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「本を囲んだ語り部屋」2024/12/8三宅香帆さん『「好き」を言語化する技術』

日曜朝のX(Twitter)スペース「本を囲んだ語り部屋」
12/8は三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術』を取り上げました!

「好きを語ることは、人生を語ること」というメッセージが印象的な本書ですが、本書のサブタイトル《推しの素晴らしさを語りたいのに『やばい!』しか出てこない》という言葉に、ドキッとする人も多いのではないでしょうか。

SNS時代では、日々多くの他人の言葉が頭の中に流れ込んできます。私たちは多くの言葉に影響を受け、気づかぬうちに、他者の言葉を自分の考えだと錯覚してしまうことがあります。三宅さんは、他者の言葉との適切な距離を保つためにも、自分だけの「好き」という感情を自分自身の言葉で表現する技術が不可欠だと指摘します。

語り部屋では冒頭、好きを言語化することについて語り合いました。好きや感動は身体的な反応であり、そもそもは言語化することは難しいというお話がありました。他者の好きや感動を聴くことで、自分も楽しくなる瞬間がありますね。自分は他者の「ニッチすぎる推し」が好物だったりしますが、普段は見えていなかったその人の人生が、好きや感動を通じて垣間見れるように思います。好きや感動がもたらすエネルギーには、何とも言えない熱量がありますね。好きを語り合う場が生むエネルギーを大切にしたいと思いました。

その流れで好きを言語化する手前のステップについても語り合いました。モデレーター仲間は、好きを好きと言い切れないジレンマについて話してくれました。好きと嫌いの間にあるグラデーション、その対象に対する賛否両論、また知識やスキルなどの他者比較など、好きと言い切ることへの怖さやためらいもありますね。その中でコピーライター田中泰延さんの『読みたいことを、書けばいい。』という本を紹介してもらい「自分に向けて書くからこそ誰かとつながれる」というメッセージにつなげてもらいました。まずは自分のためだけに語る時間を大切にしたいと感じました。

そして最後には語ってみることで自分の好きの輪郭が明らかになってくるという話にもなりました。語ることで再体験し、何が自分にとって大切かをじんわりと感じられる気がします。三宅さんも言語化によって「自分の好きの信頼へつながり、それが自分の価値観への信頼をかたち作る」と書かれていますが、この「信頼」という言葉が印象に残ります。自分の好きに素直になって自分の人生を信頼していきましょう。


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