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松屋のオリジナルカレーを偲ぶ会 〜思い出が企業資産になるという考え方〜

思い返せば15年ほど経つだろうか。
初めて松屋を訪れたのは確か高校三年生の受験のための予備校帰り。お腹を空かせた高校生のお腹を満たすのに松屋には大変お世話になった。

先日松屋より、ある発表があった。オリジナルカレーがメニューからなくなるというものだ。

https://www.matsuyafoods.co.jp/2019/11/28/5361/

発表の仕方が良くなかったようで、色々と問題になっているようだ。が、まぁ、それはどうでもよい。

松屋とオリジナルカレーの思い出

高校で、福井から千葉に出てきた私は松屋というお店も知らず、南柏駅駅前にある遅くまでやっているお店という事で初めて利用した。

牛めし屋と思って入ったがカレーもあり、おっ牛めし以外にもカレーがあるのかと田舎から出てきた者としては驚きだった。

その後、大学生で一人暮らしを始めてからも、町田の松屋には大変お世話になった。牛めしも好きだったのだが、カレーも美味しく、当時は牛めし:カレー=7:3くらいの割合で食べていただろうか。

大学生の途中から社会人2年目にかけては西国分寺に住んでいたが、近くに松屋はなく、退勤途中の国分寺駅で途中下車し、松屋に寄って帰っていたこともしばしばあった。
その後、国立駅の近くに引っ越し、国立駅前の松屋にもお世話になった。

7:3の割合が変わったのが、プレミアム牛めしへのメニュー変更のタイミング。牛めしの価格が上がり、社会人若手には少し高いと感じられた。
カレーは値段も据え置き、美味しさもあって、牛めしとカレーの食べる割合は逆転した。

オリジナルカレーからカレギュウへ

松屋では主にオリジナルカレーを食べていたが、ある日仕事帰りに立ち寄った松屋で、カレーも牛めしも食べたいなと思っていた時、ふとカレギュウというメニューが目に入った。社会人、6年目くらいだろうか。
これまでも、メニューの存在は知っていたものの、値段の高さ(確かオリジナルカレーの1.5倍程度?)やメニューとしての中途半端感(カレーとして食べていいのか、牛めしとして食べていいのか)もあり、これまで手を出して来なかった。
その時は、社会人もそれなりに年数が経ち、一食600円程度の出費であれば許容範囲だったし、冒険心もあり注文してみた。食べたらめちゃくちゃうまかった。

その後も基本、松屋で食べる時は、カレギュウ一択。カレーも牛めしもどっちも楽しめた。
試行錯誤を加え、最終的に行き着いたのが、このスタイル。

カレーにはフレンチドレシッシング。まるでホワイトソースを掛けたような見た目。程よいコクと酸味が加わり何とも言えない美味しさに仕上がる。
あとは、ご飯が隠れるくらいの紅ショウガ。こちらも、シャキシャキの食感とショウガのピリッとする舌触りが、絶妙にマッチする。

写真は先日、オリジナルカレーがなくなると分かってから食べ納めしてきたもの。
変わらぬ美味しさがあった。

思い出が企業資産になる時代

ここまで私が書いてきたことは自分の思い出だ。過去を懐かしみ、これまで親しんできたものがなくなる寂しさを感じている。

ここからは少し視点を変えて、これからの時代、思い出が大きな資産となるのではないか?その価値にもっと組織や企業は目を向けるべきではないか?という視点で考えてみたい。

先日、Twitterが休眠アカウントの削除方針を出したところ、多くのクレームがあり、削除方針を撤回した。記事はこちら。

https://japanese.engadget.com/2019/11/27/twitter/

理由は、故人のアカウントへの配慮ということのようだ。
故人とは過去を生きていた人。その故人のアカウント削除への意を唱えるのは、現在生きている遺族や友人だろうか。
その意見を受けて、Twitterが方針を変更して、アカウント削除は撤回したというのが今回の状況だ。

ユーザーの意見を取り入れて、企業が方針を変更することは、もちろんよくあることだと思う。ただ、ここで注目したいのは、その原動力が、故人だという点だ。
故人が過去にTwitterに投稿したものに、現代生きている私たちが価値を認め、その価値の重要性を企業も認めたということだ。コンテンツそのものの価値という点もあると思うが、おそらく多くが投稿を通じて感じられる故人との思い出や、懐かしさというものが、何かを動かしたという事だと思う。

技術が目まぐるしく発展し、私たちの生活は日進月歩で変わっていく。そんな変化の早い時代において、変わらぬ過去、思い出や懐かしさは何かを動かす力と大きな価値を秘めているのではないだろうかと感じられる。

松屋のオリジナルカレーに哀悼の意を捧げる

一方で、過去や懐かしさに負けてはいけないというのも思うところではある。変えられるもの、変えられないもの、変えるべきもの、変えてはいけないもの、を見定める必要がある。

それでも、やっぱり思い出や懐かしさには人を動かすパワーがあるし、松屋のオリジナルカレーがこれまで築いてきた顧客との思い出資産は計り知れないものがあるだろう。

今回のメニュー変更に伴い、オリジナルカレーの存在は過去のものになる。これまで築いてきた思い出資産を最大限に活かしながら松屋ホールディングスには、良い経営をしていってもらいたいと思う。

最後に、オリジナルカレーのメニュー廃止に哀悼の意を献げる。本当にありがとうございました。

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