過去投稿からの進化・変化⑨-規制強化と市場評価が反比例

過去投稿にて、2020年の終わりごろからアリババが、中国政府から規制強化を受け始めている、という話をしました。

そして今回はその発展形として、2020年10月に上場予定であったアリババの金融子会社(アントフィナンシャル)の評価額が、上場前は3000+億ドル(一説には3200億ドル)と言われていたものの、現在の推定だと300億ドル以下になる、という試算があるようです。(詳しくは下記をご参照ください)

中国政府並びに中国人民銀行(中央銀行)の国内ネット金融企業に対する規制強化の流れは、アリババグループのみならず他社にも波及している模様。

「許可範囲を逸脱した金融サービスが広くみられる」と批判し、不健全な企業統治体制や不公平な競争条件による消費者利益の侵害といった問題があると強調した。13社は市場での影響力も大きいとみて、早期の是正を指導した。金融監督を受け入れるほか、決済手段と金融サービスをひも付けて消費者の選択肢を狭めることを禁じた。取引の透明性を高め、情報を独占しないよう要求した。消費者保護の仕組みを改善することも求めた。

また金融関連ではないものの、昨年トランプ前大統領が米国事業を売却するように、と指示した、ということで話題となったTikTokを運営するByteDance社。今回中国事業の上場があるかも、と報じられていたが、一部規制強化の流れの影響もあったようで、上場案は一旦棚上げとなった模様。

高まる規制当局のネット企業に対する圧力も、上場計画の凍結に影響したとみられる。アリババは今月10日、独占禁止法違反で当局から過去最大となる182億元を超える罰金を科された。26日には出前アプリ最大手の美団も独禁法違反で調査を受けていることが明らかになったばかりだ。バイトダンスの20年12月期は売上高が3兆円、営業利益は7000億円規模にまで膨れ上がった。バイトダンスの関係者は「独禁法違反などで当局の監督を受けたことは一切ない」と強調。さらに「手元資金は豊富にあるため、上場で資金調達を急ぐ必要はない」と説明する。とはいえ、ネット業界に漂う先行きの不透明感が上場への判断に影響した可能性は高い。急成長を続けるバイトダンスにとって課題は海外事業だ。20年には米国でティックトックを通じて個人情報が中国政府に流れているとし、トランプ前政権はティックトックの米国事業の売却を命じる大統領令に署名した。売却には至らなかったものの、約1億人の利用者を抱える米国市場を失う危機にさらされた。バイデン政権下でも厳しい姿勢は変わらないとみられ、先行きは見通せない。

やはりどの国でも、規制強化が始まる業界の会社の市場価値(もしくは見込まれていた成長性)は必然的に下がりやすくなるのかな、と感じました。

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