主格とおみゅりこ。『もう❗️ いくつ寝るの⁉️』おじいちゃんの竹馬、乗れなかったなぁ
年末の雰囲気が好きって言う人が居るけど、それは率直な感覚なのか、あるいは楽しかった記憶に引っ張られてそう『思ってる』だけなのか。
(๑•ૅㅁ•๑)『お前はキライだもんな、年末』
嫌な記憶の束しかない……それこそ小学生くらいまで遡らないと。いや、それでもすき焼きが美味しかったくらいしか……
(๑•ૅへ•๑)『牛脂が鉄板に溶ける匂い、やたらに甘いジャリジャリのお饅頭、延々と世間話をお前の母と繰り広げるおばあちゃん(母方)、退屈とオセロ、駄菓子屋のババァ、なんかつんけんしてる親戚の子、野良犬、寂れた商店街……』
で、その内兄弟の誰かが言うんだ。
『公園いく?』って。
何して遊んでたっけ……すべり台? 結局すぐ駄菓子屋に行くんだよな。ババァが言ってた、『セミを唐揚げにしたら美味しい』って。
(๑•ૅー•๑)『やなババァ……店の奥の右っちょにある10円のクジのガムみたいなヤツ毎回やってたよな。味がすぐなくなる』
何が貰えたっけ……アニメのメンコかな? それとも発泡スチロールの飛行機? カメレオンキャンディ、好きだったなぁ。
(๑•ૅㅁ•๑)『お前の主食はアレだよな。こんにゃくゼリーと30円くらいのコーラもどきと、爪楊枝で刺して食う不味いヤツと、一個が酸っぱいガム』
お年玉の2万円、ほとんどお菓子に消えたっけ。高学年から高校生にかけての正月の記憶が全然ないな……よほど退屈だったのだろう。
(๑•ૅ▽•๑)『兄の友人が家に来るのスゴく嫌がってたよな』
人見知りなモンで……なんか自分の居場所? が荒らされてるみたいで嫌だったんだ。
(๑•ૅ﹆•๑)『ゲームボーイのポケットカメラめっちゃやってたよな』
アレのな……しょうもない別売りのプリンターがあるんだが、箱を開けた時の匂いが好きだった。最新の機械〜って感じで。あんまり使わなかったけど。
(๑•ૅㅁ•๑)『まあ、実際いろいろあったんだろうケド、何考えて過ごしてたんだろうな』
これだけは自信を持って言える。『何も考えてない』……だ。私が頭を使うといったら自作のスゴロクを作る時と変なバトル漫画を描く時ぐらいだ。
(๑•ૅ〜•๑)『そっか……まあガキなんてそんなもんさ』
あ! あと秘密基地を作った時! アレは楽しかったな……人の土地だから後で怒られたけど。すごかったぞ、汗水流して作り上げた小屋がショベルカーの一撃で粉々になったんだ! これで私は諸行無常がなんたるかを理解したんだ。
(๑•ૅㅁ•๑)『お前そういや小屋の側にあった土管の中で火遊びしてて、バレた時友達のせいにして逃げたよな』
だって怖いもん。子どものイタズラくらい許せっての。
(๑•ૅ∇•๑)『自分ちの庭で同じ事されて、同じこと言えるかな?』
はっはっは……蹴り飛ばすね。
変な遊びもやったなぁ。兄が魚の死骸を泥の中に閉じ込めて化石を作るとか、ドングリと雑草の特製スープを空き缶で生成したり、泥の器を焼いて土器を……これは失敗したな。火遊びと泥遊びが多かったよ。
(๑•ૅㅁ•๑)『松の枯葉が焼ける匂い、いいよな』
おばあちゃん(父方)もあれだけの松の葉をどっから集めてきてたんだろうな? 七輪の扱いがバツグンで、あっという間に火を起こせる。そんでナスを炊いたり出前一丁煮込んだり。
(๑•ૅ-•๑)『お前のおばあちゃんのホットケーキもどき、おいしかったよな』
アレが再現できないのが悔やまれる。多分白かったから卵が入ってなかったんだろう。少しモチモチしてて、あつあつで、小麦の香りがよかったなぁ……
(๑•ૅㅁ•๑)『山遊びもたくさんしたよな』
棒と身体があれば、どこまでも行けた。崖登りみたいな事もしてたけど、私だけ小さかったから大変だった。手に無数のスイバリが刺さって戦慄したり、兄が崖から転落して戦慄したり、底なし沼にハマって戦慄したり、無数のヒルにも戦慄した。
ああ、素朴な日々ってのは、いいもんだなぁ。冗談抜きで涙が出そうだ。帰りたいな、あの夕焼けとカレーの匂い、暮れゆく海に。
(๑•ૅ々•๑)『浸るな浸るな……こっちに帰ってこい』
色々忘れてたんだな。でも、こうやって思い出せてよかったよ。なんてことのない日の繰り返し。退屈と冒険。ありがとな。
(๑•ૅ、•๑)『(照)』
さて、いい気分になったからこの辺にしとくか。
(๑•ૅㅁ•๑)『有意義に感じたんなら本望さ』
……
…………
記憶は薄れる。でも、こうやって取り出すと、ほら
傷だらけのガチャポンのカプセル――
何が入ってるかな?
赤外線レーザーが出るやつ?
ペラペラのハンカチ?
謎のゴム人形?
みんな、みんな……きっとアタリだよ
(๑•ૅㅁ•๑)『あ、お前500円玉にヒモつけて自販機でズルしようとしてたよな』
アテがハズレたな、ヤツは帰ってこなかった。