シルク・ドゥ・ソレイユ、公演中止で破産申請検討か【感染症による倒産回避について】
ロイター通信は26日、世界的な人気を誇るカナダのサーカス劇団「シルク・ドゥ・ソレイユ」について、新型コロナウイルス感染拡大による公演中止で財務状況が逼迫しており、破産申請する選択肢も含めて再建策を検討していると伝えた。
米ネバダ州ラスベガスをはじめとして各地の公演が軒並み中止となり、同劇団はダンサーを含めスタッフの95%に当たる約4700人を一時解雇すると19日に発表していた。
スマート法律相談です。
世界的なサーカス劇団「シルク・ドゥ・ソレイユ」について、破産申請の可能性があるというニュースです。
メインの収益が興行収入であるイベント系事業(音楽、演劇、スポーツなど)は、外出制限の影響をもろに受けてしまうことになります。
何か月も前から人や場所を確保するための準備をしており、キャンセルしようにも違約金の問題が発生します。収入がなくなる上に固定費負担のダブルパンチで、黒字倒産の危険性が最も高いと言えます。
シルク・ドゥ・ソレイユのように高い収益性とブランド力があっても、キャッシュがショートしてしまえば事業継続は不可能です。
2020年3月28日の首相会見では、イベント系事業の自粛に対する損失補填は今後も難しい旨の発言がありました。基本は融資によるサポートです。
感染症による倒産回避について
特にイベント系の業態については今後難しい対応が求められることになると予想されます。
まず、事態の収束には予想以上に時間がかかる可能性があります。
新型コロナウィルスはSARSのように数か月で収束する可能性もありますが、封じ込めがうまくいっていない現状を見るに、ワクチン等が開発されないと収束は困難である可能性が高いです
今後イベント開催が難しくなることが予測されるので、対策としては資金の流失をできるだけ食い止める策を早急に取る必要が生じるでしょう。
また、これまで蓄積してきたコンテンツを配信するなど、イベント開催以外の手法で収益をあげるような転換が必要です。
収入に影響がない方も数多くいるので、お金を使う需要もそれなりに残るはずです。特に休業補償については今後施策が打たれる公算が高いですから、混乱が落ち着いたときにお金を使う需要が回復してきたときがチャンスになるのではないでしょうか。
事業継続するかどうかは難しい面もありますが、法的に取りうる手段について一度弁護士に相談することをお勧めします。
破産した場合、すべての資産を失うのか
法人破産と個人破産で異なりますが、個人であれば自由財産の範囲で資産を保有することが可能です。現金であれば99万円までですが、拡張の申し立てが認められる場合もあります。
破産を選択する場合も回避する場合も、相談が早いに越したことはありません。
新型コロナ関連の法律情報の集約をしてまいります
今後、新型コロナウィルス関連の法律情報については、このnote、LINEのスマート法律相談で継続して配信していく予定です。
一次ソースが分かりにくい情報についても分かりやすく説明いたします。
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1 相談事例をもとにチャットボット情報をアップデート
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3 個別質問の受付(弁護士が質問に対して回答します)
また、今後問題が長期化した場合に備えて、事業再生・破産の対応が可能な法律事務所や、Zoomなどの電話会議ツールで法律相談ができる法律事務所のリストアップをしていく予定です(準備中)。
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文責:勝部 泰之(弁護士)
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