地銀へのメッセージなの?
ここ数週間、日経新聞で地銀に関する記事を再度ちらほら見るようになったので、コロナ禍での地銀の行方に予感させる?とまではいかなくても、何か地銀へのメッセージ性があるのかな、と思い。閲覧数としてはあまり人気投稿とならないが、久しぶりに地銀関係の続編を書いてみます。前回投稿は下記参照。
上記記事は、前回のNote投稿と同じく、金融庁が地銀再編の旗振り役として自主性の促進なり、経営面での対話、法整備(地銀同士の合併は独禁法違反にならない等)行ってきたにも関わらず、この度のコロナショックの影響から、2020年6月12日に成立した改正金融機能強化法について解説しており、『公的資金の申請期限を4年間延ばし、2026年3月』にした。要するに地方経済と地銀を守るために方針転換したのでは?ということである。
また2020年6月末に掲載された上記記事には、金融庁の遠藤長官の談話が書かれている。興味深かったのはこのコメント。
『新たな改革を始めて1年経過したが、道半ばだ。実感として改革が進んだ地銀は全体の4割程度という感覚だ。
地銀は経営理念を脇に置いて、人事ピラミッド上位の経営本部が下位の営業職員にノルマや心理的プレッシャーを課し、失望した若手行員の離職を招いている。金融庁は監督者として振る舞いつつも、所詮他人事となりがちで、当事者意識に欠けていた。』
そして2020年7月11日の上記記事によると、金融庁が自己資本健全な銀行に対して、預金保険の保険料をさらに低減させる意向、というニュースが出ていた。要するに、銀行や金融機関でも規模が大きければ、優遇しますよ、といった措置にも見え、規模の大きくない地銀などの合併を結果的に促している、とも見れる。また給付金配布により注目を浴びた銀行の振込手数料も(規模の比較的小さい)地方金融機関ほど、経営の収益に対して影響度が大きいようで。
そして金融庁の遠藤長官は7月14日でご退任、7月20日から新たに氷見野長官が就任予定とのこと。記事によると、同新長官は『03年に金融機関の国際ルールを協議するバーゼル銀行監督委員会の事務局長に日本人として初めて就任。19年には各国の規制当局でつくる金融安定理事会(FSB)の常設委員会議長に就いた』、とのこと。
総合すると、地銀再編への方向へ促していきたい、という金融庁の大きな方向性は依然残っているものの、現下のコロナ禍での地方経済の疲弊度合いや、遠藤長官が記事でもコメントされていた、金融庁と地方金融機関との信頼関係醸成+中長期的な視点での関わり改善が必要、など個別多彩な対応が金融庁としても必要となり、経営の収益性というような簡単なベクトルのみで、大きく再編とはすぐには向かわないのでは、とも感じる。その間にSBIグループが着実にビジネスチャンス・ビジネスモデル転換を目指しているように、私には見えるまでですが。