ヤスユキ

愛知県在住。脚本や小説を書いています。NOTEでは主にエッセイを投稿していきたいと思っています。 メールは☞ yasuyukinote@gmail.com までどうぞ

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  • エッセイ日和

    エッセイをまとめています。初めての方は是非どうぞ!カフェのお供や暇つぶしに楽しんでいただけたら嬉しいです♪

最近の記事

【エッセイ】駆け込みますとも

聞いただけで、苦い思い出がよみがえる名前がある。 ジェットスターがそれだ。ストで9便が欠航になったニュースを見て、利用者に同情しつつ私は5年前の出来事を思い出した。 「O氏がいる間に宮古島に行かない?」 友人に誘われ私は二泊三日で宮古島に行くことになった。O氏は世界的ロボットアニメのプロデューサーで、多忙を極める日々を過ごしていたが、ある時人生に飽きてしまったらしい。 まだ五十代だというのにスパッと業界を引退し、第二の人生を宮古島に求めた。そこで悠々自適の生活でも送ると思

    • 【エッセイ】残るものは残る

      いつからか、紫陽花の時期に修善寺に行くようになった。 noteでも書いているが春と秋は長野、どちらも駅からは遠く離れた温泉宿を常宿にしている。 ちなみに毎月三浦半島の温泉にも行っている。(こう書くと温泉ばかり行っているようですが仕事もしています…) 居職のありがたいことはパソコンを持っていけばどこでも仕事が出来ることだろう。 とりわけ平日に動けるのはありがたい。普段なら並ぶような店にすっと入れたりするし、宿も休みの時よりは人が少なくて静かだ。今回は三島で途中下車してうなぎを食

      • 【エッセイ】拝啓、父上さま

        今、テレビがないというのはむしろ新しい風潮なのかもしれない。実際、知人の何人かは持っていない。ニュースもドラマも、おおよそのことはスマホで足りてしまうらしい。 けれど20年以上前、こと中学生だった私にとって、テレビが見られないことは一つの事件だった。 なぜか突然、父が家にいた時期があった。 いや、それまでもいたのだけれど。 物心のついた頃から判を押したように、同じ時間に家を出て、帰ってくる父だった。 満員電車が嫌だからと、朝は始発で会社へ行く。早すぎるから、名駅地下街の喫茶

        • 【エッセイ】「湯が湧いてこないんだけど」はじめての一人暮らし

          この間、長野の温泉に行ってきた。 毎年春と秋に訪れている、ごじんまりとした温泉宿だ。かなりバタバタしていたので、準備もそこそこに家を出た。 前の週、ライター仲間が初の小説を上梓した。近所の大型書店はどこも平積みしていたので、出版社も力を入れているのだろう。(noteでも紹介したが実際素晴らしい小説だ) 献本先をいくつか紹介したので、そのやり取りを直前までしていたら、うっかり着替えを入れ忘れてしまった。 宿ではいつもどおり本を読んでのんびりすごした。温泉につかって外を眺めて

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        • エッセイ日和
          14本

        記事

          【エッセイ】人に愛される才能を持った君だから

          このところリサーチに余念がない。 甥っ子2号が就職することになり、お祝いの品を探しているからだ。 今日も行きつけの美容院で聞いてみた。アシスタントの男の子は20歳で2号と歳も近い。 「うーん、スケボーがほしいっすね」 「ごめん、スケボー以外で」 スケボーを馬鹿にしてるわけじゃない。むしろめちゃくちゃカッコいいと思う。ただ甥っ子2号はとんでもなくどんくさい。小学校の運動会で大車輪のように転んだのを私は今も覚えている。 何をするのも遅かった。走れば転ぶ。ゲームをすれば負ける、も

          【エッセイ】人に愛される才能を持った君だから

          【エッセイ】奇跡のタネ〜本のご案内

          私にはかねてから世に出て欲しいと思っている作品がある。いや出てはいるのだけれど、近所の書店で普通に買えるようにならないかな、と。 ↑こちら。つる・るるるさんのエッセイ集。つるさんのエッセイは、オンライン飲み会で知り合った皐月まうさんの投稿から知った。特に「駆逐されたり恋バナしたり」を読んでからは、心の中で師匠と呼んでいる。このエッセイ集が欲しくてたまらないのだが、文学フリマでご本人から直接買いたいのでずっと我慢している。 もう一冊はこちら。とき子さんの『なけなしのたね』。

          【エッセイ】奇跡のタネ〜本のご案内

          【エッセイ】チャンバラを真剣にやる部活です。

          月に一度ほど三浦半島の温泉に行く。横浜から京王線で一本、終点の三崎口まで一時間はあるので、本を読んだりぼんやりして過ごす。 今回は吉本ばななさんの”「違うこと」をしないこと”をお供にした。 違うことをしない―そこにたどり着くまで吉本さんも大変だったんだなぁとしみじみ。デビュー当時のエピソードなど興味深く読んだ。 ただどうしても看過できない箇所があったので、一部抜粋させていただく。 ”大学時代、私は、しがらみとしか言えないヘンな流れにのっかって、茶道部に入っていました。

          【エッセイ】チャンバラを真剣にやる部活です。

          【エッセイ】受験のキオク

          。 ま・る。原稿用紙の最後の一マス。書き入れると同時にベルが鳴った。瞬間、ぶわぁっと肩で息をした。どうやら途中から呼吸を止めていたらしい。 やった……なんとか書き上げた……! 大学入試のため大阪に来ていた。私は学科試験の他に小論文のテストがあったのだけれど、どちらかといえば心配していたのは学科の方。正直ここまで小論文に手こずるとは思っていなかった。 お題が何だったのかは覚えていない。ただ時間ギリギリに書き終えたこと、鉛筆を置いた手のひらが汗で濡れていたことは確かだ。

          【エッセイ】受験のキオク

          【エッセイ】夜に引越しなんてするもんじゃない

          夜逃げをしたことがある。 いや、させられたと言うべきか。今から20年以上前のことだ。 勤め先から帰ると荷物がすべてまとめられていた。重ねられた段ボールの前に同居人のKと、その彼氏、そのまた彼氏の仲間が立っている。 「荷物はまとめておきました。今から一緒に逃げてください」 何かの間違いだと思った。その日の朝、私はいつも通り時間ギリギリに起き、慌ただしく部屋を出たきりだったのだから。 しかし申し訳なさそうなKの顔を見て察した。ほら言わんこっちゃない、と歯噛みする。やはり

          【エッセイ】夜に引越しなんてするもんじゃない

          【エッセイ】金継ぎに思うコト

          ここ数年、年始にやっている事がある。  金継ぎだ。 悲しいかな私の拙い手元によって、壊れてしまう器があとをたたない。そうした器を、年に一度まとめて修復する。 え、そんなに割る?と思われるかもしれないが、私は割る。出来るなら割りたくないが、ひとえにそそっかしいのだろう。 ちなみに往年の大女優•高嶺秀子さんは、皿を割ったことがないらしい。 信じられない。多くの人は少なくとも年に一度は割ってしまうのではないか。実際、私が通う金継ぎ工房にはいつも4〜6人、多い時は10名ほど

          【エッセイ】金継ぎに思うコト

          【エッセイ】きっと、大丈夫。

          青天の霹靂だった。会社が倒産したと知らされた時は。 全国に支店を持つ英会話学校に、営業職で新卒採用されまだ二年だった。 どうやら大株主だったアラブの石油王が「もうワタシおカネ出さない」と言ったらしい。この石油王、以前来社した際は常に命を狙われてるからと、到着の時間も場所も直前まで知らされなかった。まるで007のようだと私は興奮したが、対応にあたった人たちはさぞ大変だったと思う。 さて突然仕事がなくなり、慌てたのは私よりむしろ母だった。 聞くと私の会社が倒産する前日に父が

          【エッセイ】きっと、大丈夫。

          NOTEイベント『物語のつくりかた』に参加してきました。

          先日、ドラマプロデューサー・たちばなやすひとさんに学ぶ「物語のつくりかた〜人を感動させる構成とテーマ」に参加してきました。 たちばなさんはNetflix『全裸監督』のプロデュースや、情熱大陸のドキュメント製作を手かげた著名な方。 私自身『全裸監督』を観た時の衝撃は忘れられません。どれだけ心を動かされたか、製作に関わった全ての方にこの場を借り御礼を申し上げたいくらいです。今回はたまたまNOTEの告知でたちばなさんが登壇される事を知り、これは行くしかない!と早速申し込みました

          NOTEイベント『物語のつくりかた』に参加してきました。

          【エッセイ】”その日”から読む本

          師走が近づき、俄かに忙しくなった。  去年一昨年と控えていた忘年会も、今年ならと旧知の友人と連絡を取りあう日が続いている。  二年以上会えていない友もいて、家族が増えた人もいれば失った人もいる。会うのが待ち遠しいが、積もり積もった話に一晩で終わる気がしない。  遊びもいいけれど、やならなければならない事もある。私にとっては大掃除や、未回収の原稿料の催促などがそれに当たる。  人によっては、この時期ならではの慣いもあるだろう。  私の母は、毎年年末ジャンボ宝くじを買っ

          【エッセイ】”その日”から読む本

          【エッセイ】どうしても気になるコト

          フランスでペット販売が禁止になった。 素晴らしいと思う。日本もそうなればいいのに。 私も実家に愛猫が二匹いる。今年十三才になるトラ猫のナッツ君は、とにかくよく喋る。 かたや、お姉さんニャンコのココはまったく鳴かない。扉を開けてほしければ爪で掻く。何かしてほしいことがあれば世にも美しいブルーの瞳で訴える。だからたまに鳴くと、何事かと皆で駆けつける。 同じ猫でも随分違うと思っていたら、ある時気になる記事を見つけた。それは犬や猫の販売を、生後四十五日から五六日以降に法改正す

          【エッセイ】どうしても気になるコト

          【エッセイ】湯けむり一人旅

          カラッとした秋晴れが続いている。 気温も程よくて、家にいるのがもったいないくらいだ。コロナも落ち着いてきたし、久々に旅に行きたくなった。 早速、馴染みの宿に電話を入れた。長野の山奥にある、夫婦で営むこじんまりとした旅館だ。繁忙期でも一組、二組しか客を入れないので、いつ行っても静かでのんびりできる。 きっかけは湯治を兼ねた、一ヶ月の長逗留だった。 女将さんが最終日に、車で近所の名所を回ってくれた。野沢温泉で美味しくて有名だと言うピザを食べ、飯山の高橋まゆみ人形館に行った

          【エッセイ】湯けむり一人旅

          超NOTE初心者がオンライン飲み会に参加してみた✴︎

          初めまして。ヤスユキです。NOTE始めて1週間の新参者ですが、今回静霧一さんのオンライン飲み会に参加させていただきました。 きっかけはこちら⇩ NOTEを始めたばかりで、不安を抱える私の背中を”大丈夫!仲間がいる!!”と、押してもらえる記事でした。 ここで飲み会のことを知り「興味のある方はDMくれると嬉しい」の言葉に迷わずメールを送りました。 開催は11月13日 21:00ー 霧一さんは快諾して下さり、今回参加の方々からも続々とアカウントが送られてきました。 しか

          超NOTE初心者がオンライン飲み会に参加してみた✴︎