本の棚 #214 『限りある時間の使い方』
人生は4000週間だ。
こう言われると「えっ、そんだけ?」となる
でも、そんだけなのだ。
なかなかに短い。
長いか短いかはそれぞれの感覚なので
本当に短いのかどうかはわからないが
今のぼくにとっては短いと感じる。
だからといって、こう過ごすのが正解です
なんて攻略本はないわけで…
いずれにせよぼくたちは
「自分はどう生きるのか」
と考え続けることになるのかもしれない。
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古代ローマの哲学者セネカのことばだ。
誰しもが生きようと考える。
何度も何度も。
そのたびにそれを阻害する何かに打ちひしがれて
もしくはその何かのせいにして
生きることから目を背ける。
そうやって時は流れて
身体が元気なうちならできたことを
老後になって「やっておけばよかった」と嘆く。
人生には「今」しかないのに。
スティーブ・ジョブズがiPhoneを
世の中に提供してくれたあの日から
劇的に便利になっていることは言うまでもない。
だけどこの便利さ、スムーズさというのが
長期的に見たときにどうなのか。
歯ごたえのない水のようなグミと
ゴリゴリのハードグミと
どちらにも需要があるように
日々のコミュニケーションにも
手応えのあるものがあっていいし
そこに人間の光があるように思う。
めんどくさいこと、ややこしいことを
すべて解決して便利にしまくった世界は
ぼくたちが本当に生きる場所なのか。
効率化が進んでいるはずなのに
一向に帰る時間は早くならない。
むしろ効率化すればするほど
たくさんの仕事の依頼が舞い込んでくる。
そんなことはないだろうか。
タスクの海に溺れる前にこの3つを眺めてほしい。
自分の取り分をとっておくというのは
ちょうど貯金の王道のようなもので
先に貯金する金額を差し引いておく、
つまり先に自分の時間を差し引いておく。
そして進行中の仕事は3つくらいまでに
制限してマルチタスクで注意力が低下することを防ぐ。
注意力は「限りある資源」だからだ。
最後にやりたいことのなかで
優先度「中」をすべて捨てる。
やりたいことの「中」の数がみんな多すぎるのだ。
捨てると言っても一生やらないというわけではない。
今は捨てるという選択をしよう。
子どもを見ているといつも思う。
この瞬間は、これで最後だ。
どれだけかわいい一瞬があっても
そのまま固定できるわけではないし
成長したらしたで、また新しい瞬間に出会える。
最後に人生を生きはじめるための
心に突き刺さる質問を。
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