隅々まで観て欲しい!孤独を表現した作品です。
「犀の角」
970×1303mm/アクリル・キャンバス/2021年
僕は、お坊さんの話をYouTubeで良く聴くんです。
どうやったら孤独というものを耐えれるんだろうか・・ということを考えて描いた作品です。
これは犀が描いてあるんですが、「犀」というのは仏教では孤独を意味するとのことです。
「犀の角のようにただ独り歩め」というお釈迦様の言葉があるのですが、基本的に犀は群れることのない動物です。人間も同じように孤独であり、真っ直ぐに一本伸びる犀の角のように自らの信念を持って歩み進みなさい。という教えです。
仏教が孤独を勧める理由は、私たちの悩みは日々、人間関係から起こるとされています。自分のやりたいことを貫くには悩みの原因である人間関係から一時的に離れてみることが心の成長に繋がるということでした。
僕は社会の繋がりから離れた場所で創作活動をしています。他者との繋がりを絶った状態により孤独感を日々感じてはいますが、絵を描く上では必要な状態でもあります。
犀の話を知って、「よし、犀の角のように自らの信念で孤独を表現しよう」と思って描いたのがこの作品です。
隅々まで見てもらえると分かるのですが、実際描いてみたら「彼女が欲しい」とか「背脂増し増し」とか欲望ばかりが降っています。
孤独を表現しようと、絵にひたすら向かっていたのですが、作品が出来上がって見てみると他者と繋がりたい!あれもしたい、これもしたいと自分の夢や欲望を無限に表す作品になっていました。
個展ではこの作品が皆さまからの反応が1番多い作品でした。そして「この作品が1番好き」と言ってくださる方も多かったです。
孤独と思っているのは自分自身だけで、作品を通して人と繋がることが出来ると感じた作品です。人と会わずにいることが孤独ではなく、自分自身の心の在り方で孤独は存在するのだと思いました。