「子育て支援拠点」をつくる

前回の投稿に引き続き、「子育て支援員」の研修を受けに行ってきました。
今回の科目は「地域子育て支援コース」。
地域での子育て支援拠点づくりについて学んできました。

まずは拠点施設とはどういう法律に基づいて、どういう要件があるかという制度面の解説から。

「子育て支援拠点施設」と聞いてイメージするのは、地域の子育て支援センター。私の住む奥出雲町にも、仁多・横田に各1か所子育て支援センターが開設されています。普通の日にセンターに来所して遊ぶことも出来るし、月に何回か、ベビーマッサージなどのイベントが開催されます。各地区を巡回して「子育てひろば」も開かれていて、幼児園入園前の親子が来て交流しています。

さて、子育て支援拠点施設とは、児童福祉法第6条の3 第6項に定められた事業で、「子育ての不安等を緩和し、子どもの健やかな育ちを支援すること」を目的に、「乳幼児・保護者が相互交流を行う場所」として開設されます。そこでは、①子育て親子の交流の場の提供と交流の促進、②子育て相談・援助の実施、③地域子育て関連情報の提供、④講習の実施を基本として事業が展開されます。

これを踏まえて奥出雲町の子育て支援センターをみると、「乳幼児・保護者が相互交流を行う場所」であり、①~④の事業が展開されているということがわかります。

加えて制度では、①地域子育て支援活動展開への取組み(一時預かり事業や放課後児童クラブ等の活動を一体的に実施し、ネットワーク化・きめ細かな支援を実施する)、②出張ひろばを開催する、③地域支援への取組み(多様な世代との連携、地域団体との連携、地域ボランティアの育成等地域の子育て資源の発掘・育成、家庭への訪問支援などの取組み)を行う場合にそれぞれ加算が行われます。
奥出雲では、どれをどういう風にやっているのかな?制度を知ると、町の取組みが気になってきますね。

さてそれと、前回の講座でも学んだことですが、「子育て支援員」が支援する対象は子どもだけではありません。保護者の支援も重要です。保護者への悩みを聞き、相談に乗り、情報を提供し、関連機関につなぐということも大事な役割です。拠点施設を運営する中で、保護者の方々の色んな悩みにも触れることになるでしょう。その時にどういうふうに関わったらよいのか?
講座では、こんな事例を取り上げて、受講者同士で討議しました。

事例(概要):「3歳5か月の男児と4か月の女児の母親。男児は普段から落ち着きがなく、他の子どもとのトラブルがある。母親は下の子の世話をしていて男児の様子を見ていないことがあり、他の利用者が困っている。スタッフが声掛けすると、男児が幼稚園入園を断れられたこと等を話し出した」

まず出たのが、発達障害支援センターとつなぐ、発達に凹凸のある子を受け入れる園を探す、という意見でした。しかし、支援センター勤務の方から、支援員が直接、入園先を探すということはしないという意見が出て、まずは母親に聞き取りして幼稚園に入園できなかった理由を確認、公立の園なら自治体へ確認、保健師とも相談・・・などの意見が出てきました。
さらに他の班の発表では、「下の子が生まれたことによる赤ちゃん返りの可能性があるので、下の子を預かって母親と上の子の触れ合う時間を作る」という意見もでました。
下の子が生まれると、上の子が寂しい思いをするので、できるだけ上の子を大事にして、上の子との時間を作る、これは私も2人目育児を始めて心がけていたことですが、いざ事例の検討となるとその視点を忘れていました。
少ない情報から発達障害ではと短絡的に考えず、多面的に見て、様々な機関とやりとりしながら、保護者に選択肢を提供していく、これが大事なんですね。

次は、放課後児童の事業について学んできます!

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