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#001 東京への単身赴任

ちょうど一年前の8月、私は転勤になり、東京で単身赴任生活をすることになりました。7月上旬に転勤の辞令、8月15日に東京の部署に配属される予定、めちゃくちゃ憂鬱でした。急な転勤は自業自得(原因は人間関係のトラブル)とはいえ、妻や小学校1年生の娘、まだ生まれて8か月の息子と別れて東京で一人で暮らすなんて、全く想像していませんでした。考えるだけで、胃袋をギュッとつかまれて、息が苦しくなるような感覚がありました。

転勤を1週間後に控えた2022年8月8日、朝から40度近い高熱と今まで味わったことのないような体のダルさを感じ、近くの病院で検査を受けるとコロナ陽性。不謹慎だけど、素直にめちゃくちゃ嬉しかったです。これで少なくとも10日間は外出や移動ができなくなったわけで、転勤もわずかな期間だけど延期になったし、何より濃厚接触者の家族と10日間はずっと新築の家で過ごせます。ちなみに8月8日は私の44歳の誕生日、コロナウイルスがまさにプレゼントに感じました。

3日くらいで症状は軽快し、残りの7日間は家族との時間をじっくり味わうことができました。この間も、単身赴任を命じられたことや仕事のこと、これからの家族のことについて、色々と悩んで、憤って、妻ともたくさん話をしました。それで出した結論は「とりあえず2年間はやってみよう」でした。すぐに今の会社を退職して、転職することだってできるし、もし転職するなら早い方がいいにこしたことはありません。でも、都内で一人暮らし(家賃は会社の全額補助)ができるチャンスなんて滅多にないし、それに九州から東京に呼ばれるなんて普通だったら栄転だし、東京には九州では得られないものが絶対にあると思って単身赴任する覚悟を決めました。

ここまで当時を振り返ってみると、自分が相手にしたことの反省もせず、ただただ自分のことしか考えていなくて、会社を逆恨みしている最低なヤツだと思います。そもそも私は総合職なので、転勤は前提条件なんです。でも当時の私がめちゃくちゃ悩んで決めた期限は2年間で、この8月で単身赴任生活も残すところあと1年になったわけです。ここまでの1年間で、仕事のやり方を変えたり、色んな学びをやったり、自分で勉強をしたりしたけど、まだ自分で納得のいく成果は出せていません。いやいやそれどころか、まだ自分がどうなりたいのかさえはっきり分かりません。そんな現在地から残り1年で、東京に来たからこその価値を得られるかは分からないけど、やっぱり今でも、来年の今頃には、笑顔で家族の待つ九州に帰りたいと思っています。



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