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ギリーは幸せになれる

WOWOW録画「ギリー・ホプキンスの不機嫌な日常」を観ました。

wowowでの題名がこれだったので
見始め手間もなく主人公の生意気な態度は”不機嫌”な子

の話?
と思いながら見てました


好きです
主人公12歳に見えないけど
愛情が散りばめられた素敵な映画です

その先ネタバレあります
みたくない方はスルーしてください




主人公ギリーは里親の元を転々とする問題児で
すごく生意気だけど
母親がいつか自分を迎えにくると純粋に信じている12歳の少女です

新しい里親の愛情が深く
孫の存在を知って会いにくる祖母の愛情も
里親の元にいた男の子へのギリーの愛情も
新しい学校の先生の愛情も

結局 求めていた”母親の愛情”を得られないと知った時のギリーの絶望
子どもの親への絶対的な愛情(一緒に住んでいないのにいつか自分を呼び寄せてくれると信じている)
そんな絶対的な存在が自分が求めていたものと違ったら
その絶望は計り知れない

そんな時にこの映画のように愛情を注いでくれる人たちがそばにいれば
その時は無理かもしれないけど 立ち直っていく力になるのだろう

映画ではギリーは周りの愛情に気づき
自分の感情を受け止めていきます

母親に絶望したギリーは

 「どうして何もかも思い通りにならないの?
  お母さんさえくれば…」

と里親に泣きつきます
 「人生とはツライもの ハッピーエンドなんてこの世には存在しない
 全てが順調で最後に幸せが待っていると思える時がある
 人生は喜びで満ち溢れていると
 それは嘘じゃない
 でもそれを常に期待してはいけない
 ツライ仕事を達成してこそ人は幸せになれる」

と里親がギリーに言うシーンが印象的です

里親の元を離れ 祖母と暮らすようになっていたギリーは
「(里親の)家に帰りたい」と言うと
「あなたの家はおばあちゃんの所」
涙を堪え諭す里親に対しそこは12歳の子だもの
 「あなたたちと暮らしたい」と素直に自分の気持ちをいいます
祖母の心配を知っている里親は
自分たちも家族だけどおばあちゃんも家族でしょっといった感じで
「家族が増えただけで失ってない 私たちはずっとここいる」
と、迎えにきた祖母の元へ行かせます



ギリーは新しい環境で出会う人々に反抗的な態度で接しますが
周りの人々が暖かい
最初はすごく生意気な態度だけど、実際はきっと色んなところで生活していくうちに
それなりに身につけた彼女なりの処世術だったのでしょう

その態度は”怒り”だと先生に言われ
「あなたの中にある怒りを(人に向けるのではなく)目標を達成するために使いなさい」
と諭す先生も素晴らしい

これくらいの子ってただでさえ難しいのに
その複雑さを描くことができていてギリーを演じるソフィー・ネリッセが上手く惹きつけられました
観ているうちにどんどん彼女の魅力が増していきます

母親に会いたくて家出をしたり
その際もお金が足りないので、義母の財布からお金を抜いたり
母親に「自分の環境は劣悪」と手紙を書いたり
賢い子なので色々考えて自分でなんとかしようとしているのは健気ですが
後々どうなるか、自分がしている行動が周りの人にどう影響するのか 普通はわかるだろうと思いますが
そこはやっぱり子ども、自分のことで精一杯なんでしょうね

そんなギリーの気持ちを包み込むように
受け止める 里親の愛情が本当の母親のようです

そんなギリーも里親の元にいた男の子に姉のように接するようになっていき
毎日一緒に食事をする盲目の隣人なども家族のようになっていきます


「そして父になる」と観た時に強く感じたものを思い出しました
血のつながりとは?
血が繋がっていなくても 家族になれると

自分も実際自分の子供は可愛いので
そこに他の子が入ったら絶対差別してしまいそうと
思っていました、
昔話でもあるように”義母は意地悪”みたいになってしまうのだろうと

でも、子供を育てていくうちに兄弟で性格が違うのは
”同じように接してる(育ててる)つもりでも同じように育たない”
ではなく
”性格が違うのだから同じように接している(育てている)つもりでも同じようには接していないから同じようには育たない”
と気がついた

なので いっとき甥っ子をうちで育てられるか?
と自分に問う機会があったとき
もううちでは子育てはほぼ終わっていたので
逆に孫のように可愛がってしまうのでは?と思ったことがあった
甥っ子なので血は繋がってますが
里親とかって、血が繋がってないからのジレンマもあるかもしれないけれど
血が繋がっていないからこその割り切りもできそうで
また違った子育てができるのではないかと思いました

ここは実際にしたことがないので想像の域を超えることはないですが
ほんとに里親になるとなったら それこそ自分の子の時より大変だと思います

なのでこの映画に出る里親のトロッターさんは
ほんとに愛情深く たくさんの子供たちを育ててきた肝っ玉母さんで
素敵なお母さん 
こんな大人に出会える子供は”幸せになれる”と思います
題名になりますね




主演はソフィー・ネリッセ 里親役をキャシー・ベイツ 先生役にオクタビア・スペンサー 祖母役をグレン・クローズなど 豪華な方達が出演してます

長々書いてしまいましたが
最後まで読んでいただきましてありがとうございます






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