売却しきるのも能力?か
コロナショックによる景気後退期と中銀政策による緩和姿勢も継続となる中、日本企業が絡むM&Aの買収案件も欧米同様、大型化になっており、またその規模故に、メディアでも注目を浴びているような気がします。(私もいくつか関連投稿を書きました。下記をご確認ください。)
一方で売却案件も散見されますが、なんだか注目のされ方が気持ち小さい気がするのですが。。日常の買い物でも買うときは楽しいもので、ちゃんと使い切る、売り切るまで、考えるか、と言ったら確かに別なのかもしれない。でも投資や事業の世界では、売却がちゃんと成立しないと、回収率やリターンの大幅減少となるので、買収と共に大事な要素かな、と思います。
直近で上記記事のように、海外の同業他社に会社ごと売却(日本ペイントHD)なり、日本国内の事業を投資ファンドに売却(武田OTC)なり、数千億から兆円規模の取引も見られております。今後も日立グループの案件などもの売却観測もあり、日本企業のグループ再編という脈絡での売却案件は今後も出てくるでしょう。
一方で米中摩擦などに起因した豪中摩擦など、政治的な思惑が絡み、キリンホールディングスのオーストラリア乳飲料事業の、中国企業への売却が頓挫した、という上記記事もありました。政治の流れや買収側の意向、また売却側のタイミングなど様々な要素がうまくマッチしないといけませんが、『運も実力のうち』と言われる方もいるように、『(案件、事業や会社を)売り切るのも経営者の能力のうち』なんて、言われるのかな、と感じました。
では、日本企業は今後売却する先として、どのようなところが選択肢としてあるのでしょうか?今後の米中摩擦・対立が続く前提で、日本の外交的、政治的立場も考慮に入れると、米系・西欧系、そしてインド系などの企業(もしくは投資ファンド)が買収相手となるのでしょう。なんだか絞られてきますね。