YaTaroヤタロ@フラット
筆者の処女作「たとえ記憶をなくしても」や「惑星X」「DROP OUT」など【出会い】や【命の儚さ】をテーマにした短編集
月明かりが差し込む暗い夜に、鉄道を走る列車の音だけが、周囲に響く。 世界は、精神疾患に悩まされ、感情が傾くことにより殺人因子αが引き起こす殺人衝動に悩まされていた。 マサトは、とある任務のため、寝台列車に乗り込む。 何も変化しない一日一駅しか止まらない列車で、一部乗客の感情が傾き、発狂する事件が起こる。 マサトは列車の中で出会った女性ミサと共に事件を解決する。 それぞれの思惑をよそに、列車は淡々と目的地へと進んでいく。
筆者が2020年から約1年間、小説執筆前の助走機関として書き溜めた500字程度のショートショート集。作品に昇華していく前段階の着想が散りばめられている。
2022年に筆者が日々感じていること・考えたことをまとめたコラム。
カクヨムコン2022に向けて描き下ろした短編集「天空の街道」「焼き鳥が歩く」「星空の下で」など計11作品を収録
既に灰と化した残骸を地面から拾い集める。 一緒に焼け焦げた屋根の一部が私の行く手を遮る。 頬から流れた涙は、汗にまみれて私の意識を朦朧とさせる。 燦々と輝く太陽は不憫な姿に目もくれず、 暗い夜を照らす満月は私の心を鎮めることは無かった。
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今朝の血生臭いニュースが頭をよぎる。 都会の喧騒は、胸糞悪いニュースを忘れさせてはくれない。 僕は、車内から窓越しに映る人混みが見えないよう、曇ガラスに変更するようにスイッチを入れた。 指先が震えている。 自分の手の形状が、首元に締め付けられた手形を連想させて、ますます気分が悪くなる。 「おいおい、そんな様子でどうすんだ」 助手席からそう呼びかける声が聞こえる。 その野太い声は、これだから新入りはと言わんばかりに語ってみせる。 「最近、若いヤツと女が自殺する