大国様が良縁を引き寄せて下さる御神木

  静岡県森町一宮の小國神社には「ひょうの木」と呼ばれる御神木がある。正式名称は檮 (イスノキ)。イスノキは、神聖の木の意味をもつ湯津(ユツ)の木が、ユスノキ、そしてイスノキに転化したといわれる。『古事記』にも、清浄な櫛「湯津津間櫛」が記され、湯津の木は、古く宮中(皇室)で使われる櫛の材にされたとも。その葉には小さな穴が開き、 笛のように吹くと「ひょう」という音が出るので、湯津の木は、別名「ひょうの木」「ひょんの木」といわれた。

静岡・小國神社 ひょうの木


 小國神社の御祭神は「大国様」と親しまれる「大己貴命」(おおなむちのみこと)。開運福徳・縁結びの神様と崇敬される「大己貴命」には、「ひょうの木の葉(実)」を吹き、その美しい音色に感銘を受けた女神が現れ、契りを結んだとの伝承がある。
 小國神社のひょうの木は、木肌がうねり、根元の上部から交わりながら二本の幹に分かれる特異な形状で、「恋愛」「人間関係」「仕事」など様々な「縁を結ぶ」御神木として、古くから信仰される。
 「ひょうの実」は、一年中、ひょうの木の枝葉につき、自然に地面に落下。とくに風が強い日の翌日は、御神木の周りに「ひょうの実」を見つけることができ、参拝者から縁結びの縁起物として人気を呼んでいる。

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