説得したくなったら、共感を示すチャンス(抵抗をいかす)
いいわけのような反論をされたとき、思わず
だーかーらー!
と、説得の火蓋を切りたくなること、ありますよね。
あなたが専門職なら
それはお勧めできませんね
などと、なんとかクライアントに、思いとどまらせよう、と思うかもしれません。
ギャンブリングをいい加減やめたら、とか、今生活習慣を改めたら健康寿命が延びますよ、等々、説得したいことはいろいろでしょう。
でも、相手が言い訳を述べて抵抗しているその時こそ、相手に寄り添うチャンスがやってきています。なぜなら、抵抗は相手も困っているというサインだからです。
そして、それを判別する手がかりこそ、あなたの説得したい気分なのです。相手のことを思って妥当と思われる助言をしているのに、相手が従わないから、説得したいわけですから。
第一段階として、説得したくなったら「ちょっとまてよ」と立ち止まる癖がついたら、大成功です。
第二段階として、説得とは逆の質問を用意してみましょう。例えば、止めてほしいことを、むしろやっちゃったらどんなメリットがあるの?と聞いてみるなど。
好きなだけギャンブリングできたら、どのように役立ちそうですか
という風に。
他にも
今の生活習慣は、あなたにとってとても重要なんですね
といった、相手の価値観に共感を示す、という方法もあります。
このような質問は、あなたの事情に耳を傾けるよ、と宣言していることになります。つまり、共感を示していることになるのです。
これはクレーム対応でも使えます。とうてい実現できないようなことをクライアントが述べた時、それはいたしかねます、という代わりに、
仮にそれが実現できるとどう変わってきますか
と質問することで、無茶な要求をしたくなる背景に共感を示すこともできます。
こたえとしては、例えばですが
スッキリするかも
といった、ギャンブリングやクレームについてではなくて、気分の問題に役立つと述べる可能性が結構あります。本人なりの解決だったわけですね。そうしたら、
なるほど、スッキリすることで生活を支えたかったんですね
と、さらに寄り添えるチャンスが広がり、関係性を良好に保てる可能性が高まります。
このように、説得したくなったらその気持ちを目印にして、解決はしたいんだな、とポジティブな解釈(ポジティブに解釈する、の項目で解説しています)に切り替えることで、共感を示せます。
ぜひ活用してみてください。
(矢田の丘相談室 田中 剛)
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