前向き別居のススメ(ケースワーク一言メモ)
こんにちは。矢田の丘相談室の田中です。
私は依存症関連の仕事をお引き受けすることが多いのですが
前向きに別居をお勧めすることがあります。
お勧めする対象がご夫婦の場合もありますし、親子の場合もありますが、
今日はご夫婦について、短く書きたいと思います。
例えば、ギャンブル依存で、もともとパチンコはやっていたけれど、ある時期から借金するほどひどくなった、といったケースの場合で、
どこからギャンブルがひどくなったかなぁ?と振り返ったときに、ひどくなった時期に、「結婚」がライフイベントとしてあった、という場合です。
結婚には、高度な心理的能力が求められる
結婚には、多くのことを求められます。
自分以外の人が使うお金を勘定しなければいけませんし、
1人の時間が減り、ある他人と暮らし、対等に話し合ったり調整をしたりする…
かなり高度な心理的能力が必要です。
そういったことが苦手な人が、中にはいます。
そのための不具合の1つとして依存症が現れることがあるのです。
そういうときには
「離婚の前に少し別居の期間を置いてみませんか」
と提案をします。
そうするとギャンブルが減ったり、きれいに収まってしまうことがあるのです。今の環境でいろいろな治療を試してみて、うまくいかない場合には試してみる価値があると思います。
もし別々に暮らすことで、夫婦関係も修復できて、ギャンブルも収まるのであれば、
ご夫婦の経済さえ許すなら、そのまま別居して暮らしていく、と言う選択肢もありだと思います。無理な同居で何百万円、何千万円失うよりも、ベターかもしれません。
もちろん、もう2人でやっていくつもりがないのなら話は別ですし、
生育史情報など、その人のいろいろな背景情報をもとに
総合的なアセスメントが必要ですから、心当たりがおありの場合には、
当相談室を含め、専門家に相談してみてみることをご検討下さい。
(矢田の丘相談室、田中剛)