デザインに応用できる!心理学を活用した5つのライティング手法
こんにちは。福岡のデザインファーム株式会社gazの吉岡ヤスです。
今回は主にデザインにも応用できる、心理学を活用したライティングについてご紹介したいと思います。
私は3年ほど、ECの領域でデザインをしていた経験から、購買などのCVRへ誘導するためのライティング手法について学習、実践を行ってきました。
それらの経験はECに限らずあらゆるデザインシーンで活用できるのではないかと考え、それらの知見をシェアすることにしました!
極力シンプルに図やイラストを用いてご紹介していきますので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
①自分のことだと感じさせる「バーナム効果」
はじめにご紹介するのはバーナム効果です。
ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、バーナム効果は誰にでも当てはまることをまるで自分だけがピッタリと当てはまっていると錯覚してしまう心理効果のことです。
日常的には占いの本などでよく見かけます。
例えば、「あなたは比較的他人から信頼されるタイプですが、自分の苦手な相手にはそっけない態度を取ってしまいがちです。」というような文章を読むと一見当てはまっている気がします。しかし、冷静になってよく考えると、ある程度誰にでも当てはまっている事象です。
このような効果をバーナム効果と呼びます。
デザインに活用できるシーンとしては、決め手となる訴求力がほしいシーンなどでしょうか。
※スポーツジムのバナーを想定してサンプルを作ってみました
②特徴を最初に印象づける「アンカリング効果」
さて、2つ目の手法はアンカリング効果です。
アンカリング効果とは、はじめに見た数値や特徴に引っ張られ、結果が左右されてしまう効果です。
日常よくあるアンカリング効果の事例は「¥9800→¥5000」のような料金の書き換えはよくあります。ただ単に「¥5000」と書かれているよりも安く感じてしまいますよね。
他にも以下のような事例もアンカリング効果を活用した事例です。
①「グッドデザイン賞を受賞したデザイナーが制作したポスターです。」
②「デザイナーが作ったポスターです。」
①のほうがポスターを良さそうなデザインかもしれないと思ってしまう方も少なくないはずです。このような効果をアンカリング効果と呼びます。
だいぶベタですが、アンカリング効果を用いたデザインも簡単に作成してみました。雑ですみません...
③人の想像力を活用する「シャルパンティエ効果」
3つ目はシャルパンティエ効果。
シャルパンティエ効果は前提知識に引っ張られて物事を認識してしまう効果のことです。
簡単にご説明すると、
①10kgの岩
②10kgの落ち葉
上記の2択があったときに重そうだと直感的に感じるのは①の「10kgの岩」ではないですか?
このようにすでに「重い」などの前提知識があるモノに対しては無意識に「重そう」と認識してしまいます。
これに関しては僕が良く日常でやっているライフハック的なものを例として載せておきます。
デザインに活用するときは、ユーザーが既に持っているであろう前提知識に訴えかけることを意識してみてください。
【その他のシャルパンティエ効果を用いた表現例】
・東京ドーム○個分
・○日分の野菜
④必要な情報だけを抽出する「カクテルパーティー効果」
4つ目はカクテルパーティ効果です。
雑音や騒音の中でも、興味関心のある物事や必要な情報がはっきりと認識できる効果をカクテルパーティ効果といいます。
カクテルパーティ効果の最も重要な点は相手に意識してもらうことです。
そのためには極力相手がイメージし、意識できるように具体化する事が重要です。
具体化を意識したデザインに活用する際のポイントを作成しました↓
単に「お困りのあなた」と書くよりも
①「福岡にお住まいでお困りのあなた」
②「お困りのビジネスマンの方」
③「寝る前にお困りのあなた」
このように具体化したほうが多くの情報が表示されているWEBサイトやパンフレットの中でカクテルパーティ効果を引き出すことが可能になります。
⑤言い換えで効果を発揮させる「フレーミング効果」
最後はフレーミング効果です。
フレーミング効果とは、結果的には同じ状態になる選択であっても、その表現方法が違うだけで異なる方を選択をしてしまう効果のことを言います。
臓器を提供したいという人(ドナー)の質問を例にあげます。
以下スライド(Designship 2018の長谷川 敦士氏による資料)の16ページが非常に面白い事例なのですが、質問を変えるだけで圧倒的に臓器を提供する割合が増えるという事例です。
①臓器を提供する方はチェックをしてください。
②臓器を提供しない方はチェックを付けてください。
上記のように初期値(デフォルト)を「NO」にするか「YES」にするかで結果が大きく異なります。
理由としては人は明確な意思がない場合、コストのかからない方を選ぶ性質があるからです。(ここで言うコストはチェックをつけるという行動)
フレーミング効果に関しては基本的には言い換えです。
以下のような例でコストの強調と軽減を意識するとうまく使いこなせると思います。
最後に
5つのライティング手法を紹介してきましたが、どれもやたらめったら利用すればよいというわけではありません。
常にユーザーのことを考えて「欺く」のではなく「ストレスを軽減する」「選択を手助けする」という感覚で心理学を活用するのがオススメです。
ライティングに限った話ではありませんが、常に優しさを忘れずにデザインしていきたいですね。
以上で「デザインに応用できる!心理学を活用した5つのライティング手法」は、おしまいです。
気に入ってくださった方や少しでも参考になったという方はTwitterにてシェア、"スキ"してくださると大変嬉しいです。次回note執筆の活力にします!
Twitterのフォローやコメントも大歓迎です。主にデザイン関連のツイートが多めです↓
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
少しでもお役に立てていれば幸いです。
それでは皆さん、良いデザインライフを!
【参考・参照元】
・新版 お客をつかむ ウェブ心理学
・行動経済学入門―基礎から応用までまるわかり
最後までお読みいただきありがとうございます。サポートしていただければ、福岡でのデザイナーコミュニティの形成やデザインの勉強に使い、noteにアウトプットしようと思います!