えるもの、
余白のないスケジュールに見えるもの、
それは一体なんなのだろうか?
ぼくたちが本質的に強く求めているものは
そこにあるのだろうか?
誰かの喜ぶ顔は、そこにあるのだろうか。
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![八次涼太郎/人事/コーチ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/160076416/profile_623502ba445aa4b67f8568d784b113a9.png?width=600&crop=1:1,smart)