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過去投稿からの進化・変化⑫鉄道が消えていく

昨年10月に投稿した、JR北海道の不採算部分の路線が廃線へ、という日本地方都市が大きくぶつかるであろう、交通インフラ維持を今後どうするか、という課題について、再度書いてみようと思います。

昨年の続きから行くと、去る2021年3月末に予定通りJR北海道の無人駅が廃止となり、また日高線も廃線、JRバスが代わりに走ることに。

2019年12月4日、北海道北部、幌延町副町長の岩川実樹はJR北海道から宗谷線の無人駅を廃止するか町が費用を負担して存続させるか、方針を決めるよう通告を受けた。期限は20年3月。対象の無人駅は町内に7駅を数えた。…町議の斎賀弘孝は「きりなく廃止を求められたらどうしよう、という思いはある」と危機感を隠さない。稚内へと向かう宗谷線沿線は山深く、大動脈の幹線道路も少ない。無人駅の廃駅は容認できても、札幌や旭川など都市部に出かけるために鉄道路線は残してほしいという声が根強い。幌延町の問寒別駅前で食堂を経営する千葉浩は「高齢者が増えることを考えると、将来は鉄道が必要になるかもしれない」と話す。バス路線も数えるほどしかない地域にとって、免許を返納した高齢者の貴重な交通手段が失われることになるからだ。町は来春までに地域内の移動手段確保に向けた実証実験を始める。
北海道ではこの5年、鉄道路線の一部廃止が相次いでいる。16年に留萌線(留萌~増毛間)、19年に石勝線(夕張~新夕張)、20年は札沼線(北海道医療大学~新十津川)と続き、今年は日高線。

人口減少社会での交通インフラをどうするか、というのは遅かれ早かれ考えないといけない問題ではあったものの、その問題がコロナ禍で加速し、既に大手JR3社の業績へかなりの影響を与えている。

JR旅客会社のうち、東日本、東海、西日本のいわゆる本州3社は、それぞれ東京、大阪の大都市路線や東海道新幹線という収益部門を持つため、安定経営のもとで着実に経営を拡大し、社内留保を厚くして来ていた。少しくらいの減収・減益ならば、経営はびくともしないのであるが、今回の新型コロナは、兆の桁の収益を持つ会社の売り上げ規模が半減するという未曽有の危機であり、これからの需要の回復も見通せないところで、その影響は深刻である。

鉄道は日本の文化ともいえるし、重要な交通インフラでもある。一方で安全面や運行にもコストがかなりかかるもの。自動運転で世の中が大きく変わればこのような交通インフラの役割も転換するだろうが、そうでないとすぐには良い未来が待っている、とは言い難い気がする。

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