ひきこもる本人とうまくやっていく②アイメッセージを使う
もしご家族にひきこもる人がいたら、こんなことを言いたくなること、ありますよね。
あなたまだそんな昔の恨み言をいってるの。もう過ぎたことじゃない。
あなたのことを考えて言っているのよ
「あなた(you)は」でコミュニケーションを始めると、聞く人は責められていると感じやすく、関係性が悪化してしまいます。なぜなのでしょう。
それは、境界線(バウンダリー)を越えているから、です。本人が考えるべきことに、踏み込んでいるのです。
では、なぜ家族は、境界線を越えて、何か言いたくなってしまうのか。それは、心配過ぎるからです。あれこれ気をもんで、でも解決されなくて、もうあんな思いはごめんだから、先回りして言ってしまうのです。
でも、本当は、仕事をするかどうかなど、大人の本人なら、本人が考えて決めるべきことです。心配すぎて、子ども扱いになってしまうんですね。
ここまでわかってくると、対策は、境界線を守ることです。具体的には、コミュニケーションは「私は」で始めましょう。
私は、あなたの人生がうまくいってほしい。だから、本当は専門相談に行った方がよいと思うけど、どう?
ポイントは、私の意見として対等に相手を大人扱いして、相手に判断をゆだねているところです。
ひきこもる状態が長く続くと、正論を持ち出して説得しがちです。これは子ども扱いです。正論ではなく、私があなたを心配だからこう思う、といえばいいわけです。意見ですから、拒否できる余地が残ります。
このように、アイメッセージで話すと、
・対人関係の距離が取れる
・私とあなたの価値観は異なっていていいと認めあえる
など、関係性改善のメリットがあるのです。
(矢田の丘相談室 田中 剛)