変化する現実とは②(中国不動産動向)

前回投稿の続きで、中国不動産に関する”変化する現実”について書いていきます。

上記投稿にもあるように、直近では中国の主要都市においても不動産価格下落がみられるようになったそうです。問題はこれがどこまで継続するか(もしくはまた上昇トレンドに戻るのか)が注目されます。

都市別に見ると、北京、上海、広州、深圳の「1級都市」のマンション価格は平均で前月と横ばいだった。8月は0.3%上がったが、上昇傾向がとまった。省都クラスの「2級都市」も横ばいで、それ以下の「3級都市」は0.2%の下落に転じた。取引価格が比較的自由で市場の需給を反映しやすい中古物件では、52都市で価格が下落した。

そして伝統的に男性側が住居購入を期待されていたものの、女性も住居購入の大きなプレーヤーとなっており、特に独身女性や結婚後を見過ごした共同購入のケースも見られ、ここにも現実の変化がみられるだろう。

目を引くのが女性による住宅購入だ。不動産シンクタンクの貝殻研究院が中国主要30都市での性別ごとのマンション購入状況を調べたところ、20年時点で47.5%が女性だった。17年から2ポイントほど上がった。この数値には既婚女性も含むが、年齢別にみると25~29歳での女性の比率は3年間で6ポイント超高まり、未婚女性の購入意欲の高さが見て取れる。...「平たく言えば、男性よりもマンションという資産の方が頼りになる」。...婚前に自らの名義で住宅を買う必要があると答えた女性のうち36%が購入理由を「住宅は結婚より安心感を与えてくれるから」と答えた。...中国の住宅市場からは、若い女性が結婚後も経済面で過度に男性に依存せず自立心を保とうとする姿勢がうかがえる。...女性が離婚したときの財産分与で不利にならないようにする自己防衛という面もある。土地が国有の中国は住宅購入の際に土地の使用権も買う。夫が婚前に使用権を買った場合、原則として結婚後に価値が上がった分を除いて離婚後は夫の財産になる。夫婦が共同で購入すれば、財産分与も平等に扱われやすい。

中国の不動産市場の不安定さは一定程度続き、供給や政策による混乱もあるでしょうが、住居の主要購入者が男性のみならず、様々な人生設計での女性も市場に大きく寄与している点においては、日本の80-90年代のバブル崩壊とは違うのでは、と感じました。


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