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<第3章:その1>お墓参りはあなたの心を浄化する

私はお墓参り・お墓そうじを皆さんにおすすめする伝道師を自任しています。
友人や知人、あるいは仕事の関係者に限らず、お会いした方には、
「最近、お墓参りに行かれていますか?」
とお聞きすることを習慣にしています。
「最近、行っていないんですよ」
と答えられた方には、
「それはぜひ行った方がいいですよ。たまにお墓そうじもされた方がいいですよ」
と、背中を押してあげます。
なぜ、わざわざそうしたことをするのかといえば、お墓参り・お墓そうじの効用を、一人でも多くの方に実感してもらいたいからです。
お墓参りには、日常的な効果です。ちょっと振り返ってみてください。あなたはお墓参りをした後、どういう気持ちになりますか。
不思議と、すっきりした気持ちになるでしょう。すがすがしい気分にもなるでしょう。つまり、心が洗われた状態になるのです。
お墓参りは先祖の冥福をお祈りする大切な行為ですが、逆にあなた自身の気持ちも浄化される。ここにメリットの一つがあります。
「心に迷いがない状態」といったらわかりやすいでしょう。人間、迷いがなくなれば、判断も誤りません。ビジネスも人間関係も、結局は判断力がものをいいますから、お墓参りは、結果として、あなたの人生のさまざまな場面でよい結果を生む契機になります。また、常にストレスにさらされている現代人にとって、お墓参りによる気持ちのリフレッシュ効果は、大きな意味があると思います。
あくまでも私の個人的なリサーチですが、実際、お仕事が順調な方の多くは、定期的にお墓参りをされているようです。特に経営者の場合、お墓参りを欠かさないとお答えになります。
偶然かなと思っていましたが、さらにお聞きする対象を広げてみると、逆に仕事がうまくいっていない、あるいは、迷いや不安を抱えている人ほど、お墓参りに行かれていないようでした。
もちろん、これだけが理由ではないでしょうが、そこには何らかの関係性があるはずだと私は考えています。だからこそ、習慣化している人と、そうでない人との間には、越えられないほどの明確な差が生じるのでしょう。
事実、囲碁や将棋などの勝負の世界で活躍する棋士の中には、重要な対局の前に必ず先祖の墓にお参りに行く人が少なくないと聞きます。お墓参りをすることで、何らかの自信を得ることができるようです。
最大限努力をつみ重ねた実力者同士が戦うプロの世界では、最終的には技術面よりメンタル面こそが勝敗を分ける要素になるということなのかもしれません。お墓参りは、そのメンタル面の強化にもつながるのです。


前回まで
はじめに
・序章
 母が伝えたかったこと
 母との別れ
 崩れていく家
 止むことのない弟への暴力
 「お母さんに会いたい!」
 自衛隊に入ろう
 父の店が倒産
 無償ではじめたお墓そうじ
 お墓は愛する故人そのもの
・第1章
 墓碑は命の有限を教えてくれる
 死ぬな、生きて帰ってこい
 どこでも戦える自分になれる
 お墓の前で心を浄化する
 祖父との対話で立ち直る
 お墓はいちばんのパワースポット
・第2章
 心の闇が埋まる
 妻から離婚届を突き付けられて
 妻の実家のお墓そうじをする
 ひきこもりの30歳男を預かって
 心からの「ありがとう」の力
 先祖と自分をつなぐ場所
 お墓を建てることは遺族の使命(前編)
 お墓を建てることは遺族の使命(後編)
 お墓のシミが教えてくれたこと
 壊されるお墓
 「もう一度妻に会いたいんです」(上)
 「もう一度妻に会いたいんです」(中)
 「もう一度妻に会いたいんです」(下)

矢田 敏起(やた・としき) 愛知県岡崎市生まれ。高校卒業後、自衛隊に入隊する。配属された特殊部隊第一空挺団で教育課程を首席で卒業後、お墓職人となるため、地元有力石材店で修業をする。1956年に創業された家業の石材店を継ぎ、「人生におけるすべての問題は、お墓で解決できる」ことを見出し、「お墓で人間教育」を提唱する。名古屋の放送局CBCラジオで、平日午前の番組『つボイノリオの聞けば聞くほど』に2012年から出演を続けており、毎週火曜日に「お墓にかようび」というコーナーを持ち、お墓づくりや供養に関する話を発信している。建て売りで永代供養の付く不安の少ないお墓を提供する「はなえみ墓園」を2020年に始め、愛知県内30カ所(2024年末現在)となっている。2022年にお寺の本堂を使った葬儀をサポートする「お寺でおみおくり」を始め、2023年にはお墓じまいなどで役目を終えた墓石の適正な処分や再利用を進める「愛知県石材リサイクルセンター」を稼働させた。

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