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izuru_s
ラストマイルロジも問題多し
コロナ禍で注目度合いが下がった物流業ですが、人材難の状況は今も変わらず。またアメリカではその深刻度合いが増しているようです。
ガソリンを各地のスタンドへ運ぶドライバーが足りないのだ。米国でタンクローリーによる運搬を手掛ける企業の団体NTTCによれば、国内の車両全体の20~25%は夏に向けて稼働の見通しが立っていない。タンクローリーを運転する資格を持つドライバーの不足が原因で、2019年の同時期に同じ理由で稼働していなかった車両の割合は10%にとどまっていた。…タンクローリーを運転するには他のトラックとは別の特定の資格が必要で、雇用されてからも数週間のトレーニングを受けなくてはならない。また他の長距離トラックのドライバーより実入りはいいものの、体力的に非常にきつく、簡単な仕事ではない。
日本でも似た状況があると言われています。日本では工業地帯や沿岸側に多くある石油精製所から、全国津々浦々のガソリンスタンドへタンクローリーで運ぶ必要があるわけですが、低賃金で厳しい労働環境からなり手がいない、ということのようです。(また日本のガソリンスタンドの苦難については下記投稿をご確認ください。)
一方でコロナ禍でアマゾンやEコマースでの注文が増えたかと思いますが、商品を瞬時に届けるドライバーも、宅急便のみならず、ウーバーイーツのように個人化が進んでいます。しかし、足元は逆にそのようなアマゾン配達をする個人ドライバーが多すぎる(供給過多)に陥っているようです。
2021年1月に首都圏で緊急事態宣言が出されたときに状況が一変。Aさんによれば、「配送案件が取りづらくなり、他のドライバーのキャンセルを待つことが多くなった。配送拠点で見かけるドライバーの数も2~3倍に増えたように感じる」という。ドライバー増加はアマゾンフレックスを利用する複数のドライバーが口にする。この背景には、コロナ禍での休業や失業が増加していることに加え、個人ドライバーの開業支援を行うサービスが出てきていることもあるだろう。
上記ドライバー過多の状況は都市部ならでは事象であるでしょうし、下記ビデオで取り上げている過疎地域では、ドライバー過少となっているわけです。
今後自動運転が多く導入され、高速道路の運転などでの物流人材の不足が一部解消できるかもしれませんが、もう一方で商品を各家庭まで届ける、または各商店まで運ぶ、となるとやはりラストマイルの人材が必要となり、そのような人材をどう適材適所、常に配置できるか。またその方々にちゃんとしたインセンティブと報酬をお支払いできるスキームは何なのか。かなり高いハードルがあるように感じます。