成長が見えない市場からの撤退②
下記投稿で以前、日本市場の”成長”があまり見込めないことから、資金回収という面も含めて、米マクドナルドが日本マクドナルドHDの株式一部を売却を計画、という話をしました。
その脈絡に似ていることですが、様々なETFを提供している、運用残高世界第二位のバンガードが、アジア戦略の見直しとして、日本と香港市場から撤退し、アリババ傘下のアントフィナンシャルと合弁会社を作り、外資金融規制緩和と成長している中国本土へ進出、と発表しました。(政治的に問題があろうとも、経済規模的にはかなり魅力的であることに変わりはない)
バンガードは米ブラックロックに次ぐ世界2位の資産運用会社で、運用総額は6兆1千億ドル(約640兆円)に達する。世界で初めて指数連動型の「インデックスファンド」を個人向けに販売したことでも知られており、低コストを武器に資産残高を伸ばしてきた。近年はアジア事業の見直しを進めており、2018年にはシンガポール市場から撤退した。
バンガードは日本において、マネックスグループと組んでマーケティングを行っていたようですが、今後は新商品などは提供しない、とのこと。これからも、このような話は多く聞かれてるとは思っています。
もちろんバンガードの競合(State StreetやBlackrock iShares、野村など)にとっては、今後バンガードの日本におけるシェアを獲得できるのでは、ということで良いかと思います。
一方で日本のお客様にとってみれば、『外資金融機関は撤退リスクもあるし、日本へのコミットメントどうなの?信頼できるの?』と考える方もいるでしょうし、同時に欧米系の外資金融の経営層から見た、成長があまり見込めない日本という市場に今後も投資し続ける意味は?というのを模索しながら、成長が見込みやすい市場への投資も続けていく必要があります。
中長期的にみると、外資金融企業から成長が見込みにくい日本は魅力的に映らず、継続する理由は?(ETFに関して、日銀の買い入れはあるか!)を常に問いつつ撤退可能性と天秤にかける一方で、大手は野村・大和、三菱・SMBCなど日本がホームなので、日系金融機関は広い意味で追い風となるのでしょう。