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自分に問う ー そのスキルは今の会社だけで役立つスキルになっていないか?

日本経済新聞の私見卓見というコラムに、
スキルについて語られている記事がありました。
自分の持っているスキルを客観的に分析したとき
「自社(業界)で必要なスキル」なのか
「他社(異業種)で必要なスキル」なのか
それとも「どんな会社(業種)でも必要なスキル」
このバランスはどうなっているかというものだった。

自分の持っているスキルの割合として、「自社(業界)で必要なスキル」「他社(異業種)で必要なスキル」「どんな会社(業種)でも必要なスキル」のバランスはどうなっているだろうか。また、自社の人たちは、どんなバランスの社員が多いだろうか。このバランスをどう捉えるかは重要だ。捉え方によっては、会社や業界全体が閉鎖的な「村社会」に陥っていく可能性がある。

Aさんは自社一筋のベテラン社員で、その会社や業界のことならお手のものだが、一般的なスキルは少し弱い。一方、Bさんは経験者入社の2年目で、社会人としての基礎能力が高くて優秀だが、業界にはまだ染まりきれていない。

もし、経営者だったら、どちらの人物を高く評価するだろうか。

おそらくAさんと考える人が多いのではないか。自社で働いてもらうわけだから、自社に必要なスキルを備えていてほしいと考えるのは当然だ。だが、転職支援のコンサルタントは、市場価値という目線から「どんな会社(業種)でも必要なスキル」を重宝し、Bさんを高く評価する。Aさんを評価する経営者が多いとしたら、Aさんタイプはずっと会社に残り続け、Bさんタイプは定期的に転職を繰り返すことになる。

長くいる社員ほどそのスキルは限定的になり、自社に対する依存度も高まっていく。異業種でも活躍できるような社員は減り、業界全体が閉鎖的で排他的になっていく。いわゆる「業界ルール」のような慣習がはびこる村社会ができあがってしまう。すべてのきっかけは経営者が社員を市場価値ではなく、自社にとっての価値でしか判断しなかったことだ。その結果、自社だけでなく業界全体の力を落とすことにつながっていく。

リスキリング(学び直し)の有識者会議ではキーワードとして「脱・会社依存のススメ」が挙げられている。社員が会社依存を脱する意識はもちろん必要だが、そのためには経営者のベテラン社員依存の意識も変えなければならない。ベテラン社員と異業種からの転職社員をバランスよく評価して、会社全体の新陳代謝を上げていく必要がある。村社会から世界へ。これは日本企業全体に必要な意識改革かもしれない。

「ベテラン社員に依存するな」 
小島雄一郎氏
いまでや 社外取締役
私見卓見
2024年9月18日 日本経済新聞

この文章を読んだとき
過去に会社でこんなシーンがあったことを思い出した。
私がチームメンバーに
「もし他の会社に転職するようなことがあったら、
このXXXというスキルは絶対に役立つし、
会社員として役職がある場合は、ほとんどの方が行っていること。
それを皆さんにもできるようになって欲しいし、
私がどうやってやるかお伝えしたい。」
と語ったことがあった。
その際、実は驚いたことに
「ちびこさん、おっしゃっていることは重々わかります。
でも、そのスキルはわが社で人の上にたって
昇格する際に必要なスキルなのでしょうか?」
かなり昔に言われたことだったが
未だにその時のショックは忘れられない。
もしかしたら、私がリーダーとして信頼されていなかったのかもしれない。
当時、転職組でマイノリティーであった私は、
普通にこういうセリフをチームから聞いた。
私は2つの点でこの言葉に驚いてしまった。

まずは非常に残念なことに、
リーダー候補メンバーが、冷静に
私を含め、当時のマネジメントされる方々のスキルを見て、
判断を下しているところ。
二つ目は、そのスキルを
わが社では必要あるのだろうか?と疑問にさえ思ってしまっているところ。
誰が悪いとか、批判をするつもりはないのだが、
当時のわが社のマネジメント実力が
自社でしか通じないと判断されたのも事実だった。

その後何年もの時間を経て組織も人も成長し、
もがきながらも会社全体、個人の実力はついてきていると思う。
他社からの転職組もかなり増え、
わが社のメンバーは
自分たちが成長するために足りないスキルも目の当たりにしてきた。
マネジメントも人事も、社員研修を重ねてくれて、
将来のリーダーの意識もだいぶ変わってきた。
当時のような意見をあまり耳にすることも少なくなってきた。

しかしながら、
長いこと同じ組織、同じ部署に所属していると
客観的に冷静に、自分たちを見れなくなることも事実。
自分のスキルを棚卸しし、
他社に転職しても通じるスキルを身につけているのかどうか
他業種に転職しても、通じるスキルなのだろうか?
と冷静に自己分析をする。
これは個人個人のキャリア成長と、
リスキリングの機会にもつながるのではないか?
そう感じた日本経済新聞の記事でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これを機に、
ご一緒にスキルの棚卸し、してみませんか?

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