08_就活面接前に要チェック!実践で使える印象アップテクニック
こんにちは。チェンジマネジメントコンサルタントの江田泰高です。
前回のnoteでは、VUCAの時代においても、なぜ「新卒採用」が残り続けているのか、その理由を解説しました。そして、企業が学生を選ぶ基準として、「長く働いてくれるか」「中核社員として会社を支えられるポテンシャルがあるか」の2つを確認していること、そのために4つの視点を大事にしていることをお伝えしました。
前回のnoteは、こちら
今回は、面接の実践で使えるテクニックを紹介していきます。
1. PDCAを回せることをアピールする
前回のnoteでは、面接官が「これまでの経験」を聞く意図は、その経験から成長への再現性があるかどうかを確認するためだとお伝えしました。
今回は、私が面接官をしていた頃に必ず投げかけていた質問を紹介します。
まずはセオリー通り、「今まで達成したことや頑張ったこと」を聞きました。すると、サークルを頑張った、アルバイトを頑張った、インターンを頑張ったなどいろいろなエピソードが出てきます。私が一番重きを置いていたのは、その後の質問でした。
「もう一度、そのインターンだったり、プロジェクトをやれるとしたら、何を変えますか?」
と問いかけていたのです。
これにはしっかりした意図があります。実際に学んだことを生かせるかどうか、コンサルティングの用語でPDCA(Plan・Do・Check・Action)を回せるかを確認していたのです。
単に体験しただけでは、それが本当に役立つのか、将来的に再現性があるのか判断できません。学んだことを活かす発想ができるかどうかが、今後のポテンシャルを測るうえで大事な指標となります。このような発想ができる方は、入社してからもいろいろと試行錯誤をしながら、より良い方向にチャレンジできると考えられます。
とはいえ、面接官がこのような質問を投げかけてくれるとは限りません。そこで皆さんに面接官に響くエピソードの作り方を紹介します。
エピソードは、「1現状 → 2アクション → 3選択肢 → 4優先順位 → 5 実行/結果」の順番で物語を構成すると説得力のあるエピソードになります。具体例を紹介します。
① 現状
まずは現状について説明します。問題点について説明できるといいでしょう。ここでアピールできるのは「問題発見する能力」や「分析能力」です。
例:「飲食店でアルバイトリーダーをしていました。オペレーションがうまく回らず、注文ミスが多発していました」
② アクション
問題を解決するために自分がどのような行動をとったか説明します。そうすることで「主体性」をアピールすることができます。
例:「まずは従業員に全員にヒアリング。ミスの原因を考えました」
③ 選択肢
アクションから導き出した複数の選択肢について説明します。複数の選択肢を考えることで、「視野の広さ」をアピールすることができます。
例:「注文ミスをなくすため、注文時の復唱の実施、伝票の表記の統一、タブレット注文の導入、トレーニングの実施、人員の増強などの案を考えました」
④ 優先順位
選択肢の中で優先順位を決めます。思い付きでの行動ではなく、「計画性」や「論理思考力」をアピールするチャンスです。
例:「人員の増強やデジタル機器の導入にはコストがかかるため、最も早くできる注文時の復唱の実施と、伝票の表記の統一を実施することからはじめました」
⑤ 実行/結果
優先順位に基づいて実行した選択肢について、結果と反省などを説明します。そうすることで、「経験を前向きに活かすことができる」人材であることをアピールできます。
例:「はじめは今までのやり方が抜けきらずにミスが起こることもありましたが、その都度従業員同士で声を掛け合うことで、新しい接客が徐々に根付き、ミスも減りました。
単に新しい施策を導入するだけでなく、それをどう浸透させるかが重要だと気づきました。今では新しいアルバイトが入った際の研修も確立し、従業員へのミスが以前と比べて格段に減っています」
このような順番で物語を構成すると、非常に説得力のあるエピソードをつくることができます。
2. 結論を最初に伝える
これはコンサルティングでもよく使う手です。
たとえば、「私の特徴は○○です。なぜならば、根拠①、根拠②、根拠③。ですから私の強みは○○です」。このようにまとめていただくと、言いたいことが明確になります。
逆に、「私は○○でした。○○もありました。○○なこともありました。だから私の強みは○○です」と言われるとどうでしょうか?話の続きを聞きたい!と思わせるような抜群のトーク力があるならまだしも、そうでなければつまらないうえ、何が本当に言いたいことなのか分からなくなるでしょう。
結論を最初に伝えることで、論理的な思考ができる人物だと印象づけることができます。
3. ネガティブをポジティブに変換する
これは、ネガティブ変換法と私が呼んでいるテクニックです。
たとえば、面接の中で「あなたの弱みは何ですか」と聞かれたとします。
そこで「私の弱みは几帳面なところです」で終わってしまう方が少なくありません。でもこれだともったいないです。弱みに対して、対処できていることを伝えるべきです。
たとえば、この返答だったら印象はどうでしょうか?
「私は几帳面な性格と言われます。それが私の弱みです。几帳面なので物事を細かくやり過ぎてしまいます。ですから、やりすぎないようにしっかりと締め切りを決めることで、やりすぎを防止しています」
こう聞くと、「この方はしっかり自己分析できていて、弱みを弱みとして認識した上で、どうしたらいいかの対策までできている。うちの会社に入社しても大丈夫だな」と思ってもらえます。
ネガティブ変換法のテクニックは弱み以外にも使えます。
たとえば、営業の仕事をしたくない人。「営業の部署に配属になったらどう感じますか?」と問われたとき、「営業はやりたくないです」といえば、当然内定はもらえません。やりたいことしか取り組まない自分勝手な人間だと思われるからです。
一方で、「将来的には経理を志望しますが、営業の現場であっても、数字的な分析が必要になりますし、経理になる際に営業の知識は間違いなく役に立つと思います。配属いただけるのでしたら全く問題ありません。むしろ多くの経験を積みたいと思っています」と答えると、とても前向きに聞こえ、良い印象を与えることができます。
4. 最後の質問で好印象を
面接の最後には、大体「最後に、何か質問ありますか」と聞かれます。ここであなたの評価が上がるか、下がるかの分かれ目があります。
評価を上げる質問としては、会社の戦略やリリースに関する質問などが挙げられます。「御社の新製品についてリリースがありましたが、詳しく教えていただけますか?」などです。「この人ちゃんと勉強しているんだな、うちの会社のことよく知っているな」と思っていただけます。
一方で、「残業が多いですか」という質問はどうでしょうか。あんまり心象は良くないですよね。「この人はストレス耐性が低いのかな」と思われるかもしれません。
質問できる回数は多くありません。どの質問をすると自分の評価が上がるのかをよく考えていただきたいです。
以上、面接の実践テクニックをお伝えしました。
実際に企業が将来どんな成長をイメージしていて、その中で新入社員をどんな位置づけで採用していて、どんな人が欲しいのかを意識する。そうすることで後悔のない就職ができると思いますし、企業にとって役立つ人材になれると思います。ぜひ今日お伝えした話を意識しながら就職活動を進めていただきたいです。
では、また次回、お楽しみください。
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